先進オフィス事例

~オフィスを経営の力に~

共同カイテック株式会社 前編

2017年9月取材

※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。

ワンフロアに事業部を集約することでコミュニケーションが大幅に向上した

1950年に共同電気株式会社として設立、1992年に「人と社会に快適テクノロジー」を使命として共同カイテックに社名変更された。現在、「バスダクト」「OAフロア」「屋上緑化」の3つの分野でトップクラスの技術を開発し、世の中を快適にする製品の提供を続けている。
2017年7月、様々な課題を解消すべく自社ビルから賃貸オフィスビルへ移転を完了させた。移転理由からプロジェクトの経緯、そしてようやく見えてきた移転効果までのお話を伺った。

 

杉山 優子氏

共同カイテック株式会社
取締役管理本部
総務人事部長

河野 和典 氏

小澤 清彦氏

共同カイテック株式会社
フロアシステム事業部首都圏営業部
カスタマーサービス課 課長

蜷川 敏明 氏

天野 大地氏

共同カイテック株式会社
情報システム室
チーフ 

関 邦宗 氏

共同カイテック株式会社
管理本部総務人事課
総務人事課チーフ

戸上 真治 氏

三幸エステート株式会社
ソリューション事業部
移転プロジェクト室

草野 真

共同カイテック株式会社
管理本部総務人事課
総務人事課 課長

青木 雄一郎 氏

共同カイテック株式会社
管理本部 総務人事部
総務人事課

竹村 駿 氏

 
 
 

エントランス

リフレッシュスペース内のコーヒーマシン

はやわかりメモ

  1. オフィスの課題を解決できるビルがタイミングよく見つかった
  2. 移転経験の少ない会社が移転をするとき専門会社が力を発揮する
  3. 個々で保管していた大量の書類の廃棄を実施する
  4. オフィスコンセプトは事業部間での連携。メンバー全員がこだわりを持って取り組んだ
  5. 課題であった3事業部をワンフロアに集約。今後は部門を越えたコミュニケーションの向上を目指す
  6. 数値では測れない移転によるプラスの効果が生まれた

オフィスの課題を解決できるビルがタイミングよく見つかった

1950年に創業以来、世の中を快適にする製品の提供を使命として、技術、品質、サービスにこだわり続けてきた共同カイテック。現在の主力は、先進の電力幹線システムを提供する「バスダクト事業部」、優れた耐久性を誇るOAフロアを提供する「フロアシステム事業部」、特長ある屋上・壁面緑化を取り扱う「環境部」の3分野。それぞれの業界でトップクラスの実力を発揮している。

「これら3分野の企画・設計・開発・販売を独自のブランドで行っています。時代の変化に合わせて柔軟に製品を開発してきたことが、お客様に評価されている部分ではないでしょうか」(河野和典氏)

旧オフィスは1966年に竣工した自社ビル。50年以上にわたり同社の業務を支えてきた。しかし年数を重ねるごとに、「働く環境」が課題になり始めていたという。

「旧オフィスは、縦長で各フロアの面積が狭いビルでした。竣工当時はそれで良かったのでしょうが、業務拡大につれ1つの事業部でさえワンフロアに収まらなくなっていました。それから、部門のカベが自然にできてしまいましたね」(青木雄一郎氏)

「事業の拡張に伴って、当然社員も増えてきます。数年前からは、増えた社員の席を確保できないため、歩いて5分の場所に分室を設けていました」(戸上真治氏)

オフィスの総面積は分室を合わせて約1700㎡。そこに東京本社・各事業部に在籍する130名が使用していた。近くにあるとはいえ、分室への行き来は次第に面倒になってくる。電話やメールでのやり取りが多くなり、直接顔を合わせる機会が除々に減っていったという。

それに加えて、ビルの老朽化による使い勝手の悪さも目立ち始めていた。

「空調や配管など頻繁に修繕を行っていました。それらのメンテナンス費が目立っていた時期でもありましたので、移転のタイミングとしてはちょうど良かったのでしょうね」(青木氏)

もともと代表の吉田建氏は、「部門のカベを取り払い一つ上のレベルの会社を目指すためにも、分散されている事業部を同じフロアにまとめるべき」と語っていた。

「50年間にわたって恵比寿で業務を行ってきました。立地の安心感で、やはり移転するとしても恵比寿からは離れたくありません。さらに分室を合わせた面積をワンフロアでまとめられる広さを持つオフィスビル。そんな条件をクリアするビルを探していました」(青木氏)

「中々見つけられなかったのですが、三幸エステートさんからまだ一般に公開されていない空室情報を真っ先に提供していただいたのです」(河野氏)

「旧オフィスのウィークポイントは、そこで働いていた社員全員が感じていたことです。ですが、移転できればどこでも良いというわけではなく、条件に合うビルがなければもう少し我慢していたかもしれませんね」(戸上氏)

移転経験の少ない会社が移転をするとき専門会社が力を発揮する

移転先である現在のビルに決定したのが2016年12月のこと。正式な契約は未だであったが、各部門長にはやんわりと伝えていた。それから2017年1月に正式にビル側と賃貸借契約を締結する。

「結果的に、空室の関係で5階と6階に分けての入居になってしまいましたが、課題であった3つの事業部をワンフロアにまとめることができました」(青木氏)

その後、移転PJチームを発足させる。

「PJチームの人選は、満遍なく各部署から選んだわけではありません。素養を考えて組織しようと。そこで実際の工事現場での作業を管理している担当と社内のITインフラを運営する担当に加わってもらったのです」(河野氏)

「私は、普段現場に入りOAフロアなどの工程管理を担当しています。実務として工事現場を知っているということで、今回のメンバーに選ばれました」(蜷川敏明氏)

「新オフィスでは、どこでも仕事ができる環境を目指すため無線LANやネットワークシステムの構築が必須になります。そこで情報システム室に参加が求められました」(関 邦宗氏)

PJチームの最初の仕事は、オフィスデザインを依頼する会社を決めること。とはいえ、50年間自社ビルで働いていた同社にとってオフィス移転は初めてに近い経験となる。どこから手をつけていいのか誰もわからない。そこで三幸エステートが、移転先の提案だけでなく移転プロジェクト全体のマネジメントも担当した。

「当初は、わざわざ間に入ってもらわなくとも自分たちでできるだろうという意見もありました。しかしそれは、移転に関わる業務がこれほど多岐にわたっているとは知らなかったからです。項目の一つひとつをチェックしていただいたおかげで、高い見積もりのまま発注することもなく、結果的に全体の費用を抑えることができました」(河野氏)

「ビルの所有者も内装会社も、ほとんどが当社のお客様になります。直接言いにくいこともきちんと当社の考えとして伝えられたのはいいことでした」(青木氏)

「コストや工程を検討する際にも、三幸エステートさんのチェック後にいただけたので、当社側で確認する時間がだいぶ短縮できたと思います」(蜷川氏)

「限られた時間の中で、通常業務をこなしながら移転に関する業務を行うのはかなりの労力となります。今回の案件では1月末から7月の約6ヵ月の中で50近い項目を関係各社と調整をしながら進めなければなりませんでした」(草野 真)

単純に設計施工会社を決めるだけでも、「今回の案件に相応しい候補会社のリストアップ」「コンペ参加会社への依頼書作成」「日程調整」「コンペ開催」「各社の比較表作成」「採用・不採用通知」「決定会社との詳細条件打ち合わせ」と諸々の作業が発生する。

「今回、依頼したのは4社です。各社にはかなり具体的な案を提案していただきました。その中から『3事業部の統合』という今回の最重要課題を分かりやすく提案していただいた会社を選びました」(戸上氏)

そうして3月に内装デザイン会社が決定する。スケジュール調整の中で7月の連休に合わせて移転を完了させることに決まった。

個々で保管していた大量の書類の廃棄を実施する

新オフィスの面積は1342㎡。旧オフィスとして使用していた面積からはだいぶ縮小できた。最初は、本当にこの面積内に収容できるのかが不安だったという。そうして、個々で保管していた文書管理・収納量の見直しを実施した。

「面積の削減にともなって、50年の間に溜まっていた資料や製品在庫、試験品などの整理を行いました」(青木氏)

「個々の書類に関しては、『基本は廃棄』としました。1年間使っていないものはすべて廃棄。今までは自社ビルだったため置き場所に困ることもなかったため、一時的に残っているものもあります。そこで今回の移転を好機と捉え、とにかく捨てました」(蜷川氏)

「廃棄にあたり、三幸エステートさんから目安となる可能な収納量を提示していただきました。それから割り出すと、かなりの書類を削減しなければならなかったのです。その内容によって、廃棄・電子化・外部保管に分け、全体の6割くらいは削減できたと思います」(戸上氏)

「廃棄にあたり、社内からのブーイングもありました。それでもルールとしてやってもらうしかなかったのです」(竹村 駿氏)

もちろんただ廃棄しただけではない。収納物に応じたファイルボックスへの分類を行い、検索性を向上させながらのファイリング整理を行った。

 

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