株式会社ソノリテ

2021年2月取材
※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。

完全テレワークを採用しながら新たなオフィスを構築した

優れたモノ同士の波動を重ねることでより大きな価値を生み出す。そんな「共鳴」を意味する社名で業務の幅を拡げてきた株式会社ソノリテ。同社を牽引するのは10年前に代表取締役に就いた齋藤和政氏だ。同社は20204月の緊急事態宣言を受けて、完全テレワークの導入を決定。その上でオフィス移転を行った。今回の取材では、同社が考えるオフィスの必要性についてお話を伺った。

齋藤和政 氏

株式会社ソノリテ
代表取締役

齋藤 和政 氏

早わかりメモ

  1. システムソリューションをベースに事業を拡大してきた
  2. 旧オフィスでは「ワイガヤ」を実現。その考え方が180度方向転換した
  3. 働く場はどこでもいい。ただし会社として責任が持てる場でないとNGだと考えた
  4. 新オフィスのコンセプトは「遊び心」。それが会社全体のテーマでもある
  5. ニューノーマルな働き方を推進しながらワーカーの考えを尊重していく

システムソリューションをベースに事業を拡大してきた

設立当時の株式会社ソノリテはITエンジニアの派遣やシステムソリューションの提案をメイン業務としていた。それが東日本大震災の発生で大きな打撃を受ける。現状を一新させるためには今までと違った視点や発想が必要となる。そこでパートナー会社の一員であり、信頼関係を築いていた齋藤和政氏が代表取締役として就任することとなった。以降、新たに社内啓蒙ソリューションを業務メニューに加える。ちょうど社会全体に「働き方改革」の機運が高まってきたこともあり、計画通りの手ごたえをつかんだという。

「社内啓蒙ソリューションは、お客様と『働き方改革を進める中で何をすべきか』のディスカッションを重ねていく中で生まれました。テレワークやリモート会議といった新たな仕組みの導入後には必ず簡潔明瞭なマニュアルや社員教育が求められると考えたのです」

そのため今まで社内には存在していなかったデザイナーや動画クリエーターの採用も積極的に行った。

「もちろんIT技術を根底にしているため畑違いのことをやっているわけではありません。せっかくスピード感のある会社にいるのですから、柔らかい発想でどんどん変化を求めていきたいと思ったのです」

旧オフィスでは「ワイガヤ」を実現。その考え方が180度方向転換した

旧オフィスは神田駅至近のオフィスビルに構えていた。面積は約110坪。当時はコミュニケーションを優先したオフィスづくりをしていたという。

「全スペースの半分を執務スペース、もう一方をワイガヤスペースに分けてレイアウトを組んでいました。ワイガヤスペースはソファや畳スペース、カフェカウンターなどを配置して色々なタイプの人が集まれる場にしていました」

しかしせっかく構築したオフィスも新型コロナウイルスの発生で180度の方向転換を求められることとなる。

「緊急事態宣言の発令を機にテレワークを採り入れることにしたのです。それも収束までの一過性のものではなく、永続して完全テレワークとすると決めました。幸い当社はITを推奨する会社です。テレワーク移行へのインフラ整備などはスムーズにできました」

完全テレワークとすることでオフィスのあり方が議論になった。しかし変化せずに失敗するよりも、変化して失敗する方がいいと。そんな思いで面積を縮小してオフィス移転を行うという結論を出した。旧オフィスに大きな課題はなく、立地にも満足していたため、移転先は同じ神田駅近辺で探す。結果として60坪のオフィスを選択した。

働く場はどこでもいい。ただし会社として責任が持てる場でないとNGだと考えた

「働く場所がどこであってもできる仕事ってありますよね。しかし新商品や新プロジェクトのスタートといった『新しい』というキーワードが加わったときはリモートワークだけでは満足な成果が出ないと思っています」

完全テレワークという形態はコミュニケーションを否定するものではない。今まで通り、色々なアイデアを出し合って一つにまとめていくというやり方はこれまで以上に促進していく。

「物理的に接触をする場所は絶対的に必要です。それが喫茶店でもシェアオフィスでもいいのですが、最終的には代表である私が責任の持てる場所でなければいけないと思っていて。ソノリテにとって一番安全で一番業務効率のいい場所。さらに全社員共有の場所。それがオフィスなのです」

新オフィスのコンセプトは「遊び心」。それが会社全体のテーマでもある

同社の企業理念は「働き方をカラフルに」。多様を重視し、個の尊重を大切にする。その精神が根付いているからこそ完全テレワークという働き方に迷いなく決心できたと語る。そのため旧オフィスで配していたコミュニケーションを活性化させる仕組みづくりではなく、働く機能を考えたスペース構成とした。

オフィス

「集中ブースや応接スペース、執務スペースを中心にレイアウトを組み立てました。当社は新たな働き方を提案しているポジションにいますから、新オフィスでの生産性や満足度などのデータを蓄積させて、今後の提案に繋げていきたいと思っています」

そうしてコロナ禍を意識しながら「遊び心」を持ったオフィスを完成させた。

「手を触れずにオープンする扉、換気を考えたデザイン性のある壁、小分けに区切られたガラス張りの執務空間など、少し遊び心を加えながら感染対策を行っています。現在の出社率は10%程度ですね。全員分の執務デスクは用意せず予約制にしました。思い切りニューノーマルな環境にシフトしましたね。一般的にコロナ対策や緊急事態宣言の対応策としてテレワークを行っている会社も少なくありません。本来はそこから新たな働き方を生み出さなければいけないわけで。僕らのこの就業スタイルが成功事例として標準化されるといいですね。そこでようやく当社の存在意義が出てくるのだと思っています」

ニューノーマルな働き方を推進しながらワーカーの考えを尊重していく

今後も社員にとって働きやすい環境を整備していく。その結果、ソノリテらしい商品を生み出していければいいと語る。

「会社の経営を考えたときにベースにあるのは間違いなく『人』なんですよね。楽しく働きながら、プライベートな時間も充実してほしい。その中で生まれたものがソノリテブランドにつながると思っています。ニューノーマルな働き方を推進していく一方で、個々のワーカーの考えを尊重していく。その結果、ビジネススキルが高まっていければいいですね」

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