先進オフィス事例

~オフィスを経営の力に~

株式会社フォトシンス 後編

2019年7月取材

※記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。

葉っぱに見立てたオフィス

それでは光合成を具現化した新オフィスを見ていこう。

オフィス全体を1枚の葉っぱに見立てた特長的なオフィスとなっている。その第1のポイントは日照量がテーマとなる。

「光合成をキーワードにするからには日照量が重要と考えました。社員にとっても、自然の光を浴びることは健康に繋がります。ですからどの時間帯でもたくさんの日光を浴びることができる物件を探していました。この高層階、ワンフロアといった物件を見たときに、このコンセプトが生かせることを確信しました」

「第2のポイントは細胞壁(セル)です。細胞壁とは葉っぱの細胞膜の外側にある小部屋のようなもので細胞や組織を支える働きをしています。新オフィスの会議室や個室は細胞壁を意識しガラス面を多く取り入れた不規則な構造にしました」

そして第3のポイントが細胞内循環となる。

「新オフィスを葉っぱに例えたとき、そこで働く人が水や養分にあたると考えました。ですから一つのところに滞留するのではなく活発に人が循環できるような設計がベストだと思ったのです。旧オフィスは、個室や会議室を長方形につくっていました。機能的ではあったんですが、結果的に動線が直線的で。日本特有のセクショナリズムを生みやすい構造でした。広さこそ違いますが、執務室のほか、会議室、開発ルーム、カフェとオフィス機能は新旧ともに一緒となります。ただ、新オフィスでは『自然と交流が生まれる循環(動線)』にこだわりました」

応接エリアには5つの応接を配置した。それぞれ「Watt」「Hertz」「Tesla」「Bit」「Newton」と電気系の単位として名前が残っている科学者の名前を付けた。4人部屋、6人部屋、8人部屋、12人部屋とサイズを変えているため、用途に応じて使い分けられている。これら応接室の名前は社内公募で決定したという。

「その他、通路の位置、開発室の排煙機能、ホワイトボードの増加、リフレッシュスペースの充実、スタンディングデスクの新設、応接ガラスに不透明シートの採用など、数多くの社員の意見を採用しています」

エントランスベンチ席

応接室

エントランススタンディングスペース

応接エリア通路

リフレッシュスペース全景

ラウンジ

応接室の不透明シート

Akerunを解錠し、オープンスペースから執務エリアに入ると、エリア内は部署を問わず全て固定席となっている。

「窓際に『壁スペース』と呼んでいるエリアがあり、そこでは社内会議が頻繁に行われています。その他、個人での集中スペースも配していますので、業務の用途に応じて席を変えて仕事をしています。きっちりと数値に落とし込んでいるわけではありませんが、コミュニケーションや笑顔、会話は確実に増えていますね」

実は、当初は部署ごとに意向が全く違っていたという。

「開発系はより集中できるように他の部署と遮断してほしいという意見もありました。しかし部署ごとに最適化するのではなく、『全体最適』としての考えを優先させました。部署ごとに文化が変わってしまうことで会社がバラバラになってしまう。事業に弊害を生じさせる原因をつくりたくなかったのです」

カフェ

執務エリア全景

VRスタジオ

執務エリア 内壁スペース

新オフィスの運用にあたり1年かけてルールブックを作成した

オフィスに関しては、厳しい運用ルールを用意した。実行まで1年かかったという。

「当社で大事にしている企業マインドを細かくオフィスに適用したものです」

 

【フォトシンスの企業マインド】
■未来志向
「遊び心をもって、夢中で発明し、顧客に未来を届けます。」
鍵を無くすクラウド業者として、可能な限りモノをクラウド化させたワークスタイルを実現させる。鍵、書類、書籍、キャッシュ、卓上カレンダー、卓上時計などは、机の上に一切置くのを禁止とする。

■挑戦
「本質を問い続け、変化を楽しみ、果敢に挑戦します。」
急成長ベンチャー企業として、急な人員増員や環境変化に耐えうるオフィス環境を整えておく。いつでも席替えやレイアウト変更ができる状態にしておく。空間が属人化すると仕事も属人化し、身動きがとりにくくなるためフレキシブルに対応できるように準備しておく。

■自責
「自分と向き合い、成果にこだわり、徹底的にやりきります。」
モノづくりの企業として、5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を徹底し、「守ることを決めて、決めたことを守る風土」をつくる。それが品質・安全・顧客サービスを向上させるために不可欠な人づくりの基礎となる。


「整理整頓や余計なモノを置かない、といった以外に、ブラインドの閉め方も徹底しています。せっかく景観のいいオフィスに入居したのですからスラットの凸凹面の向きを考えて景色が見えるように調整をするように指示を出しています。細かくルールを決めた背景には、会社のマインドとして必要なことだったからです。オフィスルールを徹底することによって会社の文化を築きあげていくことを意識しています。新オフィスでようやく自分たちのビジョンを具現化させることができました。今後はフォトシンスマインドによって、人づくりができる空間を目指します」

これらのオフィス運用ルールは、オフィス選定委員会と河瀬氏が一緒になってつくりあげた。今後の運用やルールを守るための指導は、人事総務や各部署長に任せていくという。

「僕らはセキュリティやモノづくりを行っている会社ですから、たとえ厳しいルールでも厳守しなければなりません。この運用マニュアルは企業ビジョンと同様に新入社員研究の資料として使用しています。そうして浸透させることが会社を理解してもらう第一歩だと考えているからです」

新オフィスは一つの営業ツール。思いもしなかったメリットも

「移転後は、セミナーやオフィス見学に来られるお客様が増えました。そのため営業効率がとても向上しています。このオフィスが完全に一つの営業ツールになっていますね。また、以前と比べて採用率も上がっています。色々な分野や経験をお持ちの方に入社いただくことで、今までと違う企業価値をさらに生み出すことが可能となるでしょう」

フォトシンス エントランス

 
 

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