創業者インタビュー

Vol.8 株式会社CREETE 代表取締役 小越 干富美氏

2019.3.8

「人と仕組み」を育み、コンパクトな大学内アウトソーシングを目指す

2019年1月取材

大学内の事務業務全般のアウトソーシングを目的に起業した株式会社CREETE。起業にあたり大学業務を熟知したスタッフを確保。お客様からの細部な要望に応えていくという。今回の取材では、起業に対する思いや起業を後押ししたこと、今後の展開などをお聞きした。


株式会社tsukumo 代表取締役 金子 隆耶氏

株式会社CREETE
代表取締役 小越 干富美氏


大学卒業後、大手総合人材会社に入社。8年前から大学業務のアウトソーシングを担当する。奨学金制度を中心に学生を対象にしたさまざまな業務を経験。より学生に向き合った対応をしたいとの思いから、2018年10月に株式会社CREETE を設立した。現在、奨学金業務の受託運営・コンサルティングを中心に大学内BPOの受託運営、リカレント教育の企画・運営などのサービスを提供している。


お客様からの細部な要望に応えるために最適な大学内アウトソーシングを目指す

株式会社CREETEの代表である小越氏は、以前勤めていた大手総合人材会社でも同様の業務を担当していた。そこでの経験が起業の原点になっているという。

「もう少し別の角度から大学内の事務業務に携われないかを模索していました。というのも大学の事務業務を長い期間にわたって担当していると、次第にお客様からの要望が細分化してくる傾向がありまして。その結果、専門性が高く、かつ案件が小規模すぎてしまうため、せっかくご依頼をいただいてもお受けできないことが多々あったのです」

加えて大学内の業務は、学生をはじめ、保護者、教員、職員など、「人」との連携が不可欠となる。中でも学生課の職員は学生と接する場面が非常に多く、相談役としての一面も持たなければならないと語る。

「前職時代に、学生の3人に1人が貸与型奨学金制度を活用していたこと、卒業後はその金額が自分の借金となって返済が求められること、などを知りました。そして中には経済的理由で学業に励むことが困難となり辞めていく学生がいることも。奨学金の申請には、守らなければならないルールがあるのですが、学生が理解するにはとても難しく、深い知識を持った担当者が理解しやすく伝える必要性を感じていました。しかし学生課の職員もかなりの業務をこなさなければならず、奨学金業務だけに時間を割くことはとても困難ということも理解しているつもりです。そこで個々の学生の状況にあったアドバイスが行えるようになったら、大学を辞めていく学生を無くせるのではないか、奨学金を借りるだけではなく、もっと違う仕組みをつくることで学生支援ができないか。そのためにまずは大学業務に特化したアウトソーシングを目指そうと思ったことが、起業を意識した最初のきっかけです」

たくさんの方々の想いに応えるために自分で会社をつくろうと決意した

業務を続けながらも、この先に自分が進むべき道について苦慮していた。その時点では同業者への転職という方向も念頭にあったという。

「ちょうどそのころ、業務を受けていた大学の担当者から、『私たちは細かい要望に応えてくれる小越さんだから業務を託しているんです』と有難いお言葉をいただきました。私は一人ではない。そんな安堵感もあり起業を決意しました。不安は何もなかったですね」

以前の会社を辞めていったスタッフとは、定期的に連絡を取り合っていた。

「今回、起業の相談をした時に一緒に働きたいといってくれて。心強かったですね。この時の喜びは今でも自分自身を奮起するための材料となっています」

そこから会社設立に向けて本格的な準備を行う。会社登記、関係各庁への届け出、金融機関への連絡、印刷物の手配、そしてオフィス探しなど。全てが初めての経験だった。

「当社のビジネスモデルは大学内での常駐となります。そのためオフィスの有無はさほど重要とは考えておらず自宅兼オフィスという選択肢もありました。しかしきちんとオフィスを設けたほうが大学からの信頼が高くなるとのアドバイスがありオフィス探しを行ったのです。縁あって、現在は東京都・港区虎ノ門のビルに入居しているデザイン会社の一部を使わせていただいています。もともと大学関係のパンフレットなども手掛けている会社ですので、今後は大学の広報業務のアウトソーシングといったメニューも増えるかもしれませんね」

サービスメニューのテーマは「人の成長」。だからこそ「リカレント教育」を提供していく

大学内の業務をアウトソーシングするということは、大学特有の業務を熟知している必要がある。また、小規模の業務を外部で管理することになれば、コスト削減ができないばかりか、運用ルールが不完全になり非効率となることも考えられる。そこで大学職員が行うさまざまな業務の負荷を軽減させることで、大学内業務を効率的に運用する仕組みを提案している。結果として学生の方々が学業に打ち込める環境づくりへと繋げる役割を果たす。

「とはいえ大学の事務作業だけのアウトソーシングだけを行おうとは思っていません。当社のサービスメニューのテーマは「人の成長」。成長を考えた中で、今後最も力を入れていきたい事業が『リカレント教育の企画・運営』です」

社会人になってから、今の自分にとって本当に必要な知識を学んでいなかったことに気づくことがよくあった。自身の周りでもそのような方々が多く存在する。社会人の方に、本当に必要なことを学びなおす機会を提供したかったと語る。

「現在、学生向けの講義内容とは全く違うテーマで、それも資格取得が目的ではなく「やりたいことを実現するための講座を開講できないか」と、お客様である大学の方々と一緒に思案中です。今後は、派遣業免許も取得して、サービス内容を拡充していきたいと思っています。また、現在要望の最も高い『奨学金業務』ですが、いずれはより専門化させ、奨学金スーパーバイザーなどの社内資格制度をつくり、さらに社員の意欲を高めていきたいですね」

※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。