株式会社リライズ

2021年7月取材

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※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。

徹底したルールがあってこそ良好な働く環境が整備される

株式会社リライズは設立以来、「不動産を通じて人の人生の豊かさに貢献します」を企業理念にお客様一人ひとりと向き合ってきた。コロナ禍でも大きな売り上げの落ち込みもなく、成長をし続けている。その軸となるのは、会社が社員自身の成長を大切にしていることだ。2021年2月、将来的な人材の拡充を考えて大々的なオフィス移転を実施した。今回は新オフィスの概要と共に同社が考える働き方について伺った。

田口大志 氏

株式会社リライズ
代表取締役

田口 大志 氏

Contents

  1. 「無限の可能性」を信じて会社を設立。順調に売り上げを伸ばしてきた
  2. 移転後の企業ブランディングも考えて移転先を探した
  3. 内装デザインのイメージは重厚感とスピード感の調和
  4. 新オフィスでは「働きやすい環境づくり」と「採用効果」を目指した

エントランス

エントランス

「無限の可能性」を信じて会社を設立。順調に売り上げを伸ばしてきた

株式会社リライズの設立は20184月。前職で培ってきた不動産売買事業をさらに進化させようと代表取締役である田口大志氏が立ち上げた。

創業時こそマンションの一室からのスタートであったが、順調に業務を拡大させ、創業半年後には1回目、続いて201912月に2回目のオフィス移転を行った。

4階建ての1フロア67坪のオフィスビルでした。入居当時はとても満足していましたが、やはり人数が増えてくると会議室不足や会議中の声が漏れるといった課題が出てきました。環境音楽を流すなどで対応していましたがそれだけでは難しくなって。社員数も40名ほどに増えていました。そこで3回目のオフィス移転を検討することにしたのです」

移転後の企業ブランディングも考えて移転先を探した

2020年7月末、移転プロジェクトをスタートした。

「以前のオフィスを新宿に構えたことから社員の大半が新宿近辺に住むようになりまして。社員の通勤の利便性も考慮しなければなりません。そうなると極端に異なるエリアへ移転することは考えていませんでした」

そうした移転先のざっくりとした条件をオフィス仲介会社に伝える。

「三幸エステートさんにサポートしていただきました。漠然とした依頼になってしまいましたが、こちらからの要望や問い合わせにも迅速に対応いただき、安心してお任せすることができました」

新宿駅を中心に候補ビルを見学していく。最終的には西新宿を象徴する大規模オフィスビルの37階の分割フロアを確保する。

「西新宿の大規模オフィスビルは可能な限り見学しましたね。その中で面積や経済条件などを総合的に判断して候補を決めていきました」

移転直前での社員数は45名になっていた。当初は使用面積も人数に合わせて段階的に拡大しようと考えていたという。人数から割り出した面積は100坪前後であった。

「検討している途中で営業現場を指揮している責任者の一人から『このビルならモチベーションが高まりますね』といわれまして。その言葉が決め手になり、現ビルを借りることにしました。実際、社員全体の意欲が大幅に上がり、営業活動につながっていますね。移転後はランニングコストが増えましたが、きちんと利益を出し続けています」

内装デザインのイメージは重厚感とスピード感の調和

新オフィスで確保したオフィス面積は175坪。旧オフィスよりも2.5倍以上となった。スペースを有効に使うために「執務室エリア」「応接エリア」と大きくゾーンを2つに分けた。旧オフィスでは1室しかなかった会議室を新オフィスでは4室に。それに加えてカンファレンスルームを独立した空間にするなど、旧オフィスの課題も改善した。

エントランス

エントランス

応接エリア

応接エリア

会議室

会議室

内装デザイン会社に発注する前に社内の建築部の担当と大まかなゾーニングを決めていった。

「カンファレンスルームは以前から、より有効的な機能にする必要性を感じていました。20名以上が一堂に会することができ、社内プレゼンや外部関連会社を招いた勉強会、新入社員への会社説明会など、多岐にわたる使用が可能です」

カンファレンスルーム

カンファレンスルーム

その他、会議室はお客様、パートナー会社、社内ミーティングの場となる。打ち合わせを主目的としているため、あえて重厚なイメージで統一している。

「私がイメージしていたオフィスに仕上がりました。黒を基調色としていますが、そこまで重い感じもなく落ち着いた雰囲気にすることができました。来客の方々からも『カッコいいオフィスですね』とお褒めいただいています。私もつくる側として多少の知識がありますので内装デザイン会社とは資材の変更や詳細部分の改善など、多面的に意見交換を重ねていきました。あとはオフィスを使っていく中で表面化した課題を改善していければいいと思っています」

特別会議室

特別会議室

執務室全景

執務室全景

執務室

執務室

セキュリティ完備の扉を開けると全面に執務室が広がる。壁一面は大きな窓。採光の良い明るい部屋となっている。中央には整理された長机が並べられている。営業ゾーンとバックオフィスゾーンに分かれており、同社の営業は外出が多いためフリーアドレスを採り入れた。正面奥には登壇机。週一回の朝礼ではここが司会台となる。

「朝礼やミーティングを通じて、社員に私のノウハウを伝えていきたいと思っています。不動産業界にはどうしても古い体質のイメージが残っていますが、今までの常識にこだわらず絶えず面白いことにチャレンジしていきたいですね」

登壇机裏の隠れたスペースには個々の荷物を整理するための個人ロッカー、ハンガーなどを設置。オフィスが乱雑にならないように工夫されている。

新オフィスでは「働きやすい環境づくり」と「採用効果」を目指した

今回のオフィス移転による一番の目的は「働きやすい環境づくり」と「採用効果」だったという。

「旧オフィスではじっくりと座って打ち合わせをするスペースもなかったので、仕事がしやすい環境に生まれ変わりました。しかしこれで終わりではなく、より良いオフィス環境を考えていかなければなりません。とても難しい課題ですよね。すべての会社に通用する方程式があるわけではありませんから」

その中で実直にオフィス運営を行ってきた田口氏が導き出した答えの一つが『ルールづくり』だと語る。

「社内ルールとして何が良くて、何が悪いかを徹底して決めておく。それは細かく管理するということではありません。例えば、日本の道路は左側車線で統一されています。そういった共通のルールによって事故を防いでいるわけです。そのルールがあるからといって不自由さを感じている人はいませんよね。ルールを明確に決めて周知させる。そうすることで不平不満を抑えることができます。社長も新入社員も同じルール。当社では誰でもクラウド上で確認できるルールブックをつくっています。さらにルールや働く環境について全社員で話し合うルール改善会議を月一回実施。常に環境改善について考える機会を設けています」

不動産売買業界全般で離職率が比較的に高い中で、同社の離職はさほど多くない。

「特に社員教育を整備しているわけではないのですが、営業の定着率は高いですね。もともと社員教育や研修は好きではなくて。一般的に社員教育を充実させる理由は『失敗しないため』ではないでしょうか。しかし私の考えはどんどん『失敗しろ』です」

もちろん名刺の渡し方やお辞儀の仕方といったビジネスマナーは研修で行う。それらは23時間で手に入れられるスキルだ。それ以外の営業スキルに関してはあえて自分の足りない部分を明確にするために、若いうちに多くの失敗を経験してほしいと語る。

「新入社員の失敗なんて企業からすれば何でもないことだと思っています。失敗は若い時こそするもの。失敗を未然に防ぐのではなく、失敗を見守ることが本来の親心のような気がしています」

同社では、失敗することで評価が下がることは一切ない。それが同社の「社風」だという。そんな社風の中であえてチャレンジをして勝負に打って出たオフィス移転。現時点では、残念ながら採用面談の急激な上昇といった移転効果は出ていない。

「当社にとってオフィス移転のタイミングは一つの転換期。ですから移転効果が表れるのはゆっくりでいいと考えています。移転後の立地は、当社の企業ブランディングの見地からも明らかに良い方向につながっていますね。それを考えても、今回のオフィス移転は意義のあるものになったと思います。何しろ新オフィスが販促ツールとして成り立っているのですから」

田口氏の当面の目標は組織を大きくすること。できるだけ会社の持つ可能性を広げていきたいと語る。それによって社員への貢献、お客様へのサービス向上へとつなげていきたいという。

「組織が大きくなることで今まで通りにいかない部分も出てくるかもしれません。それでも社員への貢献、お客様へのサービス向上へとつなげていきたいですね。そのために働きやすいオフィスは必須だと思っています」

株式会社リライズ
株式会社リライズのスローガンは「無限の可能性」。「住まい」を通じてお客様の理想の人生をサポートする存在になることを目指す。またお客様自身が影響を与えていく。そんな「無限の可能性の連鎖」を起こす会社であり続けたいと願っている。同社のシンボルマークでもそんな思いを表現している。