株式会社ピースオブケイク

2015年2月取材

※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。

サービス拡大に伴い、オフィスを移転。多目的なオフィスの機能で、社内外の交流を深める

デジタルコンテンツの未来を切り拓くことを目的に2011年12月に設立した株式会社ピースオブケイク。以降、サービスの拡大に比例してスタッフが増え、昨年7月に2度目の拡張移転を行なった。今回の移転では、働きやすさを追求した様々な工夫がオフィスの機能として盛り込まれている。新オフィスでこだわったこと、そのコンセプトについてお話を伺った。

プロジェクト担当

大河原 陽平氏

株式会社ピースオブケイク
デザイン部長

大河原 陽平氏

三原 琴実氏

株式会社ピースオブケイク
ディレクター

三原 琴実氏

ピースオブケイク

はやわかりメモ

  1. インターネット上で普通にコンテンツが楽しめる場を
  2. 事業拡張のためにエンジニアを採用。わずか3年で2度目の移転
  3. デジタルコンテンツの会社だからこそあえて木製の本棚で会社を表現した

インターネット上で普通にコンテンツが楽しめる場を

デジタルコンテンツの有料プラットフォーム「cakes(ケイクス)」の配信で、今までにない新しいメディアを提案している株式会社ピースオブケイク。その社名の由来は、「『It?s a piece of cake!』という漫画の『宇宙兄弟』にも出てくる英語の慣用句からで、直訳すると『一切れのケーキ』ですが、慣用句で『楽勝だよ』という意味になります」(大河原 陽平氏)

会社設立は2011年12月。出版社で多くの書籍の編集に携わってきた代表の加藤貞顕氏と、開発責任者の2名で立ち上げた。設立目的はインターネット上で「普通に」コンテンツ販売をすること。主軸となる商品は「cakes」と「note」となる。

「『cakes』では、作家の方の小説やコラムや漫画、インタビュー記事など、編集されたコンテンツを掲載しています」(大河原氏)

「様々な出版社から書籍として出版されるものが多く、全文掲載している場合もあって、書籍のプロモーションにとってはプラスになっていると考えています」(三原氏)

「cakes」が「B to C」のサービスに対して、「note」は「C to C」をイメージしている。プロを含めた様々なクリエイターの作品を自由に発表できるような場の提供だ。

「無料でも公開できますし、値段を付けて原稿や画像、動画などを販売することも可能です。ユーザーは、好きなクリエイターをフォローすることもできます。これは2014年4月にリリースしました」(三原氏)

事業拡張のためにエンジニアを採用。わずか3年で2度目の移転

2011年12月、渋谷に立地する小規模なオフィスからスタートした。

「小さなITベンチャーがたくさん入居しているオフィスビルでした」(大河原氏)

その後、サービスが拡大するにつれ、スタッフが増えていった。6名になったところで、小規模なオフィスから移ることになる。2013年4月のことだ。
その後も採用活動は続けられる。2014年に入り、入居後まだ1年程度ではあったが、更に人が増えたこともあって移転を計画する。それが現在のオフィスビルだ。

「アルバイトを含めると20名くらいになってきて、約30坪の広さだったので、手狭になっていました」(三原氏)

「もちろん人数が増えたこともあるのですが、会議や打合せができる空間がほしいと。また、作家やクリエイターの方とのミーティングも多くなり、取材記事などの撮影をすることもあるので、整備された部屋を確保したいという理由がありました」(大河原氏)

多くの社員が渋谷周辺に住んでいることもあって、移転先にはやはり渋谷にこだわった。旧オフィスは駅から徒歩5分圏内。それに比べ、現オフィスは徒歩10分。駅からは多少遠くなるが、広さや周辺の雰囲気を優先したという。

「面積は倍以上広くなりました。ビルの決定後は、社員同士でミーティングを行い、その結果を内装会社の担当と話し合う。アイデアの交換をしながらつくりあげていきました」(大河原氏)

「やはり渋谷周辺は、インターネット業界の会社が集積しているのが魅力ですね。お互いに情報交換がしやすい場所になりますから」(三原氏)

「まず建築家の方に図面を見てもらい、こちらの考えを伝えました。それからざっくりとした提案を頂きデザインイメージをすり合わせていったのです」(大河原氏)

デジタルコンテンツの会社だからこそあえて木製の本棚で会社を表現した

それでは新オフィスの機能について説明していこう。ドアを開けると一面には本棚が配置されている。本棚の奥が執務室、右側が会議室となる。デジタルコンテンツを主力製品とする会社だからこそ、あえて社内のいたるところに「木製」を。そこには強いこだわりを持ったという。

木製の本棚

木製の本棚

「大会議室では撮影を行なうことも多いので、会社のイメージを伝えるという意味で『本棚』にはこだわりました。cakesの記事でも度々登場する、打ち合わせ用の机は、南会津の広葉樹でつくっているとのことです」(三原氏)

会議室にはモニターを設置。他の場所で作業をしているエンジニアとリモートで繋げて、テレビ会議を行なうことも可能だ。

会議室

会議室を出るとオープンな執務室。グループごとに席が固定されている。ふと上を見ると天井が剥がされていて開放感がある。

「以前は窓際に外に向けて机を配置していました。集中するという目的では良かったのかもしれませんが、社内間のコミュニケーションはうまくいきづらかった。今はグループごとに顔を突き合わせた形で島型でまとめていますので、気軽に色々な相談ができています」(大河原氏)

執務室

旧オフィスでは会議室が1つだけ。そこが応接室でありミーティングルームだった。新オフィスでは、会議室のほかにスタンディングデスクやソファー席、打合せデスク、カウンター席と多彩なコミュニケーションを誘発する仕掛けが盛り込まれている。

「スタンディングデスクは当社からの提案です。打合せに要する時間の短縮化に繋がっていますね」(三原氏)

「偶発的に『相談していい?』といった集まりが増えています。スピード感が求められますので、さっと集まれる機能は必須でした」(大河原氏)

ソファー席は「くつろぎ」のための機能だ。多目的な目的でつくられた。

スタンディングデスク

スタンディングデスク

ソファー席

ソファー席

「もちろんこの場所で仕事をしてもいいですし、ここでランチを食べてもいい。本を読んでいる人もいる。そんな自由な空間になっています」(三原氏)

「自分の作業によって、場所や体勢を変えられる。結果として、効率化に繋がっているように思えます」(大河原氏)

カウンター席は集中スペースとなる。1人になれる場所として意外に人気が高い。

「オフィス内はコンセントの差込口がいたるところに用意されていますので、どこでも仕事ができる環境になっています」(三原氏)

多目的エリアの効果は通常業務に留まったものではない。社員間のコミュニケーションも以前に増して活発になりました。

「みんなが落ち着いている日は、自然に飲み物やつまみを持ち寄ってゆるやかな飲み会が始まることもあります」(三原氏)

「当社の強みは自由な発想で物事を考えられること。そのためにもせっかく構築したこのオフィスを活用して、社内外との交流を深めていきたいと思っています」(大河原氏)

カウンター席

カウンター席