進化を続けるファシリティマネジメントについて考える
ファシリティマネジメントが日本に紹介されて約30年。「ヒト・モノ・カネ・情報」に次ぐ、第5の経営資源として「ファシリティ」の最適化が求められてきました。しかし、まだしっかりと理解していない方も多くいらっしゃいますので、今回はファシリティマネジメント初級編として解説していきます。
ファシリティマネジメントと施設管理はどう違うのか?
「ファシリティマネジメント」を単純に「施設管理」と直訳してしまうと、その意味を正しく捉えることはできません。公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)によれば、ファシリティマネジメントを「企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」と定義しています。つまり端的に説明するならば、ファシリティを通じた経営活動といえます。以下に、従来の「組織管理」との違いをまとめてみました。
施設管理とファシリティマネジメントの違い
施設管理 | ファシリティマネジメント | |
目的 | 建物を現状のまま維持・保全する | 施設の有効活用や維持管理費の適正化、健康経営や組織間のシナジー向上、省エネ化、利便性・生産性向上など、施設のより良いあり方を総合的に統括し、最適化する |
対象 | 今ある施設 | これから利用するものも含めた施設、施設内の設備、機器、利用する人、環境など |
マネジメントの性質 | 現場のマネジメント | 経営戦略的なマネジメント |
管理する部門 | 現場担当者 | 専門の部門が横断的に関わる |
ファシリティマネジメントの効果
ファシリティマネジメントを導入することで、さまざまな効果が期待できます。目指すゴールは企業によって異なりますが、その一部をご紹介しましょう。
ファシリティを有効活する
経営において最適なファシリティのあり方を追求することで施設や機器の余剰・不足をなくし経営資源を有効に利用する。
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建物の価値を向上させる
メンテナンスを適切に行うことで建物の価値を向上させ、仮に売却を行う際も有利な交渉を行えるようにする。
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経営効率を向上させる
ファシリティにかかるコストを適正にし、経営効率の向上を目指す
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環境保全に貢献する
効率的なファシリティマネジメントを行うことで省エネ化をはかり、環境保全に貢献する。
生産性向上や環境保全は個人の努力目標とされていることも多いものの、本質のファシリティに非効率な部分が多ければ、せっかくの努力も水の泡。ファシリティマネジメントの観点からグループ間のシナジーが創出できるようにしたり、健康経営を実現したりと、会社全体で取り組みを行うことで生まれる効果ははかりしれません。三幸エステートでは、ファシリティマネジメントを活用したワークプレイスコンサルティングを行っています。ぜひ、お気軽にご相談ください。
次回は、次の5つの経営課題「「人口減少化」「グローバル化」「ICTの進化」「地球環境保全」「災害に対する強靭化」とファシリティマネジメントの関連、必要性を明らかにしていきます。
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