- モバイル広告に革命を起こすという熱い想いを胸に2名でスタート
- オフィスの移転先の条件はなるべく現オフィスから近い場所
- 別フロアへの移転が最良の移転となった
- 社内からの要望を取りまとめ着々と少人数で実行していった
- 旧オフィスでの課題を解決するためにたくさんのアイデアを詰め込んだオフィス
株式会社アイモバイル
2014年8月取材
※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。
広告主のプロモーションに対して最適なメディアを提供する国内最大規模のアドネットワークを運営している株式会社アイモバイル。2013年5月に増員を理由に移転を行った。移転後1年経過した今、たくさんのアイデアが盛り込まれたオフィスの全容と社員への影響についてお話を伺った。
株式会社アイモバイル
人事・広報部
本部長
須藤麻里氏
株式会社アイモバイル
人事・広報部
佐藤貴亮氏
ガラス張り、木目調で統一された接客エリア全景
モバイル広告に強い可能性を信じて会社を設立したのが2007年のこと。2名でのスタートであった。
「当時、代表の田中が同時期に経営していた別の会社の一部を間借りしてスタートしたと聞いております。間借り時に5名まで増員。その後、現在のビルの3階に移転しました。それから順調に社員数が増えていきまして、12名になったときに7階に移動。そして社員数が35人になった2013年5月に2階に移ってきました。今では100名以上にまで成長しました」(須藤麻里氏)
アイモバイルの経営理念は、「新しい技術を創造し、多くの人が満足するサービスを提供しつづけます / Happiness , New Technology - Continues growing up」。世界的なモバイル広告ビジネスの追い風の中、広告主がオークション形式で、メディアの買い付けができるブースト機能(各配信メディアへの入札機能)をリリースし、業界初のサービスモデルを創造するなど、自社開発の優位性を活かし、最速の対応とクライアントやメディアに寄り添ったサービス提供を行い一気に拡大。今ではアドネットワーク企業として1,000社の広告主と13万メディアのお客様にサービスの提供を行っている。その業務成長に比例して採用計画も活発だ。
「今までは中途採用が中心でしたが、本年度から新卒採用もはじめました。新卒採用は今後もずっと続けていきたいと思っています」(佐藤貴亮氏)
ここで設立以降のオフィス面積と社員数を見てみよう。短期間でかなりの業務拡大になっていることがわかる。
2007年~ |
4名/53.27㎡ |
2009年~ |
12名/71.10㎡ |
2011年~ |
35名/272.50㎡ |
2013年5月~ |
100名/820.61㎡ |
設立以来ずっと渋谷を拠点として営業活動を行ってきた。それもあってアイモバイルは渋谷という立地に強いこだわりを持っている会社だ。
「代表の田中はもともと、ネット広告の営業マンでしたので、渋谷の利便性を良くわかっています。ですから相当な理由がない限り、今後も渋谷を離れることはないでしょうね」(佐藤氏)
渋谷という立地のこだわりは同社の社内規定にも表れている。
「福利厚生の一つなのですが、当社には『2駅ルール』と呼ばれる社内規定があります。それは渋谷から2駅以内の住居であれば家賃補助をするというものです。毎日の通勤時間を短縮してより効率的に仕事に取り組んでいるメンバーも多いですよ」(須藤氏)
「2駅ルールを利用しているメンバーが4割近くいます。この辺りは人気もあり、家賃も高いので、社員からも好評です。そういう意味でも、本社が渋谷にあること自体がメリットの一つになっていると思います」(佐藤氏)
「手狭になってきたため周辺のビルの空室情報を集めだしたときに、入居中のビルの2階が空くという情報が入りまして。面積を確認すると今の3倍くらいある。すぐに申し込みの準備を行いました。それが2012年の10月ごろです」(佐藤氏)
「移転には結構な労力が伴いますので、あまり現状のオフィスから遠くならない場所というのは考慮に入れていました。環境が大きく変わってしまい、社員に何かしらの悪影響を与えてしまうこともあるかもしれません。それらのマイナス面を考えると、今回はビルを移ることなく面積の広い別のフロアへの移動だけで完結できたことはラッキーでしたね」(須藤氏)
「以前はエンジニアのメンバーは別のビルで業務を行っていました。近くとはいえ、なかなか顔を合わせて打合せをする機会がありませんでした。同じフロア内に統合したことで業務スピードが、さらにアップできたことも良かったです」(佐藤氏)
同ビル内での移転が決まり、社内からの要望を取りまとめていく。ミーティングスペースの新設、余裕ある通路幅の確保、来客用応接室の改善などが中心となる。特に来客用応接室不足は最大の課題であった。
「今まで来客用応接室一室とオープンな打ち合わせスペースしかありませんでした。社内外ともミーティングはそこで行っていましたので、社内打ち合わせ中に急にお客さまがお見えになったときなどは応対が大変でした」(佐藤氏)
「今回の移転では、特にプロジェクトチームのようなものは結成していません。総務の担当者と社長、それに私どもがサポートとして加わった程度。少人数で進めていきました」(須藤氏)
「メインで動いていたのは一人の総務担当者です。外部のデザイン会社と一緒に細かい部分を着々と実行していきました」(須藤氏)
正式にプロジェクトが始まると毎週のように長時間にわたる打合せを重ねていった。打合せに基づいてデザイン案が提出される。方向性は間違っていない。しかし細かい部分がイメージと違う。もう少しデザインパターンを再提出してもらう。この繰り返しだったという。
「本来の実務をこなしながらのため、打合せ時間を捻出するのが大変でしたね。しかし、決められた大枠の予算内ならばある程度の権限は持たせてもらえたので、比較的スムーズに進めることができたと思います」(須藤氏)
そうしてでき上がったオフィスは、想像以上に社内からの評価の高いものとなった。
「2階に移ることは社員に告知していましたが、あえて大々的に具体的な内容を知らせることはしませんでした。さりげなくデザイン案を見えるところに置いたくらいで。移転の日は社員へのサプライズです。以前のオフィスは、割とシンプルなオフィスだっただけに新オフィスのデイン性の高さに全員が驚いていましたね」(佐藤氏)
旧オフィスでの課題をふまえて、新オフィスでは来客用応接室として5つの部屋を用意した。その中の一つは可動式のパーテーションを取り外すことで容易に広さを変えられる部屋だ。40名の着席が可能となり、社内外のさまざまな用途で使用されている。
「デザインの設計段階から、新卒採用のことを意識していました。そして少しでも興味をわかせて、このオフィスで働きたいと思ってもらえればと考えていました」(須藤氏)
「採用活動を行っていると、大部分の応募者の方から『素敵なオフィスですね』と言われます。そのほか、社員を対象とした勉強会やエンジニアによる新しい機能の説明会、今後のネット業界についてのディスカッションなど、頻繁に行われるようになりました。それらは社員が自主的に運営しています」(佐藤氏)
ただ、やはり何よりもオフィス改革の一番の目的は「社員への還元」だった。おしゃれなオフィスに出社するほうが楽しいし、モチベーションも上がる。 "オフィスは社員というクライアントに対して業務効果を上げるための最適なメディアの一つ" として捉えているという。
エレベーターを降りるとエントランスが表れる。エントランスから見えるのが全面ガラス張りの透明感ある接客エリアだ。机や椅子などの什器類はすべて今回の移転を機に買い揃えられた。ガラス張りではあるが、床、壁、扉は木目調で統一されている。アドネットワークという事業自体が無機質なイメージのため、あえてデジタルとアナログを融合させるようなデザインで仕上げた。それにより単なる先進的なかっこよさだけでなく温かみを表現させることに成功している。
今回、旧オフィスの課題解決のために色々な工夫を加えることが出来た。明確に数字で図ることは難しいが、コミュニケーション、生産性、採用面など多岐にわたって効果が生まれていると感じているという。
「非常に良い雰囲気で仕事が出来ています。売り上げもぐんぐん伸びていますし、本年度から始めた新卒採用も順調に進んでいます。些細なことでもすぐに話し合える環境がいいのかもしれません。今後もさらにコミュニケーションが活発になり、生産性が向上できるようなオフィスを構築していきたいですね」(須藤氏)
国内最大級のアドネットワーク
株式会社アイモバイル
http://www.i-mobile.co.jp/