【2015年4月23日開催】オフィス移転セミナー Vol.5

オフィス移転セミナー Vol.5

2015年4月23日、弊社とウチダシステムズ社の共催により、トラストシティカンファレンス・丸の内にて「オフィス移転セミナーVol.5」を開催いたしました。

不動産アナリスト、オフィス移転専門コンサルタント、弁護士といった各分野におけるスペシャリストが登壇。具体的かつ最新の事例を交えながらオフィス移転に対するノウハウをお話しました。

2015年4月23日 会場の様子

プログラム1
賃貸オフィス市場の動向と展望

今関 豊和

三幸エステート株式会社
チーフアナリスト

今関 豊和

三幸エステート株式会社チーフアナリスト今関豊和による「賃貸オフィス市場の動向と展望」をテーマとした講演からスタートしました。三幸エステートが集計・発行を行っている「オフィスマーケット東京」「オフィスレントデータ」を参考資料として配布。ここ数年間における東京都心5区の大規模オフィスビルの空室率、賃料の推移を実際の集計データを提示しながら、その傾向を解説いたしました。空室率が4%切っている、その要因は、既存ビルにおけるテナントの内部増床、あるいは移転拡張などの需要の伸びが顕著となっていると主張。背景として経済状況の好転による各企業の業務拡大があると説明いたしました。その一方、新築ビルについては消化のペースが落ちており、今後も要警戒といった状況であるとの考えを示しました。
さらに賃料の推移についても、グラフを見せながら解説。なかなか上昇しない理由について、マーケットの中で競争力がある新築ビルが空室を持ち、既存ビルが賃料を上げにくくなっているとコメント。大きなジャンプはないものの対前年同月比では賃料が高い水準にあると指摘しました。そして最後に、それらの現状を踏まえ、三幸エステートが集計したデータを元に、ニッセイ基礎研究所が今後の労働者や景気動向予想を加味したうえで見立てた空室率と賃料の将来予測を発表。借り手、貸し手の双方が留意すべきポイントを解説しました。

プログラム2
効果的オフィス移転計画の進め方

堀内 秀訓氏

株式会社ウチダシステムズ
eリロケーショングループ長

堀内 秀訓氏

続いて登壇したのは、株式会社ウチダシステムズeリロケーショングループ長である堀内秀訓氏です。「効果的オフィス移転計画の進め方」といったテーマで講演を行いました。ウチダシステムズeリロケーショングループは内田洋行グループにおけるオフィス移転の専門部隊。スペシャリストならではのノウハウを、自社オフィス移転における具体的エピソードを交えながら解説いたしました。
オフィス移転に最も重要な要素はコストの適正化、およびワーカーの生産性向上であると定義。オフィス移転を、立地戦略やコスト、およびレイアウトシミュレーションをたてる「フィジビリティスタディ」コストやスケジュールなどを含むプロジェクト管理、そして設計、工事の4フェーズに分類し、中でも最もウエイトの高い「フィジビリティスタディ」とプロジェクト管理について詳細を述べ、それぞれのフェーズにおけるイニシャルコストセービング法について述べました。
さらに株式会社ウチダシステムズが提供するサービスメニューの概要を紹介。自社開発したソフトウェアである移転計画に活用できる「プロジェクトマネジメントツール」の利点や操作方法などを説明し、そして移転前後における社員アンケート配布収集に便利な「WEBアンケートシステム」についても解説。締めくくりは、ウチダシステムズが提供するオフィスソリューションを随所に配したライブショールームについて紹介。見学ツアーについての案内を付け加えました。

プログラム3
移転で陥りやすいトラブル事例

長田誠司氏

弁護士法人ポート法律事務所
弁護士

長田誠司氏

最後に、弁護士法人ポート法律事務所に所属する弁護士である長田誠司氏が登壇しました。「移転で陥りやすいトラブル事例」をテーマに、賃貸借契約におけるチェックポイントについて解説。トラブルが起こりやすいのが、タイムスケジュールの問題であると指摘しました。事務所の場合は、解約予告期間の間に原状回復工事を行う必要があるため、その期間を残して現オフィスを退去する必要があり、かつその時点で新オフィスの内装工事が完了している必要があります。そのため新オフィス契約の成約時期と、旧オフィスの解約申し入れのタイミングに注意しなければ、契約キャンセルでトラブルに陥る危険性があると唱えました。
トラブルを回避するために重要なこととして、現オフィス契約の重要チェックポイントを解説。中途解約や更新拒絶など、契約終了に関する条項のチェック、原状回復事項のチェック、そして敷金の返還時期、額のチェックの必要性を述べました。続いて、新しいオフィスを契約する上でのチェックポイントについて説明。定期借家契約か普通借家契約なのかを明確に区別することや、金額が明示されていない費用のチェック、修繕義務・原状回復の範囲のチェックの必要性について論じました。
最後に、オフィス契約上のトラブル回避術について説明。書面化の重要性や具体的使用目的を共有、具体的内装の早期検討、内見時のポイントについての解説を行いました。そして、物件や賃料について検討することはもちろん重要ではあるが、それだけでなく契約内容についても意識の中に留めることで無用なトラブル回避に繋がると締めくくりました。