株式会社アイ・エス・ビー

2025年6月取材

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※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。

「永続する企業を目指して」交流を深め、革新を創造するオフィス

車載・医療・モバイル等の組み込みソフトウェアの開発から、クラウド等のインフラ構築、データセンターサービスまで、IT分野における幅広いサービスを提供し続けている株式会社アイ・エス・ビー。今回、コミュニケーションの活性化を主な目的に関東4拠点の移転・統合を実施。オフィス移転に至った経緯や新オフィスに込めた想いをお聞きした。なお、本案件は三幸エステートが提供する「オフィス総合コンサルティングサービス」を活用した事例となる。

森 博孝 氏

株式会社アイ・エス・ビー
管理本部
総務部長 兼 総務課長

森 博孝 氏

大槻 遼平 氏

株式会社アイ・エス・ビー
管理本部 総務部 総務課
主任

大槻 遼平 氏

澤田 幸稀 氏

株式会社アイ・エス・ビー
管理本部 総務部 総務課

澤田 幸稀 氏

山口 堅二

三幸エステート株式会社
第四営業部

山口 堅二

稲川 あい

三幸エステート株式会社
ワークプレイスコンサルティング室


稲川 あい

牧野 功幸

三幸エステート株式会社
プロジェクトマネジメント部

牧野 功幸

Contents

  1. 複数拠点、お客様先への常駐、コロナ禍...。「コミュニケーションの課題解決」は急務だった
  2. 調査で改めて浮き彫りになった、みんなが感じていたコミュニケーション不足
  3. 環境が変わる不安の中、目指したのはそれでも「来たくなる」オフィス
  4. 明るさと落ち着きの両面を兼ね備えた「交流」のための空間づくり
  5. テレワークを選択できる環境だからこそ、「オフィスでどう過ごすか」がより重要に

エントランスの回路デザイン

エントランスの回路デザイン

複数拠点、お客様先への常駐、コロナ禍...
「コミュニケーションの課題解決」は急務だった

株式会社アイ・エス・ビーは、19706月に株式会社インフォメイション・サービス・ビューロー(Information Service Bureau)として創立。コンピュータ運用管理事業の開始後、程なくしてソフトウェア開発・受託事業を開始した。1986年に社名の頭文字を取り、現在の株式会社アイ・エス・ビー(ISB)と改めた。2015年に東証一部へ株式を上場。サービス提供先はエレクトロニクスメーカー各社から官公庁まで、多岐にわたる。

同社の旧本社は、JR・都営地下鉄・私鉄「五反田」駅から徒歩3分のオフィスビルに約30年入居していた。13階、56階、89階、地下1階の計8フロア、約600坪を使用。その他、移転候補には、新横浜(4フロア約900坪)・我孫子(2フロア約150坪)・五反田分室(1フロア約50坪)の3拠点があった。

「移転前から拠点間の技術ノウハウの共有や連携が不十分で、プロジェクトに応じてお客様先に常駐する従業員が多いこともあり、部署内ですらコミュニケーションが取りづらいことが課題でした。組織変更による人員の入れ替えなどで、新たな交流の創出にも期待しましたが結果が出ない状況が続いていました」(森氏)

以前は月に一度業務報告の部会もあったがコロナ禍の影響でなくなり、コミュニケーションを取る機会はさらに減ったという。

「メンバーとの相談や雑談など、対面でのコミュニケーションが取れない環境が従業員にとってストレスになっていると感じ始めていました」(澤田氏)

調査で改めて浮き彫りになった
みんなが感じていたコミュニケーション不足

そこで、過去のオフィス仲介実績を踏まえて三幸エステート 第四営業部の山口堅二に意見を仰ぎ、オフィス計画策定のための現状調査を決定。調査を担当したのはワークプレイスコンサルティング室の稲川あいだ。

「本社を含む4拠点を対象に、インタビューや部署長アンケート、会議室利用度、収納量など複数の調査を実施。改装、移転を含めさまざまなシナリオを検証しました」(稲川)

「トップインタビューやアンケートでも『コミュニケーション不足の解消は先駆けて取り組むべき課題だ』というコメントがあり、全社的な課題として共通認識を持てたことは大きな収穫でした。当時は中期経営計画策定の中で、『「永続する企業」へ Drive change to thrive』というキーワードを掲げ、中長期的に売上規模を500億円、1,000億円と伸ばすには、今こそ変革が必要だという大きな方針が作られていた頃でした」(森氏)

調査の結果も踏まえ、中期経営計画の一つの施策として4拠点を移転・統合することが決定した。同社がより成長するため、事業所や部門を超えた「コミュニケーション」を生み出せる場をつくるためだ。

「適正面積の策定は通常より困難でした。お客様先への常駐、フルリモート、固定席か否かなど働き方が多様で、部署毎に出社率もさまざまだったためです。さらに積極的な増員も見込まれていました。森様に助言いただきながら、一つひとつを積み上げて最終的な面積を策定しました」(稲川)

適正面積の策定後、移転先選定に移る。物件選定は山口が担当した。

「長く五反田にオフィスを構えられていたので、初めは五反田を中心にお探ししました。途中で方針変更がありまして、品川駅近辺にターゲットを絞りました」(山口)

「理由は『ビジネス街』というイメージが強いためリクルーティングにプラスになること、旧本社とアクセスが大きく変わらないため従業員の負担が軽減されること、空港や新幹線へのアクセスが良いことの3点です」(森氏)

そこから、山口は3棟のビルを提案。各ビルを内見した結果、迷うことなく今回入居に至ったビルに決定したという。

「ビルのつくりや重厚感が素晴らしく、社長も直感的に『このオフィスビルなら誰もが働きたくなるだろう』と感じたようです」(森氏)

環境が変わる不安の中、目指したのはそれでも「来たくなる」オフィス

移転先の決定とほぼ同時に、三幸エステートからプロジェクトマネジメント部の牧野功幸が参加。並行して、管理部門を中心としたワーキングチームフェーズ1が立ち上がった。

「どのようなオフィスが求められているか、アンケート結果を中心に分析し、オフィスコンセプトを決定しました。併せて内装会社の選定も行っています」(澤田氏)

「今回、内装会社はプロポーザル方式で選定しました。ワーキングチームフェーズ1で考えていたアイデアに近いイメージを提案いただいた会社です」(牧野)

オフィスコンセプトは「革新を共に創造する新オフィス空間~オフィスでしかできない体験~」。移転プロジェクト名は「OX(オフィストランスフォーメーション)プロジェクト」に決定した。ワーキングチームはフェーズ2に移行し、各部門から若手中心にメンバーが選抜された。

「まずは必要な要素を洗い出すワークショップを実施しました。カフェエリアの設置や、気軽に会社や他の従業員の情報を得られる環境など『コミュニケーション』を軸に据えた意見が多く挙がる一方で、集中作業ができる環境も必要という声もありました」(森氏)

レイアウトは「交流」と「集中」のバランスを考慮し、デザインコンセプトは内装会社からの提案を基に「Feel Air of ISB!」とした。プロジェクトが着実に進行する中、4拠点統合という大きな変化にあたり、社内説明には特段配慮を行った。通勤時間が延びることへの不安の声も挙がったが、事前に通勤シミュレーションを行っていたことが幸いした。

「通勤時間が極端に延びる従業員は数名程度だと数字で示すことができました。とはいえ、彼らに不安があることは事実です。故に『それでも来たくなるオフィスをつくる』ことを、事務局である私たちの使命としました。工事や入居ビル関係の社外対応は牧野さんが全面的に担ってくれたので、こちらは社内調整に専念できました」(森氏)

「『来たくなるオフィス』の実現は責務でしたが、全ての提案を反映すると、どうしても予算を超える部分が出てきます。都度取捨選択を重ねつつ、関係各所との的確なコミュニケーションを図ったことで、スムーズな進行が実現できました」(牧野)

プロジェクト中盤からは大槻氏が参加。主にオフィスルールづくりを担った。

「拠点ごとのルールは尊重しつつ、新要素を取り入れる視点を大切にしました。過度な拘束は窮屈になってしまうので、後から柔軟に修正できるルールづくりを心がけ、また、従業員の自主性を高めるために、あえて情報を入れ過ぎないことも意識しました」(大槻氏)

引越しの主導は澤田氏が担当。収納量調査のために各事業所を訪れて調整に奔走したという。

「相当な物量だったためスムーズに移転できるか不安でしたが、催促せずとも多くの方が自主的に整理を進めてくれました。当社グループの企業理念体系にある『誠実』さを感じ、担当者ながら驚かされましたね」(澤田氏)

廃棄がスムーズに行われたこともあり、移転計画は予定を上回るペースで順調に進む。そして20255月、無事に新オフィスでの業務を開始した。

明るさと落ち着きの両面を兼ね備えた「交流」のための空間づくり

それでは新オフィスを紹介しよう。22階のエントランスは、斜めに配置された透け感のあるグレーの壁に、プロジェクションマッピングで同社のロゴが浮かび上がる。執務室との境界のガラス壁には、回路のようなデザインで「ISB」の文字が隠されており、遊び心が随所に感じられる。エントランス裏には共創エリアと名付けられたオープンスペースも設けた。

エントランス全景

エントランス全景

共創エリア

共創エリア

「現状は簡単な商談で使われている程度ですが、今後はお客様や学生の方など、社外の方との交流の場としてより一層活用していく予定です」(澤田氏)

さらに奥には来客用の会議室があり、会議室名には「Azure」「Cerulean」「Horizon」など、同社のコーポレートカラーであるブルーを想起させる単語を採用している。

会議室サイン

会議室サイン

「サインの厚みの部分を、それぞれの単語に合わせた色合いで塗装しています。当社は幅広い領域で、数多くのシステムを陰から支える存在です。ブルーを忍ばせることで、そうした当社らしさを表現しました」(森氏)

会議室(配信部屋)

会議室(配信部屋)

役員会議室

役員会議室

執務室は全てグループアドレス。22階は主に管理部門と営業部門、20階は開発部門が使用している。フロア内は等間隔にサイネージが設けられ、社内共有用の情報を流すことができる。20階は社内会議室や個室ブース、ロッカー等の機能を共用部側に集約し、窓側の執務席は間仕切りのない大空間だ。

執務室

執務室

「コンセプトがしっかり伝わっているようで、新設した個室ブースや1on1スペースも想定以上に使用されています」(大槻氏)

中央には広々としたカフェエリアを設け、通路を挟んで共用部側を「Blue Nexus」、窓側を「Blue Vista」と名付けた。明るい木目に柔らかなブルーと淡いモノトーンが織り交ざり、明るさと落ち着きの両面を兼ね備えた空間に仕上がっている。

カフェエリア「Blue Nexus」

カフェエリア「Blue Nexus」

カフェエリア「Blue Vista」

カフェエリア「Blue Vista」

「多様な使い方ができるような什器を選定しています。さらに、みんなが集まる場所にすべく福利厚生設備も色々と用意し、卓球台やダーツマシンも設置しました。移転後に部門長が率先して活用することで、従業員も早々に新しい空間に慣れ、社内全体が盛り上がっています」(森氏)

テレワークを選択できる環境だからこそ
「オフィスでどう過ごすか」がより重要に

新オフィスは、取引先や協力会社からも注目が集まり、見学の依頼が毎日のように舞い込んでいる状況だという。今後の運用は、新設する「運用ルールチーム」と「福利厚生チーム」に移管する予定だ。前者はルールの啓発や改善、後者はイベントの企画やサイネージコンテンツの考案等、コミュニケーション促進を図る。

「メンバーは各部署から選出する予定ですが、自主性を尊重し、手が挙がればその方にも加わってもらう方針です」(森氏)

最後に、オフィスの必要性についてお話を伺った。

「先日久しぶりに在宅勤務をしたことで、他のメンバーと話をしながら進める業務の必要性を再認識しました。必要に応じて在宅・出社を選択することが最も効率の良い働き方だと思います。オフィスという共有の場所は絶対に必要だと感じています」(澤田氏)

「会社の価値を高めるためにもオフィスという存在は重要です。社会人としての成長の場所でもあり、従業員が集まるオフィスで働けることは個々のレベルアップにも繋がるからです」(大槻氏)

「オフィスには、他の誰かの仕事が見え、声が聞こえるという『自然に学べる環境』が揃っています。出社を通じて企業文化や業務手順に触れることで、働き方を選ぶための土台が築かれていく。テレワークが行える環境があるからこそ、今後は『オフィスでどう過ごすか』がますます重要になっていくのではないでしょうか」(森氏)


株式会社アイ・エス・ビー
企業理念として「夢を持って夢に挑戦」を掲げる株式会社アイ・エス・ビー。従業員の想いを共有しやすくなった新オフィスでは、さまざまなイベントも計画中だ。新たに生まれるコミュニケーションで全ての従業員が力を発揮することを目指す。そして、お客様の新たな価値の創造を続ける「永続する企業」に挑戦していく。


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