日本オラクル株式会社 オラクル青山センター 本社

日本オラクル株式会社 オラクル青山センター(本社)

2009年5月取材

※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。

お客様におもてなしの心を伝え、従業員が場所にとらわれず
各自のスタイルにあった働き方ができるオフィスを目指して

世界で第2位のソフトウェア会社Oracle Corporation(オラクル コーポレーション)の日本法人である日本オラクル株式会社 (Oracle Corporation Japan) は、2008年9月1日に本社ビル「オラクル青山センター」をオープンした。港区北青山に新築されたビルは、地上24階のうち9階から上が日本オラクル、8階以下が三菱UFJ信託銀行による区分所有だが、3~24階のオフィスフロアは全て日本オラクルが使用しており、2階のエントランスフロアも含めて自社ビルとほぼ同様の使用形態となっている。

青山通り(国道246号)に面し、東京メトロ銀座線外苑前駅にも直結している最高の立地条件に加え、北側が神宮外苑になるためどの階からも楽しめる眺望が魅力で、室内の個性的なデザインも含め快適なオフィス空間に仕上がっている。また、これまで都内8カ所のビルに分散していた事業所を全て集約したことで業務効率が飛躍的に改善したのはもちろん、「オラクル=青山(先進性・革新性)」と地区のイメージと結びつけることによるブランディング効果にも強く期待している。

プロジェクト担当

瀬谷 一也氏

日本オラクル株式会社
瀬谷 一也氏

リアルエステート
&ファシリティ
ディレクター

川端 康浩氏

日本オラクル株式会社
川端 康浩氏

リアルエステート
&ファシリティ担当
シニアマネジャー
一級建築士
認定ファシリティ
マネジャー
宅地建物取引
主任者

山家 夫佐永氏

日本オラクル株式会社
山家 夫佐永氏

リアルエステート
&ファシリティ
担当マネジャー

はやわかりメモ

  1. チャンスを活かしたオフィス改革
    日本オラクルは2000年に東証一部に上場。株主価値の最大化のため、上場により得た資金の一部を自社ビルの取得に充当し、分散していたオフィスの集約・統合による管理コストの削減を目指す。事業拡大やM&Aに伴うオフィス拡大で執務スペースが足りなくなるなど、今後の事業拡大やM&Aに備えるとともに、コミュニケーション&コラボレーションのより一層の活性化のため、この機会にオフィス環境の改善を図ることに。
  2. オラクルの日本における拠点として
    自社ビルの建設を決意したのは、日本に根付いた企業であることを強くアピールするため。ブランディング戦略の要となる本社だけに、立地、デザインなどには徹底的にこだわった。
  3. 経営ビジョンとオフィスデザインは一致する
    日本オラクルは第二の創業ともいえる新しい経営ビジョンを発表しているが、その内容に合わせて新オフィスが設計された。社内だけでなく社外とのコミュニケーションを活発にするスペースとデザイン、従業員が場所にとらわれずに働けるWork@Everywhereを実現するオフィスへ。
  4. オフィスづくりはペーパーレス化から
    Work@Everywhereを可能にする自社製のITインフラを利用し、移転前からペーパーレス化を徹底することで働く場所を自由にできるほか、デスク周りには余計なものがいらなくなる。その分、会議や打ち合わせスペース、リフレッシュコーナーなどの設置が可能に。
  5. 画期的な2人用会議室
    資料づくりや集中した情報交換など、ビジネスにおいて「2人会議」の需要はかなりある。そのための部屋を用意することでオフィスの多様な利用を促す。

オフィスの集約によって人が集まるから
ブランディング効果のあるビルが必要だ。

日本オラクルといえば、以前に千代田区紀尾井町ニューオータニガーデンコートにあった旧本社を紹介させていただいており(1999年6月号)、オフィスの先進企業としては早くから注目されていた。たくさんの熱帯魚が泳ぐ大型水槽、インコやカナリアがさえずる鳥かご、パーティション代わりに置かれた何鉢もの観葉植物、そして社内を巡回する社員の大型犬は、どれも旧来のオフィスの常識を打ち破るものだった。その後、水槽や観葉植物などは日本企業でも活用するケースが増えていることを考えれば、日本オラクルの目指す方向はオフィスの未来と一致していたようだ。
「確かに旧本社のオフィスはマスコミにも大きく取り上げられたりして注目され、話題になりました。しかし私たち自身は、あれで全て完成とは考えていなかったのです」

こう語るのは、日本オラクルのリアルエステート&ファシリティ部門を長く担当してきた瀬谷一也氏だ。
「前のオフィスを構築したときには、接客用のスペースを中心にデザインワークを進めたため、執務スペースの環境は決して満足できるものではありませんでした。その後、事業の拡張やM&Aなどによってオフィスが拡大・分散していくと、デスクの確保すら大変で、オフィスをきれいに整備することもできなくなってしまった。それだけに、どこかの段階で、大規模なオフィス改革をしなければいけないと考えていたのです」(瀬谷氏

そのきっかけになったのが、2000年の東証一部上場だった。
「上場によって出資者からお預かりした資金で、いかに株主価値を最大化しようかと考えたとき、分散しているオフィスの集約・統合がテーマにあがったのです。それによって管理コストを下げることができれば、その分を配当に回せるわけで、上場益の使途としては理にかなっている。合わせて従業員やお客様に喜んでもらえるオフィスをつくれば、まさに一石二鳥だと思ったのです」(瀬谷氏

そして多くの検討を重ねた結果、自社ビルの建設に踏み切ることになる。
「外資系企業は一般的に『業績が悪化したらすぐに日本のマーケットから撤退するのではないか』と思われがちなのです。もちろん私たちは日本に腰を据えてビジネスを展開していくつもりでしたから、その姿勢を明確に示すためにも自社ビルを持つことは大きな意味があったのです」瀬谷氏

ところが、プロジェクトは簡単には進行しなかった。約2,500名の従業員を全て収容できるビルを建てるような土地が、なかなか見つからなかったのだ。
「新本社には、従業員用のオフィスだけでなく、トレーニングセンターやセミナールームなど、全て併設するつもりでしたから、それなりのスペースが必要です。しかも日本オラクルにとって顔となるビルだけに、エリアや場所の選択は慎重にならざるをえません。そういう条件で探していくと、希望に合った敷地はなかなかなかったのです」(瀬谷氏

自社ビルということもあって、ブランディングに役立つ一等地でなければならない。そんな条件を満たす土地を見つけるまでに、結局、5年近くを費やしてしまう。
「そんなとき、間組本社の跡地に三井不動産と共同でビルをつくらないかと いう話が来たのです。日本を代表する大通りに面し、住所も北青山、しかも 地下鉄駅の真上で改札口もビル内に新設されると聞き、これ以上ない条件に驚きましたね。最終的に両者の話し合いにより、オフィスフロアは、全館、 私たちが使用するという条件で合意しました」(瀬谷氏

日本オラクル「第2章」となる新しいビジョンを
オフィスのデザインがサポートしていく。

ちょうどそのころ、建築分野のスペシャリストとして日本オラクルに入社したのが川端康浩氏だ。また、後に山家夫佐永氏が新本社ビルの建設チームに加わることで陣容は整っていく。
「最初に検討テーマになったのは外壁などのデザインですね。オラクル コーポレーションとしては『日本法人の本社ビルを建てるからには、こんなデザインでオラクルのブランドを強く印象付けていきたい』といった要望があり、その内容を三井不動産、建築家の佐藤尚巳さんらと調整しながら実現することができました。『一枚岩(monolithic)のようなプレートで構成される彫刻的な石張りのコアと、透明性の高いガラスボックスで構成されるランドマーク性のあるスカイラインとファサード』といったコンセプトは実現でき、場所柄、多くの人に注目してもらえるデザインにはなったと自負しています」(川端氏

一方、室内デザインは日本オラクルの主導で進められ、接客や打ち合わせに使われる12、13、14階のパブリックエリアについてはSYSTEM-O Design Associatesの李 泰久氏、その他の執務スペースについては清水建設が担当している。
「李さんと事前に今回のプロジェクトの主旨や現状の課題・ゴールの共有を図り、私たちが何を目指しているか、非常によく分かってもらえました。それだけに、経営ビジョンに沿ったデザインを見事に実現できました」(川端氏

そのキーワードになったのが「第2章」だ。

日本オラクルは1985年に設立された会社だが、昨年6月、社長執行役員最高経営責任者に就任した遠藤隆雄氏は、それまでの23年間を「日本の社会に根付き、基盤事業を構築してきた第1章」とし、今後は「次の成長に向けての第2章が始まる」と新たな経営ビジョンを示した。
「第2章では主力商品であるデータベースに加え、新しいプラットフォームやビジネスアプリケーションをコアにした展開を進めていきます。そのとき重要になってくるのが、社内のエンジニアとコンサルタント、社外のパートナー、そしてお客様によるコミュニケーションやコラボレーションの促進です。従って、オフィスのデザインも新しいビジョンの実現をサポートするものでなければなりません」(川端氏

また、デザイン上の工夫としては、所々に日本風のテイストを入れている。
「多くの従業員やお客様から、伝統的な日本建築に触れ、畳の井草の香りを感じると、リラックスできるという声をいただきます。新本社では最上階である24階に茶室と日本庭園を設けましたが、これも京都を始め全国から本物の材料を集めてくることで、ビルの中であっても屋外の茶室と同じようにくつろげる癒しの空間になっています。そういうところからも、私たちがおもてなしの心を伝えられるオフィスづくりにかけてきた熱意を理解していただければうれしいですね」山家氏

3代目の社員犬「ウェンディ」

3代目の社員犬「ウェンディ」。

機能的であると同時に落ち着ける公共スペースは
来客やビジネスパートナーとの接点を広げてくれる。

それでは日本オラクルの新本社オフィスについて詳しく見ていこう。

銀座線外苑前駅につながるエントランスからエスカレーターで直行できる2階はビルの共有部分にあたるのだが、オフィスフロア全館を使用している日本オラクルの総合受付となっている。北側に開けた大きなガラス面からは秩父宮ラグビー場や神宮外苑全域が見通せ、外光による明るい印象もあってホテルのロビーのようだ。

2階からはセキュリティゲートを通ってエレベーターで各階に行くのだが、社外の人の立ち入りは原則として12、13、14階のパブリックスペースに限られている。

待ち合いスペースの、時間とともに流れが変化する滝
待ち合いスペースの、時間とともに流れが変化する滝。

「セキュリティレベルの向上は今回のオフィス移転の最重要課題の一つでした。書類をほぼ完全にペーパーレス化して情報漏洩の危険性を無くすとともに、人の動線を整理し、お客様やパートナーとの打ち合わせ、セミナー、プロモーションイベントなどは全てこの3フロアで行うようにしています」山家氏

ゲストとのミーティングのフロアとなっているのが14階だ。毎週水曜日には、今や日本オラクルのイメージキャラクターにもなっている社員犬のウェンディ(オールド・イングリッシュ・シープドッグ)が愛らしい仕草で訪問者を迎えてくれる。
「社員犬は彼女で3代目になります。"出勤"時間は短いのですが、お客様の中には会うのを楽しみにしていらっしゃる方もたくさんいますので、これからも元気に活躍して欲しいですね」(山家氏

ウェンディのインパクトは強いが、それ以外にもこのフロアには来訪者が快適に過ごせるような工夫がされている。例えば時間とともに流れ方が変化する滝や、「和」の雰囲気を演出する竹の植え込み、自慢の眺望が楽しめる大きなガラス窓、そして電源と高速無線LANを完備した会議室やラウンジなど、来客やパートナーが多様な目的で利用できるスペースを用意した。
「待ち合いスペースもくつろいでいただけるスペースでなければなりません。このためカラーリングも落ち着いた木と日本の伝統色を採用するなど、空間の演出には徹底的にこだわりました」川端氏

そして13階にはセミナーやプロモーションに使える複数のセミナールーム、12階にはトレーニングキャンパス青山と呼ばれる全19室の研修用の部屋が設置されている。13階のセミナールームを全て使うと、延べ330人が同時にセミナーやセッションを受講できるほどだ。
「以前は施設が分散していて不便だったのですが、本社に集約できたことで運営管理の手間やコストは大幅に削減できました。事業所間の移動だけで30分はかかっていましたから、時間短縮の効果もある。セミナーやトレーニングは私たちの製品の価値を高める重要なイベントですから、それを本社でする意味は大きいのです」(瀬谷氏
「和」を演出する待ち合いスペース
「和」を演出する待ち合いスペース。

「場所にとらわれない働き方」を実現するため
「仕事ができる場所」を多様化していく試みへ。

最も多くのフロアを占める執務スペースについて紹介する前に、日本オラクル独自の勤務形態について説明しておこう。

オラクルでは新しいワークスタイルである「Work@Everywhere」への挑戦を続けている。これは、製品であるさまざまなITインフラを活用し、場所にとらわれない働き方を実現していこうという試みだ。
「仕事は機密情報保護に配慮していれば、どこで行っても構いません。例えば個人でできる業務であれば、ネットワークを利用して午前中は自宅で作業をし、会議のために午後から出勤というワークスタイルでも良いのです」(瀬谷氏

もちろん、その背景には独自の人事制度がある。オラクルの場合は、「私の上司も海外におり、ネットワークでつながっているだけですから日頃の働きぶりまで監督できません。グローバル企業ゆえ、かねてよりリモート環境における人事評価制度が確立していると同時に成果主義が根づいているのです」(瀬谷氏

というように、成果による評価制度が確立しているからこそ場所を限定しない働き方が可能なようだ。そして今回の移転を機会に、「Work@Everywhere」を推進する新しいオフィスデザインの採用に踏み切っている。

「まず席はフリーアドレスとし、自由にどこにでも座って良いことにしました。基本となる部門ごとのホームベースとなるエリアがあり、各フロア共通の窓際の集中作業用のコンセントレーションエリア、オープンミーティングエリア、複数規模の会議室、リフレッシュエリアをスタンダードで配置しています。通常業務ではそのホームベースとなるエリア内で仕事をすることが多いのですが、組織横断型のプロジェクトや個人で完結する集中作業のときは、どこに座っても構いません」(川端氏

もっとも、そんな日本オラクルでも以前のオフィスでは固定席だったため、フリーアドレス化には不満の声もあったという。
「誰でも自分の席が無くなることに抵抗感はあるものですが、私たちのフリーアドレスは省スペースを目指すことよりも、個人がその日の業務に最適な働く場所を自ら選んで仕事をするインフラを整備して、コラボレーション、コミュニケーションを行いながらプロフェッショナルとして業務を行ってもらうことを目指しています。実際に使い始めてみると社員の皆さんはいろいろな場所を選んで仕事をされています。」川端氏

実際、デスクだけでなくコンセントレーションエリアやリフレッュエリア、そして昼食や喫茶にも利用できるカフェなど、見方を変えれば"自分の席"がいくつも用意されていることになる。「移転前のオフィスでは、増えていくデスクを収容するために次々と打ち合わせコーナーが潰され、社員は自分の席以外には行けない状況でした。それに比べれば今は自由ですし、また違う部門の社員が混ざりあうことでお互いの業務内容にも関心が持てるようになった。今後、新オフィスのコンセプトであるコミュニケーションとコラボレーションがさらに促進されていけばうれしいですね」(瀬谷氏
明るい雰囲気の11階のカフェコーナー
明るい雰囲気の11階のカフェコーナー。

ペーパーレス化でデスクは簡素化し周囲の多目的スペースとの併用を促す。

執務スペースの工夫でもう一つ特筆すべきは、新しいデスクのデザインだ。
「ホームベース型のデスクを岡村製作所と清水建設と共同で新規開発しました。標準のデスクモジュールを並べて対向島型にしたり、デルタ型、円形にしたりと、さまざまな配置が可能なので、組織変更や業務内容に合わせたオフィスレイアウトが簡単に実現できます」(川端氏

基本的にはデスクの配置は固定式とし、人が用途に合わせて席を選ぶ方式だが、組織改編や新規プロジェクトのスタートなどによって新たな配置が必要になればデスクを移動させて対応する。
「通常のオフィス用デスクで固定席にしていたときは、組織変更や異動のたびに備品の発注や工事に伴う手配が大変でした。しかしこのデスクなら簡単に移動させてレイアウト変更が可能ですから、手間やコストは飛躍的に軽減されます」川端氏

ちなみに横幅は1,400mmで、それまで使っていたデスクが1,600mmだったため若干のサイズダウンになるが、この点で苦情はあまりないという。
「新本社への移転に先んじて、何度にもわたりペーパーレス化への取り組みを行ってきました。その結果、個人が保有する書類はほとんどなくなり、その分、デスクが小さくなっても作業性はあまり変わらなくなったのです」瀬谷氏

ペーパーレス化は徹底しており、個人が持つのは50cmファイルメーター分のロッカーだけだが、「入っているのは仕掛かり中のプロジェクトの書類とノートパソコンぐらい」(川端氏)とのこと。紙資料の保管は適宜見直し、電子化して保管する。ペーパーレス化を促進する上で、不必要な資料の量を認識してもらう必要がある。ゴミ箱はデスク周りには置かず、紙資料はフロアに1カ所のユーティリティコーナーと、給湯室の分別ゴミ用と情報漏洩防止用の廃棄書類ボックスに分別して廃棄できるようにすることで、今まで気軽に足元に捨てていた紙ゴミを、共用のゴミ箱まで各自で持っていくことで、量が認識しやすくなった。

このようにデスクが並ぶスペースはかなり無駄を省いているが、その周囲には会議室や打ち合わせコーナー、リフレッシュコーナーなどが効率的に配置されており、全体としてはかなりゆったりしたイメージを受ける。実際、誰もが仕事の内容に合わせて場所を移動しながら働いている。
「会議室もさまざまな大きさのものを用意しました。中には2人用というのもあるのですが、集中できる環境で、会議室に常設のモニターを見ながらの資料作成などで利用率はかなり高いですね」川端氏

また、予約なしで使える打ち合わせコーナーにもモニターを設置し、ペーパーレスでかつ多目的に使えるコラボレーションのためのインフラを整備している。
「会議室に集まらなくても、その場の雰囲気で打ち合わせが始められるので、こういうスペースは便利ですね。アイデアが出たときに即座に集まることで、通常の会議より早く結論が出るので、スペースも時間も有効に活用できるように思います」山家氏

人にも環境にも優しいオフィスを目指し
新しい試みにも積極的に挑戦していく姿勢。

そのほか、日本オラクルの新オフィスで注目すべきポイントをいくつか紹介しておこう。

最高ランクの環境性能を実現

環境・省エネルギー対策は積極的に進め、CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)で最高クラスのSランクを取得した。主な取り組みは以下の通り。

  • 屋上緑化と側面緑化による空調エネルギー削減とヒートアイランド化現象の軽減。
  • 熱線吸収ガラスを用いたLow-Eペアガラスを採用し、日射・熱所得を削減し、空調エネルギーを削減。
  • 照明センサーにより昼光利用が可能な場合には照明器具の出力を低減。人感センサーにより共有部の照明を点滅。
  • 地域冷暖房システムの利用により地域単位でCO2排出量を削減。

花火も楽しめる茶室と日本庭園

随所に和のテイストを採り入れたオラクル青山センターの目玉の一つが最上階に設けられた茶室と日本庭園だが、ここは毎年夏に開かれる神宮外苑花火大会のときには絶好のビューポイントになるため、音を楽しめるように、そのときだけ開放する小窓を設けた。
花火も楽しめる茶室と日本庭園

ユニバーサルデザインの導入

さまざまな人が利用できるように段差のない床などは全面的に採用しているが、その他、企業オフィスとしての新たな試みとして、病気や事故などで消化管あるいは尿管が損なわれた人でも排泄がしやすいオストメイトも設置した。

新オフィスの評価については、近々、従業員へのアンケートなどを行う予定だという。
「今までのオフィスは不満があっても簡単には変えられませんでしたが、新オフィスはデスク配置などもフレキシブルに変更していけるので、今後、さまざまなニーズに対応していけるはずです。そういう意味でも、かなり理想に近い形に近づけたのではないでしょうか」瀬谷氏