株式会社RECEPTIONIST

2020年3月取材

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※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。

サブスクリプション家具の採用で可変性の高いオフィスを構築した

商品名でもあるクラウド受付システムの開発・運営をしている株式会社RECEPTIONIST。将来的な事業拡大を見据えて本社移転を行った。オフィスをつくるにあたって心がけたのはシンプルかつ使いやすさ、そして可変性。それらを実現するために可能な限りサブスクリプション(以下サブスク)家具を採用した。今回の取材では、サブスクの魅力を含めて新オフィスの全容を紹介する。

鈴木 諭 氏

株式会社RECEPTIONIST


鈴木 諭 氏

藤村  理紗 氏

株式会社RECEPTIONIST
広報・PR

藤村 理紗 氏

直井 洋文 氏

株式会社subsclife
Sales Manager

直井 洋文 氏

北尾 真陽子 氏

株式会社subsclife
Product&Design / Leader

北尾 真陽子 氏

エントランス全景

エントランス全景

Contents

  1. 企業の業務改善のためにクラウド受付システムを開発する
  2. 面積、立地、経済条件を視野に入れてオフィス移転を行った
  3. コンセプトに合わせたサブスク家具を採用し移転初期費用を大幅に抑えた
  4. 会社の顔であるエントランスの拡充と執務室内の働きやすさを意識した
  5. サブスク家具だからこその可変性で今後もオフィス運営を容易にする

企業の業務効率改善のためにクラウド受付システムを開発する

受付やその周辺業務の運用を容易にするクラウド受付システム「RECEPTIONIST」。開発・運営は株式会社RECEPTIONIST(旧社名:ディライテッド株式会社)が行っている。同社代表である橋本真里子氏は過去10年以上にわたって大手IT企業を中心に受付業務を担当してきた経歴を持つ。

「受付嬢として接してきた人数は実に120万人。業務に従事する中で、どんなに時代の先端をいくIT企業でさえも受付業務は非効率だったと実感していたそうです。さらに現在、『労働人口の減少』『労働生産性の低迷』といった社会的課題の改善が求められています。企業の業務効率を向上させないことには社会全体の経済活動も成長が見込めません。受付業務を変えることで社会全体の生産性を上げる。それこそが長年受付に関わってきた自分の使命だと考えたと聞いています」(藤村氏)

起業にあたり、過去に築きあげてきたネットワークを活用してエンジニアを揃えていく。開発体制を整備し、思い通りの受付システムを完成させる。そして2017年1月、本格的にサービスを開始する。以降、「受付嬢が開発した受付システム」というキャッチコピーが注目を集め、多くのメディアで紹介されていく。

「導入にあたり必要な機材は何も要りません。iPadさえあればアプリケーションをインストールするだけ。その後は、自動的にアップデートしていきますので常に最新の状態で使うことが可能です。加えてシステム自体は非常にシンプルな構成ですからシステムダウンすることもありません。そういった操作性や安定性も評価につながっているのだと思います」(藤村氏)

「従来の受付システムと違って、受付を行ったお客様の情報はクラウド上で集積できます。それによってお客様にお出しする飲料水の購入計画、会議室の稼働率調査、来客動向分析などが可能です」(鈴木氏)

次第に商品の利便性が口コミで広がっていく。導入企業はサービス開始後約3年で2,500社を超えた。同社ではシステムに関する特許を取得し、今後も事業を拡大していく。

「導入企業の増加は、当社の人材採用計画にも大きく変化をもたらしました。創業時は4名でのスタートでしたが現在は32名に。今後の事業計画を考えると、まだまだ優秀な人材を採用していく予定です」(鈴木氏)

面積、立地、経済条件を視野に入れてオフィス移転を行った

旧オフィスの面積が45坪だったのに対し、移転後のオフィス面積は130坪前後を目安とした。中途半端な面積で何回も移転を繰り返すよりは最初から広めの面積を確保したほうが結果的にコスト削減につながると考えたからだ。

「当社の場合、エンジニアはリモートで業務を行っています。それでもコミュニケーションを重要と考え定期的にオフィスに集まるようにしていました。しかし旧オフィスではエンジニアが座る席が足りないという問題が発生していて。必要な打ち合わせがあってもミーティングルーム不足で業務に支障をきたすこともありました」(藤村氏)

創業の場所でもあり、多くの取引先が集中しているエリア。そんな渋谷という立地には強いこだわりを持っていた。

「渋谷はスタートアップにも人気のエリア。移転先候補は非常に限られており、競争率も高かったんです。しかし、以前から橋本とお付き合いがあった住友不動産様とのご縁で、138坪の面積を確保できるオフィスビルの情報をいただいたのです。それも渋谷を象徴する大規模オフィスビルです。幸いなことに私は以前勤務していた会社で総務全般を担当しており、今回のビルの担当者とは面識がありました。そんなこともプラスに働いて移転に向けて入居条件を詰めることができたのです」(鈴木氏)

実は、以前入居していたオフィスビルでも別のフロアに空室があったため、同ビル内で増床するという選択肢もあった。しかしフロアの分断はコミュニケーション低下につながるリスクもありえる。そこで「1フロア」のオフィスを強く望んでいたという。

2019年10月、正式にビル側と契約を締結。それからオフィス移転プロジェクトを編成する。メンバーは同社代表を含めて4名。広報担当の藤村氏は状況の把握に努めた。

「リリースを出す立場とすれば、オフィス構築の想いやコンセプト、特長などはしっかりと知っておかなければなりません。なるべく進行状況をヒアリングするようにしました」(藤村氏)

オフィスの内装デザインに関する打ち合わせは早い段階からスタートさせた。

「旧オフィスとの契約上、2020年2月には原状回復工事を終わらせる必要がありました。予想以上にタイトなスケジュールであることをふまえて正式契約前の8月から内装デザインの打ち合わせを始めたのです」(鈴木氏)

最初の打ち合わせでは、求めている機能、デザインに合致させるための資材などについて内装デザイン会社と時間をかけて議論を交わす。自分たちの素直な思いを知ってもらうことと併せて、大まかな予算を確認するための重要なミーティングであった。

「移転プロジェクト開始前には社員からの要望を集めました。そこで『ランチエリア』『休憩スペース』『リモート会議』『集中スペース』『テレフォンブース』『会議室の増設』といった必要性を再認識したのです」(鈴木氏)

オフィスコンセプトは社外向けと社内向けに用意した。社外のお客様に向けてのメッセージは「開放的空間の創造」「眺望を生かしたレイアウト」「受付カウンターのイメージ」とし、それらを統括したデザインを求めた。

社内向けは「全員が働きやすいオフィス」とし、いたるところで偶発的なコミュニケーションが生まれる空間づくりを目指した。

「そして移転とほぼ同じタイミングで社名を変更しました。社名とサービス名を統一することで営業促進につなげやすくなるという判断からです。加えてブランド価値の向上も目的としています」(藤村氏)

コンセプトに合わせたサブスク家具を採用し移転初期費用を大幅に抑えた

デザインの方向性が見えてきたところで株式会社subsclifeのメンバーがプロジェクトに合流する。サブスク家具を活用したオフィス提案に定評があり、安定した事業を展開している会社だ。

「当社のサービスメニューの特長は大きく3つあります。一つはファイナンシャルマネジメント。多くのサブスク家具会社では中古製品の取り扱いが多いものですが、当社は新品を利用できます。しかも費用は月額定額制。そのため初期費用を大幅に削減することが可能です。二つ目は家具のメンテナンスと返却の容易さです。差額分の支払いで所有も返却も借り換えも可能です。将来的な移転やリニューアルを踏まえると一括購入をするよりもコストメリットが生まれます。そして三つめは商品メニューの多さです。多様なメーカーの多様な商品ラインナップを揃えています。ですから本当に気に入った商品を選択することが可能なのです」(直井氏)

「そのような当社のメリットを理解していただいた上で、10月からミーティングに参加しました。その段階で決まっていたコンセプトに合わせて、家具の種類や色合い、配置などを提案。そして打ち合わせを重ねる中で、サブスク家具を活用すべき部分と造作する部分とに分けていったのです」(北尾氏)

「最終的にはオフィス内の8割近くにサブスク家具を活用していただきました」(直井氏)

「幅広い提案ができたと感じています。今回の案件では10社ほどのメーカーの商品を採用しました」(北尾氏)

「各メーカーとの間に生じる手配や搬入といった業務はすべてsubsclifeさんで行っています。ですから当社側に手間が掛かることは一切ありませんでした」(鈴木氏)

会社の顔であるエントランスの拡充と執務室内の働きやすさを意識した

それでは新オフィスをエリアごとに紹介していこう。

エントランスには同社のサービスを象徴する受付カウンターを設置した。オフィスでも同社の商品同様に「シンプル」な世界観を表現している。実際に、移転後に金融機関の担当者が来社されたとき、「堅実さや信頼感が表現されたオフィスですね」と称賛されたという。

「いまだにその言葉が忘れられません。嬉しかったですね。まさにそのイメージを目指していましたから」(鈴木氏)

このエントランスは大人数での使い方ができるように多様な機能を盛り込んでいる。一つはスクリーンとプロジェクタを備え付けたこと。それらを使って説明会や会議、イベントなどを開催していく予定だ。その際、座席となるように周囲に一段分のステップをつくった。使用したのは座り心地の良い木材。その分、コストは掛かったが、サブスクの活用で抑えられた費用をそこに充てることができたという。

ステップを上がったところにクローズの会議室を4室配置した。どれも透明性を意識してガラス壁を用いている。

「エントランスから応接までのエリアは新オフィスを象徴する最も重要な部分となります。何度も各メーカーのショールームに出向き、商品の形状、大きさ、感触、色味などを確認しながら進めていきました」(北尾氏)

「北尾さんには、私どもの頭の中にある漠然としたイメージを言葉にして説明していただきました。また専門用語をわかりやすく通訳していただいたことで、各メーカーと意思の疎通を図ることができました」(鈴木氏)

執務室にはICカードを使って入室する。入口すぐに通常の業務デスク。シンプルで美しいラインの長机が3列配置されている。左側を見ると移動式の集中ブースが3室、これもサブスク家具のメニューの一つとなる。その横に並ぶのが造作でつくられた個室。3室が用意され、電話やWeb会議として使われることが多いという。

受付カウンター

受付カウンター

クローズの会議室

クローズの会議室

通常の業務デスク

通常の業務デスク

集中ブース

集中ブース

個室

個室

その奥にはソファエリア。ランチ、休憩などで使用することを目的につくられた。社員からの要望に応えて新設したエリアである。

「多目的のコミュニケーションエリアとなります。フリーアドレスですから『どこで働いても自由』という以外は、あえて細かいルールは定めていません。そして最奥の窓際にソロワーク席を配置しました。眺望がいいこともあり人気がありますね。右側の壁際にはファミレス席が2つ。一番入り口に近いところにベビーベッドが置かれています。働く女性を応援するように旧オフィスから引き継がれています。私も採用面接に来た時にこのベッドの存在を知り、社員に対する優しさを感じました」(藤村氏)

ソファエリア

ソファエリア

ファミレス席とベビーベッド

ファミレス席とベビーベッド

サブスク家具だからこその可変性で今後もオフィス運営を容易にする

現時点での席数、広さはまったく問題がない。ただし今後の採用計画で変化が出ればその都度、働きやすいオフィスに改善していくという。

「現在、将来的な人員計画上の社員数でレイアウトしています。今後の業務に大幅な変化があれば家具を入れ替えて配置し直します。それを容易にできるのがサブスク家具の魅力だと思います」(藤村氏)

「通常の家具の場合、メーカー保証は1年間です。しかし私どものサブスクでは使用期間中はすべてアフターサポート期間としています。無償で新品への交換も可能です」(直井氏)

「今回の移転計画の中でサブスクという新たな家具の活用方法を提案させていただきました。お客様のより良い空間づくりをサポートしたいという想いからですが、このような導入事例をもっと増やしていきたいですね」(北尾氏)

「集中ブースやテレフォンブースを新設したことで働き方が大きく変わりました。社員のモチベーションも上がっているのがよくわかります。社員の要望にもある程度応えられましたし、今回のオフィス移転プロジェクトには満足しています」(鈴木氏)

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