T-PLUS仙台

2023年9月取材

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※記載の内容については、現計画段階のものとなりますので、詳細は今後変更となる可能性があります。

独創的なデザインと先進機能で仙台中心部の賑わいを演出する

仙台駅西口から徒歩4分の好立地に大規模再開発「T-PLUS仙台」が竣工予定。ビル機能を充実させ、高い快適性を提供することによって、街の賑わいを創出させていく。今回の取材では、同ビルの開発の背景やコンセプト、ビルスペックを中心にお話を伺った。

勝野 真輝 氏

東京建物株式会社
商業事業部
事業推進グループ
課長代理

勝野 真輝 氏

加藤 恭輔 氏

東京建物株式会社
ビルエンジニアリング部
建設3グループ
主任

加藤 恭輔 氏

片山 賢将 氏

東京建物株式会社
ビル営業推進部
営業グループ
主任

片山 賢将 氏

東北エリアの玄関口として発展してきた杜の都・仙台

東北エリアのビジネス拠点「仙台」。人口100万人を超え、東北で唯一の政令指定都市である。仙台市を代表する大ターミナル「仙台」駅は、首都圏とのアクセスも容易で、東北の玄関口として優れた利便性を発揮してきた。特に北海道新幹線との直通運転も含めて、鉄道を使ったアクセスが充実している。

一方で都市機能を備えながら、市内を流れる「広瀬川」や仙台平野の丘陵群の一つ「青葉山」など、多くの自然が多いことも仙台市の魅力となっている。都心部のビジネス街の中にも、街路樹などの緑が多くあることから、「杜の都」の愛称を持つ。

 そんな仙台市では、2019年に「せんだい都心再構築プロジェクト」をスタートさせた。同プロジェクトは、震災復興の次なるステージを目指し、経済活動と交流の中心として仙台市都心部を再構築することを目的としている。

外観

外観

「せんだい都心再構築プロジェクト」を活用して
街の賑わいを創出させていく

2020年に仙台市は、「せんだい都心再構築プロジェクト」第2弾の実施を発表。「環境性や快適性などに優れたグリーンビルディングの整備促進」や「総合設計制度を拡充し、小規模ビルをまとめて建て替える場合や高機能オフィスの整備などにおいて容積率を大幅に緩和する」といった内容が新たに加えられた。

東京建物株式会社が事業主となる「T-PLUS仙台」は、「せんだい都心再構築プロジェクト」に基づいた総合設計制度を活用した案件となる。いくつかの認定条件をクリアすることで、容積率制限の緩和を可能にした。

「仙台市が取り組むプロジェクトを効果的に活用することで新たな街づくりに貢献できると考えました。そこで一体的な開発を目論み、3棟の小規模ビルを取得しました」(勝野氏)

同ビルは、大型商業施設や金融機関、ホテルなどが集積する仙台駅西口エリアの中心に位置する。その開発規模は、地下1階地上12階、高さ54.9m。仙台駅西口のペデストリアンデッキからもその外観の一部が確認できる。

「西口には、宮城産の食材を豊富に取り揃えた『仙台朝市』という常設市場があります。市民の台所として活気ある昔ながらの商店街です。当ビルは、そこに近接したエリアに立地しています」(片山氏)

T-PLUSブランドで快適なハイグレードビルを提供

同ビルの開発にあたっては、同社が促進する中規模オフィスビルシリーズ「T-PLUS(ティープラス)」のブランドコンセプトを踏襲している。そのコンセプトとは、「Technology(先端技術)を活用(Plus)し、お客様のご要望を合理的に満たしたFlexible(柔軟)でWellness(快適・健康)なオフィスを実現させる」というものだ。

「当ビルは今まで手掛けてきた『T-PLUSシリーズ』と比較して、かなりフロア面積が大きい物件となります。地域特性を検討し、過去のシリーズよりも高いBCP・機能を付加させ、新たなランドマークに相応しいビルづくりを目指しました。加えて、『杜の都・仙台』のイメージとも調和するよう外観デザインを計画しました。その結果、光をまとい、緑が寄り添う建物となったのです」(勝野氏)

ファサードは雁行した独創的な形状に50m超の緑の壁を配置した。それにより自然の優しさを感じさせ、街や人にうるおいをもたらすと考えたという。

「『T-PLUSシリーズ』としてのコンセプトを引き継ぎながら、仙台駅前の杜の都としてのランドマーク性を持たせるため、壁面緑化・屋上テラスに加え、外構には総合設計制度による公開空地を整備し、緑豊かな外構計画とすることで積極的に緑木化の検討を進めました。

また、外装を雁行させ分節することによって周辺環境に与える圧迫感をより低減し、リズミカルな外装計画とすることで、街を歩く人にとっても親しみやすい建物となるように計画をしています。こうして自然の優しさを感じられ、街や人に潤いをもたらす計画を立案しました。立地×視認性の組み合わせは、当ビルの大きなポイントとなります。『駅から緑が見えるビル』として多くの方々に認知されるようになれば嬉しいですね」(加藤氏)

西口駅前からの景観

西口駅前からの景観

外構・1階店舗

外構・1階店舗

それでは各フロアのポイントを説明していこう。

地下1階には機械式駐車場を設置する。駅前の立地ではあるが、営業手段としての利用頻度を考えて55台分の車両を収容する。自転車やバイク置き場は1階に。ワーカーの多様な通勤形態に対応していく。

1階がエントランスとなる。入口からエレベーターホールに続く通路はオリジナリティ溢れる照明計画と植栽で来訪者を出迎える。同フロア内には約120坪の店舗用スペースを確保し、賑わいを創出する。エレベーターは4基。コロナ禍での経験を活かして非接触ボタンを採用。感染予防対策を継続していく。

エントランス

エントランス

2階~12階がオフィスエリアとなる。1フロア面積は約246坪。用途に応じて最大4分割が可能で企業の成長に寄り添っていく。

「最小約39坪からの使用ができ、多様なテナントニーズに応えていきます。各階の窓際には、従来貸室として使いにくい柱裏をより効率的・機能的に活用し、雁行形状を活かしたインナーバルコニーを設けています。フロア全面に広がる窓面で自然光を取り入れ、中間期には自然換気窓から心地良い風を取り込める設計としました。床面は木調の仕上げに切り換えることによりリフレッシュスペースとして、テナント様へはこれまでの画一的なオフィス空間ではなく、新たなオフィス環境を提供できると期待しています」(加藤氏)

基準階平面図

基準階平面図

インナーバルコニー

インナーバルコニー

各階の共用部にはリフレッシュコーナーと備蓄倉庫を備えた。

「リフレッシュコーナーは給湯機能も使えるスペースとなります。また、大便器ブースの間仕切りは変更することが可能で、男女比率を変更できるトイレを採用しています。そして各フロアには『だれでもトイレ』を設け、多様なニーズに応えます」(片山氏)

そして、屋上にはテラスが設けられた。

「入居テナントの皆様のための専用スペースとして構築しました。植栽やベンチを備えていますので、眺望を楽しみながらリフレッシュやコミュニケーションの場として使用できます。このビルで働く方々に更なる快適性を提供します」(加藤氏)

屋上テラス

屋上テラス

環境性能やBCPを高めることで企業価値の向上をサポートする

次に、環境性能とBCPについて紹介していこう。

「建物全体の緑化などにより、50%以上の一次エネルギー消費削減を達成します。また、換気や除菌、非接触化といった感染予防対策などで、建物環境総合性能評価システム『CASBEE』において、『CASBEE-建築(新築)』や『CASBEE-ウェルネスオフィス』の最高評価であるSランクを取得予定です」(加藤氏)

そのほか、建築物省エネルギー性能表示制度(BELLS)の最高評価★5ランク、「ZEB Ready」認証の取得も予定しており、優れた環境性能で入居企業をサポートする。

「一般的に中規模クラスのオフィスビルの場合、『ZEB Ready』の取得はハードルが高いものです。当ビルでは、環境性能を充実させることで、入居するテナント企業の皆様にとって大きな価値に変わると考えています」(加藤氏)

BCPの面でも、安心・安全を提供していく。

「多くの問い合わせをいただいていますが、その中でもBCP機能への関心が高くなっています。災害対応に関しては、官公施設を対象にした耐震基準の1.5倍の耐震性能や非常用発電機の設置等を採用しています。また、各階の防災備蓄倉庫のほかに、地下1階にも帰宅困難者用の防災備蓄倉庫を設置しています」(勝野氏)

電力供給に関しては、2回線受電方式を取り入れる。

「それぞれ異なる変電所から、本線と予備電源線の2回線で電力を引き込みます。たとえ災害時などで本線が止まった場合でも、自動的に予備電源線に切り替わるため業務に支障が出ることはありません。仮に災害などによって全ての回線がストップしてしまった場合でも、非常用発電機によって電源の供給をします。その場合、専有部でも最大72時間にわたって15VA/㎡の非常用電源が供給可能です」(加藤氏)

新たなランドマークの誕生で街の賑わいに寄与していく

同社のWebサイトでは、「Human Building いつも、真ん中に人。」というキャッチコピーが掲げられている。オフィスビルに求める価値は、機能性や利便性だけではない。ビルの竣工後も街に活力をもたらし、働く人の快適性も大事にしていく、といった思いを言葉にしたものだ。今回の開発でも同様に「人」「街」がベースにある。

「公開空地を含めた1階店舗の賑わいの創出に加え、オフィスフロアでも1,000人以上の雇用を創出することが期待できます。そして、植栽などを使った開放的な都市計画を行うことで、街のさらなる活性化につなげていきたいと思っています」(加藤氏)

仙台市が精力的に主導する街づくりを、同社も賛同して続けていく方針だ。

「仙台という土地でオフィスビル運営をスタートさせてから、15年近くが経過しようとしており、仙台・青葉まつりの一大イベント『夏まつり仙台すずめ踊り』にも協賛しています。今後も、仙台市とともに多面的に街づくりをサポートしていきます」(勝野氏)

「アフターコロナを迎え、出社率も徐々に上昇傾向にあるため、ワーカーの働き方をサポートできるオフィスビルの存在はとても意義があると思っています」(片山氏)

※開発中のため掲載の内容及び仕様設備等は、今後変更となる可能性があります

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