- 面積は縮小したが、モチベーションは下がらなかった最初の移転
- 今回の移転は面積の拡張と企業メッセージを社内外に伝えること
- ベースとなる席をつくりながらプロジェクトごとに自由に動く
- 語学とプログラミングが同時に学べる採用プロジェクト「ギークスキャンプ」
- 口コミパワーを最大限活用。徐々に広がりをみせるギークスファン
- 次のステージはもっと開放感を取り入れたオフィスに
面積は縮小したが、モチベーションは下がらなかった最初の移転
「当社の前身は、2001年に共同で設立したクルーズ株式会社(CROOZ,Inc.)になります。ネット系コンテンツ事業で業務を拡大している会社で、当時は通信キャリア向けのモバイルコンテンツ事業とIT人材サービス事業を行っていました。そのころネット業界全体で技術者が不足しており、僕自身フリーランスという形態に可能性を感じていた時期でもあります。また、ちょうど両事業ともに売上規模がほぼ同額であることが、「クルーズ」という企業ブランディングをわかりにくくさせているという意見もあり、分社化への検討が始まりました」(曽根原 稔人氏)
その後、クルーズの100%子会社としてIT人材サービス事業を行うギークス株式会社(当時の社名は株式会社ベインキャリージャパン)が誕生した。会社設立は2007年8月。クルーズと同じ麹町のオフィスビルに入居していた。
「2009年に経営陣によるMB0を行い、完全独立を果たしたわけですが、前年の金融危機からの煽りを受け、進行中の業務系システム開発プロジェクトが立て続けにストップするという事態が起こりました。そこでクライアントの見直しを行い、不況のあおりが少ないネット系企業を中心に営業促進をすることにしたのです。そして少しでもランニングコストを下げるために麹町からの移転を検討しました。しかし、単に賃料が安いオフィスに移るだけでは、社員のモチベーションが一気に下がってしまう。いい方法がないかと模索していました」(曽根原氏)
「移転エリアは新たに営業対象としたネット系企業が集積していることもあり、渋谷近辺への移転がベストと考えました。そんな中、本当に偶然に見に行ったオフィスビルが新築の10階建で、渋谷駅からの距離も近い。今までに比べ面積は縮小することにはなりますが、このビルならばモチベーションは下がらないだろうと確信したのです。即断でしたね」(曽根原氏)
「ここから再スタートする」という代表の強い思いは社員に十分伝わる結果に。社員数も30人弱に減ってはいたが、そこからモチベーションを下げることなく全員で頑張れたという。
今回の移転は面積の拡張と企業メッセージを社内外に伝えること
渋谷への移転後は、フリーランスネットワーク事業を主軸に業績を伸ばしていく。
「フリーランスネットワーク事業というのは、フリーランスの立場で働いているITエンジニアとエンジニアを探している企業とをマッチングする事業です。例えば、企業内で新たなWebサービスを開発したいとする。しかし社内にリソースはない。でも、新規でエンジニアを採用、教育するにはコストも時間もかかる。そんなときに弊社に登録しているエンジニアの中から最適な方を紹介するといった事業です。今では7000名のエンジニアの方に登録していただいています」(小幡千尋氏)
社員の内訳としても、約半分がフリーランスネットワーク事業のスタッフとなる。残りの2/3がエンジニア、1/3が管理部門だ。V字回復の兆しも見せ、社員も4年前と比べると倍以上の人数に増えた。そこで再度移転を検討することになる。しかし、今回の移転は増員による手狭感の解消だけが目的ではないという。
「もちろん面積の拡張という必須の目的はあります。ただそれだけではありません。それ以外に "もっとオフィスに自分たちのクリエイティブ色を打ち出そう" という狙いがありました。以前のオフィスは綺麗ではありましたがそれだけでしたから」(曽根原氏)
今回の移転は、ビル探しからデザインの構想、移転完了までわずか3ヵ月で完了した。
「現オフィスには2013年1月に移転してきたのですが、ビルを決定したのが前年の10月。それから一部の関係者だけでオフィスコンセプトや内装デザインなどを進めていきました。完成した12月末の時点でも社員に何も伝えていません。ただ一言、『年明けからはこの住所のビルに出社してください』とだけ。年明けの出社当日、エレベーターを降りると斬新なデザインの部屋が目に入る。ほぼ全員が呆然としていましたね。そういったサプライズでオフィスのお披露目をしたのです。社員のテンションは最高潮に上がっていました」(曽根原氏)
その自慢できるオフィスのベースとなったデザインは曽根原氏のアイデアによるものだ。
「自分が伝えたイメージを、デザイナーさんが形にする。それに修正や意見を加えていくといった作業を繰り返しました」(曽根原氏)
「エレベーターが止まるたびに、オフィスの一部が目に入る。他のフロアの企業の方からもかっこいいですねとよく言われます。自分の会社が褒められると悪い気はしませんよね」(小幡氏)
エレベーターを降りて目の前に見えるのは多目的に使用できる「21cafe」だ。そのデザインイメージは当時注目されはじめていた、ラウンジのようなコワーキングスペースだ。元になるイメージがラウンジということもあり、今回は店舗を多く手がけているデザイナーが担当した。
「『21cafe』は、直接的な事業ではありません。クリエイターとエンジニアの接点を増やす、または彼らの創造性をサポートするための場として設けました」(曽根原氏)
「当社以外の方々にも自由に開放して使ってもらおうと。2月は土・日・祝日を除くほぼ毎日、延べ200名の利用者となっています。貸出規約に関しては細部にわたって取り決めを行います。使用料金の代わりに当社Facebookの『いいね!』を押して頂く、というのもその一つです」(小幡氏)
ギークスの"創造性支援"に対する姿勢は企業ビジョンにも表れている。それではその基本の考えとなる心得を以下に紹介しよう。
Buddyの心得
世の中に感動を創造し続ける企業であるために、Buddy(社員)全員が大切にしている10の価値基準
- 年中無休の好奇心
- 変化を楽しむ
- Speed! Speed!! Speed!!!
- 想いを語る
- No.1しか興味ない
- モテる人間になる
- 出る杭を讃える
- 妥協のないつながり
- 「遊ぶ」も全力!
- 感動創造集団。

http://geechs.com/
コラム1 会議室を綺麗に使わないと逮捕
