開発最前線

~大型再開発の魅力を探る~

虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー 前編

2018年11月取材

※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。

グローバルビジネスセンター形成に向けて再開発が加速する

森ビル株式会社は虎ノ門エリアを「国際新都心・グローバルビジネスセンター」にすべく、その起爆剤として2014年に「虎ノ門ヒルズ 森タワー」を竣工させた。現在、その隣地において、虎ノ門ヒルズを拡大・進化させるかたちで、新たに3棟のプロジェクトが進行している。全4棟の完成をもって、同社が目指す新たな「街」が形成される。今回、エリア全体の開発コンセプト、街づくりの方針についてお話を伺った。


北村 俊裕氏

森ビル株式会社
都市開発本部
開発事業部 開発2部
チームリーダー

村田 康明 氏

北村 俊裕氏

森ビル株式会社
営業本部
営業推進部 企画グループ
チームリーダー

稲原 攝雄 氏

磁力ある街の形成は東京の国際競争力を高めるということ

国際都市東京の新ランドマーク

エリア全体 完成予想パース

森ビルが設立した一般財団法人森記念財団は、2018年10月に「Global Power City Index 2018(世界の都市総合力ランキング)」を発表した。同調査は、「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野のスコアを複眼的に評価し、都市の「総合力」をランキング形式でまとめたものだ。

調査対象は世界中の44都市。今年の上位ランキングはロンドン、ニューヨーク、東京で昨年と順位に変化はなかった。同レポートでは、「国際的な都市間競争において人や企業を惹きつける『磁力』はその都市が有する総合的な力によって生み出される」という考えに基づいて作成されている。

「魅力的な都市空間の実現を目指すためにグローバル規模で都市づくりの実態を調べる必要があると感じています」(稲原 攝雄氏)

同社は東京全体の国際競争力を高めることが、日本に貢献することであり、日本を超えて多くの都市に貢献することだと考えている。

「六本木・虎ノ門・丸の内・渋谷など、それぞれの街に特色と魅力があることで、グローバル企業は東京で拠点を構える際の選択肢が増え、結果として、東京全体の魅力が高まっていくと考えています」(稲原氏)

複合的な再開発事業で「街」を創出してきた

同社は港区を中心に大規模再開発を行ってきた。複合的な再開発事業では1986年に行った「アークヒルズ」が最初となる。これは民間企業による日本初の大規模再開発事業であり、今後同社によって展開される「ヒルズ」の原点となっている。その後、代表的なエリアの再開発では「六本木ヒルズ」、「虎ノ門ヒルズ」などが続く。

「共通しているのは複合開発ということです。オフィスだけでなく住居や店舗、ホテル、文化施設などの機能を組み合わせてきました」(村田 康明氏)

「アークヒルズ」は24時間都市として、オフィスや住宅といったさまざまな用途を複合化させることを意識した。2003年竣工の「六本木ヒルズ」では「文化」を街のコンセプトにして、用途の複合化に加えて、「文化」を軸にさまざまな要素を組み合わせたのが特徴である。

「レジデンス棟の下層部にはブランドショップや食文化を象徴するハイレベルな飲食店を設けています。メインタワーとなる『六本木ヒルズ森タワー』の最上階には美術館や展望台、文化施設といった違う機能をミックスさせ、今までにない発見や刺激を提供しています」(村田氏)

2014年に竣工した「虎ノ門ヒルズ 森タワー」は、官民連携で誕生した画期的なプロジェクトである。立体道路制度を活用して道路の上にビルや街を創る計画も竣工当時に注目を集めた。タワー内には1フロア面積1,036坪のオフィスに加えて、カンファレンス、住宅、店舗、ホテル等からなる複合施設となっている。

「ビジネス空間と住居の融合。おそらく海外企業の方が日本への赴任が決定した場合、家族も一緒に来るケースがほとんどです。家族が見知らぬ土地でコミュニティもないまま日常生活を過ごすのでは安心して仕事ができませんし、レジデンス内で家族同士の交流があると心強いと思います。そんな将来のありえる姿を想像して住居をはじめとする生活に必要な都市機能もビジネスに付随する重要なものだと考えたのです」(村田氏)

さまざまな要素が重なって複合的な大規模再開発となった

その虎ノ門エリアをさらに拡大・進化させる大規模開発を新たに3棟発表したのは「虎ノ門ヒルズ 森タワー」竣工の約2年後の2016年4月。「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」、「(仮称)虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」、「(仮称)虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」の3棟を開発し、「国際新都心・グローバルビジネスセンター」を形成する。

いずれのプロジェクトも、同社が過去に開発したいわゆる「ナンバービル」を含む再々開発であり、東京五輪の開催決定、東京メトロ日比谷線新駅の構想、国家戦略特区制度の新設など、さまざまな要素が追い風となり、地元において新たなまちづくりの機運が急速に高まったという。

「虎ノ門は官庁街にも近く、大使館も多く立地しています。日系、外資を問わず多種多様な企業も集積し、高いポテンシャルを持つエリアですが、老朽化したビルも多く、機能更新が求められていました。そのため、弊社のナンバービルを含め、築年数が経過したオフィスビルなどを一体的に再開発することで、エリアの磁力を一気に高めようと考えました」(村田氏)

「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」は2015年夏に都市計画が決定、2016年1月に再開発組合を設立、2017年2月に着工した。竣工予定は2019年12月。敷地面積は約10,100㎡、建物高さ約185m、地上36階、地下3階、塔屋3階建の規模となる。1階にバスターミナルを配し、地下1階から地上3階までは商業施設、4階にイノベーションセンター、5階から36階がオフィスフロアとなる予定だ。

「この事業により、東京メトロ銀座線虎ノ門駅と日比谷線虎ノ門ヒルズ駅を結ぶ地下歩行者通路や虎ノ門ヒルズと繋がる歩行者デッキが併せて整備されます。周辺の開発と連携した歩行者ネットワークが強化されることで、街の利便性が飛躍的に高まるものと考えています」(村田氏)

「バスターミナルには、東京都が計画するBRT(バス高速輸送システム)が乗り入れ、臨海部と結ばれる計画です。環状二号線の全面開通によって車でのアクセス性がかなり向上することが見込まれ、空港リムジンバスの乗り入れも実現すれば、羽田空港までの移動もスムーズとなるでしょう。東京の玄関口となり得るポテンシャルを備えていますね」(稲原氏)

「商業施設は約6,300㎡の大空間になる予定です。売り場には高品質の食品スーパーや大型飲食施設を備え、このエリアの賑わいをサポートします。もともと虎ノ門エリアに生活機能をもっと増やしたいと思っていましたので、それらの施設を加えることで街の機能性が一段と高まることは間違いありません」(村田氏)

1階外構部分

バスターミナル

 
 
 

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