先進オフィス事例

~オフィスを経営の力に~

株式会社スタディスト 前編

2019年4月取材

※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。

FMOサービスを活用して、互いに刺激を
与えあえるワークプレイスを構築した

「伝えることを、もっと簡単に。」をミッションとし、ビジュアルSOPマネジメント・プラットフォーム「Teachme Biz(ティーチミー・ビズ)」の開発・販売を事業とする株式会社スタディスト。同社が目指すのは、知る、考える、作り出す喜びを感じられる場面を増やすことで実現する「知的活力みなぎる社会」。さらなる働く環境の改善を理由に2019年2月、千代田区神田錦町への本社移転を実施した。今回の移転プロジェクトは、パーソル ファシリティマネジメント株式会社が企業サイドに立ちプロジェクト推進を代理総括した事例となる。そのサービスも含めてプロジェクトの全容を紹介する。

 

杉山 優子氏

株式会社スタディスト
管理部 総務グループ
グループリーダー

佐藤 史郎 氏

杉山 優子氏

パーソル ファシリティマネジメント株式会社
代表取締役社長

槌井 紀之 氏

杉山 優子氏

パーソル ファシリティマネジメント株式会社
PM第二グループ ノービスプロジェクトアドバイザリー
長谷川 優子 氏

小澤 清彦氏

株式会社スタディスト
管理部 総務グループ

田中 にれ 氏

小澤 清彦氏

パーソル ファシリティマネジメント株式会社
PM第二グループ長 シニアプロジェクトアドバイザー
白井 紗奈子 氏

 
 
 
 
 

エントランス

執務室内フリースペース

Contents

  1. 正しい手順をわかりやすく共有し生産性向上を実現できるビジネスツール
  2. 移転半年で次の移転計画をスタート。パーソル ファシリティマネジメントの槌井氏との出会い
  3. 新オフィスのコンセプトは「相互刺激」と「マルチプルワークプレイス」
  4. 自社内で実践した良いものだけを提供するFMOで事業を成功に導く

正しい手順をわかりやすく共有し生産性向上を実現できるビジネスツール

新入社員やパート・アルバイトなどに対する研修は、従来は上司や先輩社員たちの役割だった。しかし近年、現場の人手が足りないこともあり、新人研修に十分な労力を割くことが困難な状況となっている。そこで、研修に不可欠なツールである各種マニュアル作成をサポートするビジネスツールが注目されている。

「マニュアル自体の捉え方は各社さまざまですが、現場で使われているマニュアルの多くは、作業手順を文字ベースで説明したものが大半です。それらは一つひとつ文字を読みながら理解していかなければならず、非常にわかりにくいものになりがちです。また、総務・人事の担当者にとっても、こうしたマニュアルの作成は非常に手間のかかる業務であり、作業負担も大きかったのです」(佐藤史郎氏)

仕事を引き継ぐ、正しい手順や方法を教える、などのシーンにおいて、できるだけ簡単にわかりやすく伝え、チームの生産性向上を実現したい。そのため従来の「マニュアル=分厚い説明書」という概念を捨て、自社開発したのがビジュアルSOPマネジメント・プラットフォーム「Teachme Biz」だ。

※SOPとは:標準作業手順書(Standard Operating Procedures)

「各工程の画像を使用して説明し、そこに補足としてテキストや矢印などの記号をつければ、パッと見るだけで、誰でも理解しやすいものになります。これまでは、こうしたビジュアルベースの手順書を作成するには画像ソフトを使って加工するなど、手間もかかれば専門的な知識も必要でした。しかし「Teachme Biz」ならば、スマホで作業工程の写真や動画を撮影しながら、その場で編集して全員に共有することができます。もちろんリアルタイムで修正や変更も可能です」(田中にれ氏)

単なるマニュアル作成のサポートツールであれば、同様のサービスを展開する競合他社は少なくない。だが、同社の「Teachme Biz」は、作成後のSOPの運用にも重きを置いているのが特長だ。個々の社員のSOP閲覧履歴や、SOPで指示された作業を実施したかどうかについてもチェックでき、見ていない者、着手していない者には上司が個別で指導することができる。そこが同製品の優れた機能となっている。

「実は今回の本社移転でも、「Teachme Biz」が大活躍しています。荷造りするうえで段ボールに入れていい物は何か、表書きは箱のどの部分にどう書くか、そういう細かい作業のビジュアルSOP化を、入社1ヵ月目の新人に担当してもらいました。誰でも簡単に正しい手順をわかりやすく共有できる。それが本製品のセールスポイントです」(佐藤氏)

移転半年で次の移転計画をスタート。パーソル ファシリティマネジメントの槌井氏との出会い

2010年3月の設立から10期目を迎える同社は、大企業から中小ベンチャー企業まで幅広い顧客層と取引があり、「Teachme Biz」は現在2,000社以上のユーザーで利用されている。導入社数も堅調に伸び、周辺領域への事業展開や地方や海外のユーザー開拓など、着実に成長を続けている。これに伴い、社員数も増加の一途をたどり、オフィスが手狭になっていたという。

「前回は2017年7月に移転したばかりでしたが、それから半年後の2018年1月には早くも次の移転を考えはじめる必要がでていたのです。一つ前のオフィスは約100坪の面積があったのですが、増員に伴い一つの会議室を転用して執務スペースに。近くのビルの貸会議室がほとんど当社の貸し切りになっているような状況でした」(田中氏)

同社は創業以来、ずっと神田界隈に本社を構えており、千代田区というブランドに魅力を感じていた。しかし、今回の移転では同エリア内で希望する約200~250坪の面積の確保が難しいことがわかる。港区の田町・新橋・芝といったエリアも候補地に加え、移転先を探すことになった。候補物件の見学を開始したのは2018年3月頃から。現地まで足を運んだのは10件前後だが、データ上ではそれ以上の数がリストとしてあがっていたという。そうして各方面からの情報を収集していたとき、以前からお付き合いのある三幸エステートの営業担当から「オフィス移転セミナー」の案内を渡された。

「そこでの講師が、パーソル ファシリティマネジメント(以下PFM)代表の槌井紀之さんだったのです」(佐藤氏)

佐藤氏は数年前に槌井氏と面識があった。さらに、同じ時期に発行された『月刊総務』のオフィス特集企画に槌井氏の記事が掲載されていたこともあり、槌井氏とPFMに強く関心を寄せていた。そうして今回の新オフィス構築に協力を求めるべく、槌井氏に相談したのである。2018年5月のことであった。

新オフィスのコンセプトは「相互刺激」と「マルチプルワークプレイス」

槌井氏が代表を務めるPFMの設立目的は、蓄積された専門的なファシリティマネジメントのノウハウを提供することで顧客のオフィスをより有効な経営資源として活用させること。その企業理念は、オフィスに代表される企業の「施設・環境」を、ヒト・モノ・カネに続くいわゆる「第四の経営基盤」と捉え、FMのノウハウを通じて「人と組織の成長」を支援。経営価値の向上に貢献するというものである。

「私たちの提供するFMO(Facility Management Office)とは、発注者としての専門ノウハウを保有するコンサルタントが企業サイドでプロジェクト推進を代理統括しプロジェクト効果を最大化するサービスです。そのサービスの根底には『お客様には本業に専念していただきたい』という想いがあります。専門的な業務を私たちが行うことで、お客様の経営に貢献したい。これはスタディスト様の企業理念にも通じるものがあるように感じました」(槌井紀之氏)

槌井氏も指摘しているように、マニュアル作成にしてもオフィス構築にしても、その中心は企業の総務担当者などが進める業務であり、しかも、一般的な総務担当者にとっては負担の大きい専門性の高い業務となる。その意味で両社は、顧客との関係性や距離感などがきわめて近い業態であるといえるだろう。

「ご相談を受ける中でスタディスト様の移転前の旧オフィスを拝見し、『WorkStyle Labo』と名づけた私たちの戦略的オフィスを見学していただきました」(槌井氏)

*PFMのオフィス事例はこちら ⇒ https://www.sanko-e.co.jp/case/pfm

「当社としては、槌井さんに相談してお話をお聞きしたときから他の会社にお願いすることは考えていませんでした。そして今回の移転にあたり、私たち総務以外に社内の各部門からメンバーを選定してプロジェクトチームを編成したのです」(佐藤氏)

PFMのオフィス見学会にはPJメンバーのほか、同社の役員も参加。オフィスづくりに向けて全員でベクトルを統一することができたという。

「2019年度の採用人数と新入社員の入社日から逆算して、その時点で移転実施日はだいたい決まっていました。当社では自社内にお客様をご招待して体験会やセミナーなども行っているので、『駅から近くわかりやすい場所』かつ『清潔感のあるビル』という条件で候補ビルを探しました。そしてギリギリのタイミングで見学できたのが現在のビルだったのです」(田中氏)

前回の移転ではスタディストの総務が設計、内装、什器、ITといった複数の専門サービサーに対してコンペを実施。分野ごとに発注先を決定していった。今回はPFMが同社の代行として各専門サービサーを統括・ハンドリングするFMOの方式をとる。そのため最初に納得のいくまでミーティングを重ね、新本社オフィスのコンセプトを固めていったという。

年末の繁忙期と重なったため設計会社の人員も不足しており、PFM主導のコンペに参加できたのは数社であった。その中から選んだ設計会社はコンセプトに対する理解も深く、タイトなスケジュールにもかかわらずパートナーとして寄り添ってくれたという。

PFMの担当はPM第二グループの長谷川優子氏である。

「オフィスコンセプトは最終的に『相互刺激』と『マルチプルワークプレイス』に決定しました。当初は新しいオフィスで新年を迎えていただけるように12月末の移転を思い浮かべていたのですが、無理なスケジュールで後悔する部分を残すよりも100%満足していただきたいと。あえて移転時期を2月にずらして時間をかけて移転効果を最大化させることに注力しました」(長谷川氏)

「設計会社やPM会社などは『お客様に引き渡すまでが仕事』で、その後の運用までは関知しないところがほとんどです。それに対して私たちはFM会社として『引き渡し後』も、お客様の総務の業務負担を減らしながら成果を上げることを考えています」(槌井氏)

「最初にご提示されたデザイン案はとても魅力的でしたが、残念ながら予算的にやや無理があり、より予算を抑えた修正案が採用されることになりました」(白井紗奈子氏)

予算についての発言がスタディスト側からではなく、白井氏の口から出ていることからもPFMのスタンスがよくわかる。そうして決定したデザイン案に基づいて年明けから工事が始まった。

 

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