ABWなど最近注目のオフィスのあり方と、オフィス改革の失敗例
今時オフィスのキーワード「アジャイル・オフィス」と「ABW」
前回の記事では、働き方改革を意識したオフィスの考え方と、それを形にするためのワークシーンを4つに分けて考えました。今回は最近のトレンドに加え、残念ながらうまくいかなかったケースの理由を探ってみます。
オフィス改革で今、ホットなキーワードとなっているのは「アジャイル・オフィス」というもの。KDDIや日本IBMが取り入れたことでも話題になりました。チームや部署を越えたところでナレッジを共有し、新たなイノベーションを生み出す。あえてオープンな場にすることでさまざまな人からのアドバイスを可能にする。こうした環境を整備したオフィスです。国内外を忙しく飛び回る従業員が多いグローバル企業では、こうしたアジャイル・オフィス化に加えて電子決済を導入し、業務を効率的に回せる工夫をしています。
もうすっかり浸透しているキーワードに「ABW」もあります。これは「Activity Based Working」の略で、働く場所をワーカーが選択できるオフィスのこと。ちょっとした相談事ならスタンディングのMTGスペースで、一人で作業に没頭したいときは集中スペースで、といった具合に多様な作業スペースが設けられているオフィスがだんだん増えてきました。このコラムをご覧になって、「あれがABWというスタイルだったのか...!」と思い当たる方も多いかもしれません。
オフィス改革の"失敗あるある"
お金と手間、時間をかけてオフィス改革を行うわけですから、失敗は避けたいもの。
ここではうまくいかなかった例を紹介しましょう。
まず一つは「フリーアドレス」の失敗例です。もちろん上手く稼働している企業も多いのですが、企業によっては当初の計画通りにいかなかったという例も少なくありません。例えばマネージャーがいつも同じ席に座っているとそこが縄張りになってしまいます。「なんで近くに来ないんだ」なんて会話がなされたら、そこに集まるしかない。フリーアドレスの目的の一つには部署を越えたコミュニケーションの活性化というのもありますので、これでは本来のあるべきフリーアドレスの姿とはいえなくなってしまいます。
フリーアドレスの導入を検討するなら、いきなり全社的に変えてしまうのではなく、いったんはパイロット版として限られた部署で運用してみるのもいいかもしれません。現在、部署内で席を選べるグループアドレスを導入する企業も増えているようです。
その他、「カフェスペースやコミュニティスペースをつくったのに限られた人しか使っていない」「ラグジュアリーなラウンジをつくったけど、費用対効果があるのかどうか......」など、オフィス改革の失敗というよりは、効果がうやむやになっているケースが非常に多いといえます。
「プライベートのときにワクワクするものは?」でオフィスを考える
自社の企業風土にぴったりのオフィスとは、どのようなものだろう。それを考えたとき、ぜひ一度お試しいただきたいのが、従業員の方々に「一番ワクワクすることって何?」と考えていただくことです。高い価値を感じるものは何か、それがオフィスに必要なことのヒントになると思います。
ただ、人の価値観は実に多様です。選択肢が多くなりすぎると方向性が定まらず、何が一番効果的なことなのかの判断も難しくなります。三幸エステートでは豊富な事例や専門知識をベースに、それぞれの企業が本当の意味で働き方改革を推進するために効果的なオフィスのコンサルティングをしています。従業員の方がイキイキと、生産性の高い仕事をするためのオフィスづくりを、ぜひ一緒に目指してみませんか。
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