今この瞬間も着々と姿を変えている東京の街並み。機能的に、住みやすく、災害に強い街へと変貌を遂げるなかで、往時の雰囲気をそのままに留めるスポットがあります。ふらりと訪れて歴史を感じられるスポットをご紹介しましょう。
浅野家の菩提寺で眠る四十七士
泉岳寺
都営浅草線泉岳寺駅から徒歩1分、喧騒から一歩奥に入った場所にあるのが駅名にもなっている泉岳寺です。もともと赤穂藩・浅野家の菩提寺である泉岳寺ですが、赤穂事件で有名な四十七士と浅野長矩の墓があることで知られています。境内には赤穂浪士ゆかりの品が展示される赤穂義士記念館もあり、現在も多くのファンが訪れ、彼らをしのぶ場所となっています。
供養行事として4月と12月の年に2回、義士祭が行われる。
所在地:東京都港区高輪2-11-1
開閉門時間:
夏(4/1〜9/30)7:00〜18:00
冬(10/1〜3/31)7:00〜17:00
縄文時代の歴史が見える!日本考古学発祥の地
大森貝塚遺跡庭園
歴史の教科書に出てきた「大森貝塚」。縄文時代の人が捨てた貝層標本が見られるとなると、太古のロマンに胸が高鳴る方も多いのではないでしょうか。大森貝塚は明治10年にアメリカから来日した動物学者エドワード・シルベスター・モースによって発見され、日本で初めて学術調査がされました。そこから「日本考古学発祥の地」と言われています。大森貝塚遺跡庭園は平成8年開園、貝層の剥離標本やモースの胸像などを見ることができます。
広場では開園時間内、1時間に2回ミスト噴水が噴出されて涼しげに。
所在地:東京都品川区大井6-21-6
開園時間:
7月〜8月9:00〜18:00
11月〜2月9:00〜16:00
その他の期間9:00〜17:00
お供えものは、おなじみのあの食材!?
待乳山聖天(本龍院)
浅草駅のほど近くにある本龍院は、浅草寺の子院で待乳山聖天という名で呼ばれます。創建は古く、この寺が建立された待乳山は595年(推古天皇3年)9月に地中から突然出現、その際に金龍が山を廻って守護したと伝えられています。待乳山聖天のちょっと変わったところは、なんといっても大根をお供えするところでしょう。寺務所はお供え用の立派な大根がずらり。大根は人に好まれ、体内を清浄にすることから聖天様の「おはたらき」を表しているとのこと。浮世絵にも多く描かれ、人々の崇敬を集めてきた古寺。心静かに参拝してみては。
境内に大根が並ぶ不思議な光景。寺務所で大根を買ってから参拝を。
所在地:東京都台東区浅草7-4-1
開堂時間:6:00〜15:00
※緊急事態宣言につき3月7日まで開堂時間を短縮しています。
土方歳三が静かに眠る場所
土方歳三の墓
新選組ファンから絶大な人気を誇る土方歳三の墓が、東京都日野市にある石田寺にあることはご存知でしょうか?とても静かな住宅街の中にありますが、毎年5月の第二日曜に行われる歳三忌にはとくに多くのファンが集まるのだとか。境内には墓所を示す案内板が建てられているので、初めて訪れる人でもすぐにお参りすることができます。
土方歳三の命日は5月11日ですが、年間通してファンが訪れるため献花が絶えることはない。
所在地:東京都日野市石田1-1-10
開門時間:9:00〜17:00
江戸幕府が防衛強化のために築いた砲台場
第三台場
ショッピングやレジャーで人気のお台場。この「台場」は1853年、黒船来航をきっかけに防衛を強化するために江戸幕府が築いた砲台場の跡地です。6基作られた台場のうち、現在も往時の面影を残すのが第三と第六の2基。第三台場は現在台場公園として整備され、幕末から現在へと続く歴史を間近に見ることができるスポットとなっています。砲台跡(砲台はレプリカ)だけでなく、かまどや弾薬庫などの跡も。黒船に日本が震撼した時代に思いを馳せながら、歴史散歩なんていかがでしょうか。
建設当時は島でしたが、現在は陸続きになっており気軽に立ち寄ることが可能に。
所在地:東京都港区台場1-10
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※ 掲載している記事内容は取材時(令和3年2月時点)のものです。
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