突然ですが、都内で最も高いオフィスビルってどこだかご存知ですか？公式には、東京ミッドタウンのミッドタウン・タワーで、248m。でも、実は......虎ノ門ヒルズは255.5mなんです。通常、ビルの高さはアンテナなどを含めた最も高い地点を「高さ」とするのですが、虎ノ門ヒルズはアンテナを抜いた建物だけの高さ、247mを「高さ」として公表。都内2番目の座をキープしているのでした。これにはさまざまな"オトナの事情"が語られていますが、それはまた別のお話。今回は、「23区で『最も』or『唯一』」をご紹介したいと思います。

オフィス街にある23区内最高峰の山

23区内で一番標高の高い山「愛宕山」（港区）

自然にできた山としては、23区内最高峰を誇る愛宕山。標高は25.7メートルで、現在は高層ビルに囲まれているものの、江戸時代は芝浦までも見渡せる高地でした。そこに鎮座するのが愛宕神社。見上げるほどに急な「出世の石段」が有名で、お正月には近隣のビジネスパーソンが初詣に行列をなします。石段は全部で86段、傾斜角度が約40度。覚悟してのぼりましょう！

この急な石段を馬で駆け上がったという故事が残されていますが、江戸以降にも馬で登り降りすることに成功している方が何人かいるそうです。

所在地：東京都港区愛宕1-5-3

明治時代に作られた、近代都市の証。

都内最古の石橋「常磐橋」（千代田区）

明治10年、木造から洋式の石橋に架け替えられた常盤橋。庭園などにあるものを除けば、都内に現存している石橋の中では最古のものになります。橋上の敷石をよく見ると、歩道と車道が分離されていることを示すように橋の左右と真ん中で石の色が違う作りになっていて、当時にしては珍しい「歩車分離」の思想を取り入れていたと言われています。実は2011年に発生した東日本大震災の際にゆがみが生じたため補修工事が行われていましたが、2021年5月10日、ふたたび橋としての機能を取り戻しています。

現在は歩行者専用となっています。

所在地：東京都千代田区大手町2-6-2

地域の人々に愛され続けた蒲田のランドマーク

都内唯一の屋上観覧車「東急プラザ蒲田　屋上かまたえん」（大田区）

1968年の開業から「屋上かまたえん」のシンボルとなってきた屋上観覧車。1989年に2代目が稼働し始め、実は2014年のデパートリニューアルの時に一度閉鎖の危機を迎えました。地元の人々から存続を望む応援の声があり、現在はカラーリングを新たに"幸せの観覧車"という名前で稼働しています。昭和の時代、デパートなどの屋上にあった屋上遊園地は数を減らし、今では都内唯一の屋上観覧車となりました。

カラフルに彩られた4人乗りのゴンドラが9台あります。また、1周はおよそ3分半。

施設情報：東京都大田区西蒲田7−69−1
料金：300円（1周）
※未就学児1人に対して16歳以上の保護者様1名無料
※未就学児は16歳以上の付き添いが必要

東京都の水道水を利用した都会ならではのお酒を醸造

23区内唯一の酒造「東京港醸造」（港区）

酒造りの観点からは新しい試みとも言える、鉄筋コンクリート4階建てビルのコンパクトな醸造所が生まれたのは2011年のこと。現在は7代目が東京の水道水を使った東京らしいお酒を造っていますが、実は100年ほど前まで「若松屋」という屋号で蔵を持っていたとのこと。1909年に時代の移り変わりによってやむなく廃業しましたが、100年の時を経て酒造を復活させることに成功しました。2018年までは23区内に2軒の酒造がありましたが、現在は唯一となっています。

東京の水道水だけでなく、東京産の米と麹を使ったAll Tokyoにこだわった清酒も。

店舗情報：東京都港区芝4−7−10
営業時間：平日11：00〜19：00、土曜日11：00〜17：00
定休日：日曜日

狛犬愛好家に大人気！？都内最古の狛犬がいるお寺

都内最古の狛犬「龍泉寺（通称：目黒不動尊）」（目黒区）

都内最古の狛犬がいるのは、「目黒不動尊」という通称で親しまれている「龍泉寺」です。男坂の石段を登りきったところにあるのが1654年に建立された都内最古の狛犬。現在も現役の狛犬としてお役目を果たしており、愛嬌のあるお顔は思わず「かわいい！」と言ってしまうかも！？また、境内には平成になってから建立されたものや、一風変わった和犬型の狛犬や、子連れの狛犬などもあるので、見比べて見るのも楽しそうです。

1654年といえば承応3年。江戸時代から目黒不動尊を護ってきた狛犬は、令和になった今も現役です。

所在地：東京都目黒区下目黒3-20-26