株式会社アクアスター
株式会社アクアスター
株式会社アクアスター
2024年6月取材
※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。
社員の笑顔が増え、モチベーションもあがる。
そんなオフィス移転を実現した
イラストレーションやアニメーションなどのビジュアル表現、最先端のデジタルクリエイティブなどを通じてさまざまな企業の課題解決に貢献している株式会社アクアスター。1991年の創業以来、業績を伸ばし、事業を拡大してきた。そして、さらなる発展を目指し、2024年5月に中央区に立地する大規模オフィスビルに本社を移転した。今回はその経緯や新オフィスの特長についてお話を伺った。
株式会社アクアスター
代表取締役社長
原田 弘良 氏
株式会社アクアスター
取締役
佐藤 秀政 氏
三幸エステート株式会社
第三営業部
松本 祐介
三幸エステート株式会社
第二営業部
宮本 淳史
Contents
- 幅広いターゲットに響くデジタルクリエイティブで事業を拡大してきた
- 旧オフィスは人員増加により手狭感が強くなっていた
- 物件探しは難航したが、その先に運命的な場所があった
- 新オフィスのコンセプトは「CANVAS(キャンバス)」とした
- 多様な使い方とリフレッシュを両立させた理想的なオフィスが完成した
- リアルに見える環境がモチベーションの向上に繋がっていく
エントランス
幅広いターゲットに響くデジタルクリエイティブで事業を拡大してきた
株式会社アクアスター(創業当時は株式会社アクア)は、1991年に創業。順調な業務拡張の中で1999年に港区芝浦へ、さらに2015年には中央区築地へと本社移転を行っている。
創業以来、同社はテレビCM用絵コンテのフロントランナーとして業界をリードしてきた。幅広いターゲットに響くデジタルクリエイティブを武器に、多様なフィールドで最適なソリューションを提供している。
旧オフィスは人員増加により手狭感が強くなっていた
旧オフィスは築地に立地するオフィスビルの3フロア、合計410坪を使用していた。東京本社の社員数は約150名。10名ほどがリモートワークを行なっていた。
「3年前、入居していたビルの所有者から『エリアの再開発に伴い、ビルの建て替えが正式に決定した』と連絡が入りました。それから移転先探しが最優先事項となったのです」(原田氏)
「せっかく移転するのなら機能的なオフィスを構築したいと思い、社内からの声を集めました。オフィスをどのエリアに設けたいかという質問に対して、IT系が集積する渋谷周辺ではなく、東京有数の情報発信地である銀座周辺にこだわりたいという声が大半でした」(佐藤氏)
面積や機能に不満を感じる従業員も多く存在していたという。
「当社はクリエイティブ制作を根幹としているため日常的な打合せが欠かせません。しかし旧オフィスでは打合せスペースが全然足りていませんでした。また、コロナ禍でオンラインミーティングが増加。5つの会議室は常に埋まっている状態で、解決が求められていました。加えて、フロアが分散していたことで、他部署間のコミュニケーションが希薄に。そこで将来的な増員計画も見越して当時の410坪から2割ほど広げた500坪前後を面積の目安としました」(原田氏)
移転先探しは、過去の移転や関西支店の開設をサポートしてきた三幸エステートが担当した。
物件探しは難航したが、その先に運命的な場所があった
移転先の条件を銀座エリア、1フロア500坪として探し始めていく。
「しかし、条件に合致する物件はそうそう簡単には出てきません。そのためエリアを新橋や日本橋まで広げ、かつ複数フロアでの物件も含めながら、とにかく候補ビルの数を集める作業に集中しました」(松本)
そうした中で、条件通りの空室情報を入手する。それは、偶然にも原田社長が切望していたオフィスビルだった。
「当社のお客様が入居していたため、それまで何度も訪れたことがあるビルでした。このエリアのランドマークと言ってもいいでしょう。以前から、このビルにオフィスを構えたい。そんな想いをずっと持っていたのです」(原田氏)
「実は、その空室情報が出る直前に契約を検討していた物件がありました。結果的にはスケジュールが合わず契約には至りませんでしたが、それが良かったのかもしれません」(松本)
「今回移転したビルは、空室が出てもすぐに埋まってしまう人気の高いオフィスビルです。これ以上ないベストなタイミングで物件を確保することができました」(宮本)
「募集フロアの面積も473坪と当社が想定していた広さと遜色がありませんでした。すぐに契約締結に向けての調整を行いました」(佐藤氏)
新オフィスのコンセプトは「CANVAS(キャンバス)」とした
移転先が確定し、次はオフィスづくりのフェーズに移行する。各部署の代表、部長などを10名ほど集めたプロジェクトチームが組まれた。まずは内装デザイン会社の選定のために4社コンペを実施する。コンペ先の1社から、より良いデザイン提案のためにと従業員アンケートの提案を受けた。
「アンケートを実施したところ、その結果を上手く取り入れた提案をいただきました。そうしたデザイン面だけではなく、トータルの対応力や行動力も決め手となり、その会社への依頼を決めました」(原田氏)
「その後、定例会を開催していくのですが、当社が言葉では言い表せない部分をくみ取っていただいて。上手く具現化していただきました」(佐藤氏)
新オフィスのコンセプトは、「ビジュアル表現、特にイラストレーションに強みを持っている」「幅広い分野に合う"色"でクリエイティブを表現できる」「新オフィスはこれから自分たちのカラーで染めていく」といった意味を込めて「CANVAS(キャンバス)」とした
多様な使い方とリフレッシュを両立させた理想的なオフィスが完成した
それでは新オフィスの特長を紹介していこう。
エントランス正面の壁には緑が一面に敷き詰められている。その中に2つのモニターを新設。同社の作品などが映し出されている。手前にはブルーのレセプション台を設置。その壁面は鏡面仕上げのため、一見浮いているようにも見えるデザインだ。少し歩くとウェイティングスペースがあり、色とりどりのソファが並ぶ。ソファ前の壁には原田社長のこだわりでロゴマークのオブジェが配置された。明るい雰囲気に心地よい緑、自由な色使いなど、まさに「CANVAS」が再現されたエントランスとなっている。
エントランス
エントランス オブジェ
このエリアに来客専用の応接室を集中させた。5室の会議室は、全て同社のアイデンティティであるスターがデザインされている。それぞれ「マスタード」「オリーブ」「アプリコット」といった色の名前が付けられ、室内はその色調で統一されており、自由な発想や遊び心を感じさせる。こうしたアイデアは社内公募から出てきたという。
その手前に設けられたのが「展望室」だ。当初は応接室とする予定だったが、せっかくの眺望を有効に活用したいと急遽、設計変更した。
「ここは『スタービュー』と名付けて、まず眺望を楽しんでいただいた後に応接室へご案内するのを基本動線としています」(佐藤氏)
大会議室
扉を開けて中へ進むと、開放的なカフェスペースが広がっている。ランチを楽しんだり、休憩時に雑談したり、ちょっとした打ち合わせをしたりと、自由に使えるスペースだ。ここにも大型モニターが設置され、同社の作品が流れている。
「従業員が多くなり、業務の幅も増えたことで、他部署の仕事を詳しく知らないという声が増えていました。そのため、そうした社内情報の共有をもっと自然な形でできないかと考え、ランチや休憩時に従業員の目に入るよう映像を流しています」(原田氏)
カフェスペースの一角にはバーカウンターとコーヒーマシンを設置。ここでは偶発的な出会いや会話の創出を目的としている。執務エリア内ではなく、あえてこのエリアに用意したのは同社ならではの理由があった。
カフェスペース
バーカウンター
「当社は、従業員のおよそ半数がクリエイターなのですが、彼らは一日中、自席で集中して業務を行っています。そこで会社としては、休憩時に席を立って少し歩くことを推奨しています」(佐藤氏)
その奥が執務エリアとなる。同社は若い従業員が多いため、先輩が後輩を指導しやすく、また後輩もわからないことをすぐに聞くことができるように固定席を採用。その一方で、より集中したい時に最適な半個室や、オンラインミーティング用の個室ブース、気軽にアイデア出しなどができるオープンスペースなどを設けている。これらの多くの新機能の採用によって旧オフィスの課題であった「部署間コミュニケーション」の創出を実現している。
半個室席
オープンスペース
リアルに見える環境がモチベーションの向上に繋がっていく
移転後は「想像していた以上のオフィスだった」という声が多い。同社はもともと従業員間の風通しが良く、和気あいあいとした雰囲気ではあったが、新オフィスでは以前にも増して笑い声や会話が増えているという。
「新たなコミュニケーションも生まれています。例えば、勉強会を企画する際に従業員全員に告知して部署を超えた意見交換を行なったり、業務終了後にバーカウンターを利用して誰もが参加できる交流会を開催したりしています。どれも従業員が自主的に行っているものです。これらの変化は、個々の生産性にも大きく影響を与えています」(原田氏)
「当社はクリエイティブ制作が主な業務です。クリエイターが生き生きと仕事に打ち込める環境を整備することは、作品にも良い影響を与えるはずです」(佐藤氏)
同社はこれまでにも何度かオフィス移転を行っているが、今回の移転は特に感慨深かったという。
「私が新卒で入社した頃のオフィスは、あまりクリエイティブとは言えない空間でしたが、今では会社も成長し、銀座エリアのランドマーク的なビルで働くまでになりました。『自分たちの力で会社を変えることができる』という事実はモチベーションをアップさせる原動力になります。そう考えるのは私だけではないはずです」(佐藤氏)
「成長が実感できるということは、経営者として最大の喜びですね。移転後は、多くの従業員が楽しそうに仕事をしています。オフィスという共通の場があるからこそ、そこで働く従業員の姿を見ることができる。その姿を見られただけでも、今回のオフィス移転は成功だったと感じています」(原田氏)
「人々に夢と感動をお届けする!」。全社員がこの思いを抱きながら事業展開をしてきた株式会社アクアスター。今後もデジタルとテクノロジーの融合で、さまざまなお客様の課題解決に尽力していく。