Vol.6 働き方改革で目指すべきオフィス~イノベーションを生み出す空間やレイアウトとは?

働き方改革で目指すべきオフィス
~イノベーションを生み出す空間やレイアウトとは?

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オフィスは、働き方を変えるうえで重要な役割を担っている

前回の記事「働き方改革は、オフィス改革である。そのココロは?」で言及した通り、働き方改革においてオフィスが担う役割は非常に大きなものがあります。例えば会議一つとっても、ブレインストーミングがしやすい工夫を凝らした場があれば、どんどん色々な視点からのアイデアが生まれることでしょう。今日、課題と思っていたことを「すぐに相談してみよう」「サクッとミーティングしよう」という発想が自然に浮かぶようなレイアウトであれば、効率良く作業が進むに違いありません。

単純に「労働時間を削ろう」「残業をなくそう」という発想ではなく、毎日がワクワクでき、どんどん新しいことにチャレンジしていける企業風土に変えていく、これこそが働き方改革の目指すべきところではないでしょうか。欧米では「社員満足度が高い会社は利益成長が高い」といわれています。ワクワクできる環境が最終的に会社の成長につながり、皆がハッピーな環境が作られるというわけなのです。

人との交流が増えればOKというわけではない

働き方改革のためリモートワークや直行直帰を推奨した結果、優秀な人ほど会社に来なくなったという悩みを抱える企業は少なくありません。ただ、人は元来「関係欲求」を持っており、重要な人との関係を良好に保ちたいと考えるものです。やはり「オフィスに集う」ということには必然性があるのでしょう。

こうした問題を解決するため、外資系企業などでよく行われているのがファミリーパーティーや食事会です。これらは社員の交流を増やすという目的で行われ、優秀な方のノウハウを学習したり、質問をしたり、コミュニケーションのきっかけづくりとしても機能しています。

とはいえ、コミュニケーションに主眼が置かれがちな働き方改革ですが、1日中コミュニケーションをとっていても疲れてしまうのが現状です。皆が集まるオフィスだからといって「社内に集中できる場所がないからカフェに行く」「アポイントの電話をかけまくりたいけれど、周囲が静かに仕事をしているため非常階段でかけている」といった悩みを持つ方は一定数おり、独特の"やりづらさ"や効率低下を招いてしまいます。

こうした問題を解決するためのオフィスの要素として押さえておきたいのが「ワークシーン」です。

4つのワークシーンでオフィスを「創る」

ワークシーンとは、働いているときにどんなシーンがあるかということ。
大きく下記の4種類に分けることができます。

  1. 集中
  2. 協働
  3. 交流
  4. 学習

1の「集中」は、資料を作ったり電話をかけたりと、一人で進める作業に没頭できる空間です。それ以外の3つはどれも、人と行うもの。2の「協働」は力を合わせて共に働くこと、3の「交流」は雑談をしたり顔を合わせたりといったコミュニケーション。そして4の「学習」は、eラーニングのように一人で進めるものを除けば、ベテラン社員から知識を継承したり彼らの働き方から見て学んだりと、人との接点から生まれます。イノベーションを起こすには、まずは人と人の「衝突回数」を増やすことが重要となるのです。

フェイス・トゥ・フェイスで社内の誰かと時間を決めて打ち合わせをするという行動は、相手の人となりや業務範囲をよく知っている場合がほとんどです。フォーマルなコミュニケーションですね。一方で、廊下や休憩所で偶発的に会った中で会話が生まれ、仕事にプラスとなったという場面は計算通りにできるわけではありません。「そういえばさ......」という会話のきっかけを作る、それが衝突回数を増やすということなのです。

衝突回数を増やすために有効なアイデアの一つが「マグネットスペース」です。それは磁石が引き寄せ合うように従業員を引き寄せるスペースのことで、大幅なレイアウト変更を伴わずとも比較的容易に作ることができます。オフィスアメニティや文具といった定番アイテムの置き場にするほか、掲示板を置いてさまざまな告知をするのも良いでしょう。従業員が立ち止まる「宿り木」的な空間がいいのか、部署を越えて社員同士が会話をする空間を目指すのか。自社に合った空間について、一度アイデアを出しあってみてはいかがでしょうか。

働き方改革は、オフィス改革。次回も、

  • 便利なはずなのに......よくあるオフィス改革はなぜ失敗したか
  • 現在注目されている次世代型オフィス
  • これからブームがきそうなオフィス

などについて、ご紹介していきます。ぜひ、ご一読ください。

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