株式会社Rebase

2022年5月取材

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※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。

「仲間」「結束」「ワクワク。そんな価値観を表現した新オフィス

レンタルスペースの予約プラットフォーム「instabase(インスタベース)」の開発で、日本中の多くの人に「活動・活躍できる」場所を提供している株式会社Rebase。手狭になったオフィスの進化とさらなる事業の拡大を目的にオフィス移転を実施した。コロナ禍を背景にどのようなオフィスを構築したのか。今回の取材では、そのコンセプトや特長を中心にお話を伺った。

大辻 琢磨 氏

株式会社Rebase
取締役
コーポレートグループ
グループマネージャー

大辻 琢磨 氏

竹山 枝理香 氏

株式会社Rebase
社長室

竹山 枝理香 氏

Contents

  1. 創業当時の実体験から着想したレンタルスペース事業
  2. 条件の範囲を広げたことで理想的なオフィスを見つけられた
  3. 何度も議論を重ねて、自分たちにふさわしいオフィス構築を行った
  4. オフィスコンセプトに合わせて働く人が出社したくなるオフィスを構築した
  5. 仲間を想いやる気持ち。それこそがオフィス存在の意義

カフェエリア全景

カフェエリア全景

創業当時の実体験から着想したレンタルスペース事業

2014年 5月、株式会社Rebaseはレンタルスペースの予約プラットフォーム「instabase(インスタベース)」をリリース。スペースを「使いたい人」と「貸したい人」をマッチングさせるサービスをスタートさせた。サービスの着想には、創業メンバーの経験が大きく影響していた。

「オフィスを持つ資金がなく、当時の活動場所は専ら街中のカフェ。そのためWi-Fi環境は整っておらず、ノートPCのバッテリーが切れることも度々ある。そんな仕事環境においてフラストレーションがたまっていたそうです」(大辻氏)

そうした自分たちの姿を客観的に見たとき、同様の悩みを抱えている人は他にもいるはず。それならば自分たちの課題解決が社会的に意義のあることに繋がるのではないか。そんな思いが事業の立ち上げを後押しした。それからビジネスとして成立するための要件をまとめ、レンタルスペースの予約プラットフォーム「インスタベース」の企画を始動させたという。

その後は、知り合いのオフィスの一部を借りながら「インスタベース」の運営と開発に尽力する。

「今でこそ、レンタルスペースの掲載は2万件を超えていますが、当時はゼロからのスタート。貸しスペース探しとWebシステムの構築を並行して行っていたそうです」(大辻氏)

2017年、渋谷区代官山のオフィスビルに移転をする。その立地を選んだのは、同社のパーソナリティを優先してのことだった。

「あえてビジネス街とは違った場所を希望していました。それでいて静かすぎることもなく、駅から離れすぎてもいない。そんな条件にマッチしていたのがこのオフィスビルだったのです」(大辻氏)

条件の範囲を広げたことで理想的なオフィスを見つけられた

移転先ビルの面積は約50坪。当初67人ほどのメンバーで使用していた。

「メンバー全員が一つになれるオフィスでしたね」(竹山氏)

その後、5年が経過。業績も順調に伸び、社員数も約40人にまで増えていた。

「人材の採用によって次第にオフィスが手狭になっていました。加えて新型コロナウイルスの感染予防対策としてソーシャルディスタンスにも配慮しなければなりません。部門ごとに出社日を調整することで対応していました」(大辻氏)

その一方で、会議室および座席不足という課題も表面化していた。社内ミーティングは近くのレンタルスペースで行われることが当たり前に。関わるメンバーの数も増え、あまりにも座席が足りないこともあり、オフィス移転を本格検討することになった。

移転先探しは三幸エステートが担当する。レンタルスペース物件の情報提供などで以前から交流があったのが理由だ。

「当社の条件に適したオフィス探しを依頼しました。旧オフィスの環境に満足していたこともあって代官山周辺から探してもらうことに。しかしなかなか条件に合うオフィスは見つかりませんでした」(大辻氏)

「当社が細かい条件にもこだわりを持っていることが原因なことは理解していました。三幸エステートさんもそういった部分を感じていたのでしょう。『条件とは多少異なるオフィス』の提案をしていただいて。その間、紹介いただいたオフィス情報は100件を超えていたと思います」(竹山氏)

そうして別角度から移転先候補となったビルを見学していくことになる。その中に現在入居ビルの情報も入っていた。

「当社が希望していた条件とは異なっていました。しかし、実際に目にすることで新たな発見を得ることができました。一目で気に入りましたね。内見をした全員が同じ気持ちでした。その後、条件面の交渉に入り、正式に契約を締結しました」(大辻氏)

202011月に着手したオフィス移転計画であったが、契約は202112月。移転先探しだけで約1年を要したことになる。

何度も議論を重ねて、自分たちにふさわしいオフィス構築を行った

新オフィスの面積は当初の予定より広い160坪。ビル周辺の木々と壁一面の大きな窓ガラスが「自然の中のオフィス」を演出する。結果的に「1フロア」「低層階」にこだわったことも正解だったと語る。

「当社はまだまだ成長途中の会社です。全員の顔が見え、どんな行動をしているかを互いに分かり合える環境が必要でした。そして入居フロアは低層階ということもあり、街路を歩いている人の表情や服装、流行りがよくわかります。それはマーケティング上、重要な情報になりうるのです」(竹山氏)

それからオフィス構築のフェーズに入った。社内から6名のプロジェクトチームを編成する。内装デザインは、旧オフィスからの付き合いとなる会社が担当した。

「決算の関係もあり、3ヵ月という短期間でオフィスを構築する必要がありました」(大辻氏)

それでもオフィスコンセプトの策定にはかなりの時間を費やした。約3週間の中で、役員インタビューや社内アンケートの実施、分析。新オフィスに必要だと思われる機能や要素の聞き取り。その他、内装会社を交えて何度も打ち合わせを行ったという。

「予算と時間に限りがある以上、全てのアイデアを形にできるとは最初から思っていませんでした。そこで当社にとって一番大事にしていること、それを考え抜きました。すると『結束』というワードが出てきました。そこからイメージを膨らませて新オフィスのコンセプトを考えていきました」(竹山氏)

そうして新オフィスのデザインコンセプトとなる「糸を編む」が誕生した。

「社員の一人ひとりを糸に例えたときに、一本一本の糸が結びついて一枚の布となり、新しいものを創り出す。オフィスがそんな空間となるように願いを込めました」(大辻氏)

エントランス

エントランス

オフィスコンセプトに合わせて働く人が出社したくなるオフィスを構築した

それでは新オフィスを紹介していこう。執務エリアは社員からの要望を反映して、フリーアドレスではなく固定席を採用した。席数は余裕を持ちながら60席を用意。感染症対策を考えて密にならないような空間づくりを意識したという。

執務エリア

執務エリア

「カフェエリアなど、多様なフリースペースをつくっています。固定席もありながら自由に使える席もある。どこで仕事をしても構わないABWの概念を採り入れた空間を構築しました」(大辻氏)

「カフェエリアの家具は可動式の製品を採用しました。家具を移動させて社内イベントを開催することも念頭に入れたからです。出社することで色々なシーンを実現させる。社員のワクワクをサポートできるようなオフィスを目指しました」(竹山氏)

カフェエリアに加え、もう一つの新機能として、作業に集中することを目的としたフォーカスエリアを設けた。

カフェエリア

カフェエリア

カフェエリア

カフェエリア

フォーカスエリア

フォーカスエリア

1on1(ワンオンワン)を想定して2人用の個室としています。コロナ禍で増えたオンラインミーティング用の部屋としても活用しています」(大辻氏)

「最近は、商談でのオンラインミーティングの依頼が増えつつあります。新型コロナウイルス感染症が収束したとしてもその流れは変わらないでしょう。それでオンライン用の対応もできる機能を充実させたのです」(竹山氏)

これまで一室しかなかった会議室も、新オフィスでは4室に増やした。10人席が1室、6人席が3室、それぞれに会議用のモニターなどの設備が設置されている。

「旧オフィスでは、会議室の会話が外に漏れてしまうこともありました。もちろん改善が必要な深刻な問題です。そこで新オフィスでは、会議室のガラスや壁を二重にして防音効果を高めました」(竹山氏)

会議室

会議室

「移転して3ヵ月経過しますが、会議室はバランスよく稼働しています。もし会議が増えたとしてもいくつもの打ち合わせエリアを設けていますので柔軟な対応ができると考えています」(大辻氏)

「会議室は外部の方と社員をつなぐという想いを込めて、『糸の結び方』の名称が部屋の名前になっています。一方、フォーカスエリアは社員同士の交わりが中心になります。いずれは線から面になってほしいとの思いから『布の織り方』の名称を部屋の名前としています」(竹山氏)

仲間を想いやる気持ち。それこそがオフィス存在の意義

移転後、同社では出社率を50%から100%へ戻したという。

「コロナ禍で完全テレワークを導入した時期もありました。もちろん業務が止まることはありませんし、むしろ効率的な働き方もできています。しかし今回のプロジェクトで『結束』が最も重要だと気付かされました。それを一段と深めるためには、やはり対面でなければ実現は難しいのではないかと感じたのです」(大辻氏)

「テレワークでは、ネットワークでつながっているとき以外は相手の顔が見えません。もしかしたら見えないところで悩んでいるかもしれない。オンラインでは相談しにくいことがあるのかもしれない。今まで、顔を合わせているからこそ『気づき』ができていました。それならば無理に『あるべき姿』を変える必要はないと思っています」(竹山氏)

「当社は、その場で、話し合って、決めて、実行する。そんなスピード感を大事にしてきました。そこは、どんなに会社の規模が大きくなっても変えるつもりはありません。『直接、人の声を聞く』。それこそがオフィス存在の大きな意義だと感じています」(大辻氏)


株式会社Rebase
株式会社Rebaseが求める価値観は、「仲間を想いやろう」「ユーザー目線になろう」「意志を持って行動しよう」「トライしよう」「ワクワクしよう」。これらをOne Teamとして共有することで、同社の「結束」が生み出されている。