まちいろプラス Vol.29 個性的な外観のオフィスビル特集
まちいろPDF版を一括ダウンロード

個性的な外観のオフィスビル

都心を歩いていると、パッと目に飛び込んでくるのが個性的なデザインのオフィスビル。オーセンティックな外観のビルも魅力的ですが、今回は昨今、注目を集めているビルをご紹介します。

裏表のない、どこから見ても美しいビル

Tri-Seven Roppongi

外苑東通りと六本木ヒルズに挟まれた土地に建つ「Tri-Seven Roppongi」は、後姿も美しい"見返り美人" なビルです。折り紙や着物の裾の重なりのような、どこか"和"を感じられるアシンメトリーなファサードは、敷地が不定形だったからこそ活きたデザインです。また、龍土町美術館通りに面した池のあるピロティには、四季を感じられる桜や紅葉が植えられ、来館者の憩いの場ともなっています。

Tri-Seven RoppongiTri-Seven Roppongi

Tri-Seven Roppongiという名称は近隣にある3つの美術館が作るトライアングルの中心にあること、住所の"7−7−7"に由来しています。

物件情報:東京都港区六本木7−7−7

各階のズレが価値を生むオフィス

ESCALIER 麹町

フランス語で"階段"を意味する"ESCALIER"。利用者たちが成功への階段を登るように、未来へ飛躍してほしいという思いから名付けられました。その名の通り、階段が外観デザインのアクセントとなっており、5つのボックスが前後左右にズレて重なることでテラスを創出しています。また、最大 3 面がガラスファザードであり開放的な室内空間とし、昼間は柔らかな自然光を、夜は透明感を感じられる作りになっています。

ESCALIER 麹町ESCALIER 麹町

2021年グッドデザイン賞受賞。テラスには緑豊かな植栽が配置され、癒しの空間となっています。

物件情報:東京都千代田区麹町6417

透明感が際立つ美しいファサードを持つ商業ビル

La・La・Grande GINZA

線と面で作られたような特徴的な外観の商業ビル「La・La・Grande GINZA」。
避難階段、EVホール、エントランス、避難バルコニーが縁側の質を持つ 、ひとつのファサード空間となっているこのビルは、外観からもわかる通りファサード側の床が薄いというところも、美しさのひとつです。 また、コンクリート打ちっ放しの無機質さも、ビルの持つ透明感を引き立てています。

La・La・Grande GINZALa・La・Grande GINZA

2018年グッドデザイン賞受賞。高さなどの制限のある中で、開放感ある空間の最適化を実現しています。

物件情報:東京都中央区銀座6-3-18

季節・天候・時刻によって変化する外観

住友不動産麻布十番ビル

幅の異なるくさび型の庇が張り出す「住友不動産麻布十番ビル」。この特徴的な庇に季節・天候・時刻などで変化する天空光が映り込むことによって、建物の色合いが変わり、毎回違う一面を見せてくれるオフィスビルです。また、張り出した庇は風の吹きおろしを軽減する役割も果たしているので、周辺環境にも配慮されています。

住友不動産麻布十番ビル住友不動産麻布十番ビル

外観のランダムに張り出した特徴的なくさび型は、ランドスケープや内装にもデザインモチーフとして展開されています。

物件情報:東京都港区三田1−4−1

スラブの傾斜が美しいテナントオフィス

ROPPONGI TERRACE

戸建て住宅が肩を寄せ合う一角、六本木西公園の隣に建つROPPONGI TERRACEは、住宅街の中に溶け込むテナントオフィスビルです。一階フロアでの採光を考えて、入り口から部屋の奥、公園側に向けてスラブを傾け、室内に光や風が抜けるテラスのようなつくりになっているのが特徴的。また、上に行くほどスラブの傾斜が大きくなっていて、窓からの光を取り込みつつ公園からの視線が入りにくい構造になっています。

ROPPONGI TERRACEROPPONGI TERRACE

2021年グッドデザイン・ベスト100受賞。折れ戸を開け放てば、都会のオアシスとも言える公園の緑や光を取り込むことができます。
写真:中村 絵

物件情報:東京都港区六本木7-17-36
※シマダアセットパートナーズ株式会社所有


※「まちいろ」に関するご意見ご感想、また取りあげて欲しいテーマなどを是非お寄せください。

※ 掲載している記事内容は取材時(令和4年9月時点)のものです。

まちいろPDF版を一括ダウンロード