アップデータ株式会社

2026年4月取材

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※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。

新たなステージを見据えて
五感を感じるオフィスを構築した

クラウドにデータを格納し、PC端末にデータを残さないことで高いセキュリティを実現するソフトウェア「Shadow Desktop。情報漏えいリスクを根本から断つこのプロダクトの開発・提供を行っているアップデータ株式会社は、202511月にオフィスのスペース改善を目的にオフィス移転を行った。今回の取材では、移転の背景やオフィスコンセプト、オフィスの特徴を紹介する。

松﨑 政彦 氏

アップデータ株式会社
人事・総務部 部長
内部監査室 室長
松﨑 政彦 氏

韮塚 千晃 氏

アップデータ株式会社
人事・総務部
人事課
韮塚 千晃 氏

星 彩華 氏

アップデータ株式会社
事業推進本部 マーケティング部 
マーケティング課
星 彩華 氏

Contents
  1. 「データの価値を高め、社会をアップデートする」をビジョンに掲げ、製品開発を行ってきた
  2. 旧オフィスには15年近くにわたって入居。次第に手狭さがストレスになっていた
  3. 自由な発想と従業員参加でつくり上げた、「五感で働く」オフィス
  4. 新たに取り入れたさまざまな「場」で、快適性と交流を両立
  5. 出社することで相手との距離が縮まり連帯感が生まれている

エントランス

エントランス

「データの価値を高め、社会をアップデートする」を
ビジョンに掲げ、製品開発を行ってきた

アップデータ株式会社は、「働く人にもっと自由を」をミッションに法人向けソフトウェアを開発・提供してきた。その代表的な製品の一つが、「Shadow Desktop」である。その特長は、データをクラウド格納PC端末に残さない仕組みにより情報漏えいリスクを根本から防ぐところにある。PCの盗難・紛失時のセキュリティ対策BCP対策として有効で企業の大切なデータを堅牢に守る

「当社は、『Shadow Desktop』の企画・開発サポートをメインに据え、その他にも多様なビジネスシーンを想定したセキュリティソフトの開発・提供を行っています」(松﨑氏)

同社は常にお客様からの要望に耳を傾け、製品リリースから10年、機能追加や動作改善に向き合ってきた。現在では大手企業や官公庁、学校法人など幅広い分野で導入が進んでいる。

「強固なセキュリティというのは、今後ますます重要になる課題です。一方で、セキュリティの向上を追求するあまり、社内ルールの煩雑化や、動作スピードや慣れ親しんだ操作環境が損なわれるなど、使い勝手が悪くなってしまうケースも少なくありません。当社は、徹底して『使いやすさ』にこだわり、セキュリティと利便性の両立を追求してきました。その点を評価いただき、多くのお客様にご利用いただいています。また、5ライセンスから導入できるため、本当に必要な方に必要な分だけご利用いただけることも特長の一つです」(韮塚氏)

設立以来、少数精鋭の体制で事業を展開してきたことも同社の特徴だ。

「従業員の約半数が開発・サポートスタッフで、その他に営業・マーケティング部門とバックオフィス部門で構成されています」(松﨑氏)

営業面ではパートナー企業との連携を重視することで、自社のオペレーションを効率化してきたという。

「今後はさらなる事業拡大を見据え、各部門で採用活動を進めていく予定です」(韮塚氏)

旧オフィスには15年近くにわたって入居
次第に手狭さがストレスになっていた

移転前は千代田区神田エリアのオフィスビルに15年近くにわたって入居していた。

「出社率は50%程度でした。毎日の出社人数は決して多くはありませんでしたが、貸室面積いっぱいに固定席が並んでいたため、実際の出社率以上に窮屈さを感じる空間になっていました」(松﨑氏)

倉庫の容量には限りがあり業務備品や製品カタログ販促ツールなどを執務エリアでも管理する必要がありました。サポートメンバーが通話対応中の席の後ろを、備品を取りに通り抜けなければならない場面もあり、狭さを感じたのはそれらも理由だったと思います」(星氏)

その他、2室の会議室、4人用のフリースペースを備えていたという。

「フリースペースは打ち合わせができる環境ではなかったため、カジュアルな社内ミーティングであっても会議室を使用せざるをえませんでした。次第に本来の目的であるお客様との打ち合わせをする会議室の確保が困難になり、大きな経営課題となっていました」(韮塚氏)

「今後の業務拡大を見込んで採用計画も考えていく必要もありました。ちょうどオフィス移転を考えるタイミングに差し掛かっていたのかもしれません」(松﨑氏)

移転先に関しては、旧オフィスと同じ神田エリア内のオフィスビルをピックアップしていった。その他、100坪程度の面積であること、天井が高いことを条件に加えた。しかし、想像以上に移転先探しが難航する。条件に合致する物件はあったが、どのビルも移転したいと強く思わせるための決め手がなかったのだ。

そこで、特定のエリアにこだわらず、候補地を広げて検討することとした。そんな時に、代表取締役社長の小川敦氏が所属している『一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)』の会員企業を通じて京橋エリアのオフィスビルを紹介された。早速、代表と共に現地を見学したという。

「神田エリアとはまったく雰囲気が異なるオフィスビルでした。見学後は、代表も私も一目ぼれに近い感覚でしたね。『京橋』という立地も、当社にとって次のステージへの進化を象徴させるエリアに相応しいと感じました。東京や銀座駅に近く、歴史ある大企業や先進的な企業が軒を連ねるこのエリアに拠点を構えることは、当社のブランドイメージ向上にも直すると確信しました」(松﨑氏)

契約の決め手になったのは、全体的に醸し出す「落ち着いた雰囲気」だったという。

「特にビルエントランスは、お客様をお迎えする場に相応しい内装デザインでした。このビルのグレード感は、出社する従業員のモチベーションアップにも寄与すると感じました」(松﨑氏)

新オフィスへの入居から数ヵ月が経過した。従業員は一気に6名増えた。出社率は旧オフィス時と変わらず50%程度を想定していたが、最近は出社人数が増えていると語る。オフィス移転を機に新たなルールも生まれた。その一つが、「フリーアドレス」である。

「新オフィスでは、その日の業務内容に応じて自由に席を選ぶ運用としました。一般的なフリーアドレスでは、部署ごとに集まるケースも多いと聞きますが、当社ではあえて部署も意識しないスタイルを採用しました。『誰がどこに座っているのかがわかる方が良いのでは』という意見もありましたが、今の会社規模であれば立ち上がって見渡せばわかるだろうと。今後、組織の成長に合わせて見直す可能性はありますが、現時点ではこの運用を続けています」(松﨑氏)

自由な発想と従業員参加でつくり上げた、「五感で働く」オフィス

今回のオフィス構築に関しては、あえて経営陣が主体となるプロジェクトとした。

「代表の小川も参加して、自由な発想のままオフィスをつくることにしました。従業員アンケートやヒアリングによって詳細な意見を集める会社もあると思いますが、今回は中長期的な会社のブランディングや企業文化の醸成を見据えたプロジェクトでもあったため、少人数のメンバーで遂行しました」(松﨑氏)

「とはいえ、オフィスレイアウト以外の運用面に関しては、従業員にヒアリングを行っています」(韮塚氏)

「新オフィスの設計、内装工事は、代表と長いお付き合いのある会社に依頼しました。スケジュールがタイトだったこともあり、スムーズな進行を目指したためです」(松﨑氏)

 202411月に移転の検討が始まり、時間をかけて自社のブランディングに合う移転先を探した。2025年8月に移転先のオフィスビルと契約を締結、202511月中の入居を目指した。内装工事に関する日数は実質3ヵ月程度しかなかった。

「そんな短期間で、思い通りのオフィスが完成できるのかと不安だらけでした。サポートいただいた内装会社様には、たくさんのご提案をいただき本当に助けていただきました」(松﨑氏)

 新オフィスのコンセプトは「五感で働く」とした。ただし、最初からコンセプトありきで空間を構築するのではなく、自由な発想を大切にした結果として、その想いが形になればよいと考えていたという。その象徴の一つが、希望者を募って実施したワークラウンジの壁の左官だった。

ワークラウンジの壁の左官

ワークラウンジの壁の左官

「内装会社様のご提案でした。出来上がったオフィスを見ると、やって良かったと思います。加えて、スペース内にはたくさんの植栽を配置しました。毎日の水やりも含めてオフィスへの愛着や親近感が深まっているように感じています」(韮塚氏)

新たに取り入れたさまざまな「場」で、快適性と交流を両立

ここからは新オフィスの特徴を紹介していこう。

エントランスは曲線と揺らぎで構成。小さな川の流れが大河へアップデートしていく様子を具現化している。緑をふんだんに取り入れることで、温かみのある空間を演出した。

「代表のイメージ通りです。所々に採用した曲線や質感の異なる材質水面の揺らぎを表現した照明など、コンセプト通りの『五感』をしっかりと感じさせるオフィスとなっています」(星氏)

水面の揺らぎをイメージしたテーブル

水面の揺らぎをイメージしたテーブル

会議室への通路には、壁面に大きな鏡を採用することで、空間を広く見せる工夫を施した。最奥の大会議室には贈答された日本画家の井上文太氏の作品である「ユニコーン」が描かれている。

会議室への鏡面通路

会議室への鏡面通路

会議室

会議室

会議エリアの反対側が執務室となる。同社の事業に関連の深いクラウド(雲)をモチーフとしたデザインを取り入れた。従業員に対して、固定観念にとらわれず創造性とコミュニケーションを自由に育んでもらいたいというメッセージとなっているという。

「疲労が軽減できるように椅子にもこだわりました。数パターンの椅子を用意し、実際に座り心地を確かめてもらい、最後は全社投票によって椅子を購入しました」(星氏)

執務室全体を見ると開放感を意識したレイアウトとなっている。気分転換を目的に「カフェカウンター」や充実した書籍を並べた「本棚」も配置されている。

執務室

執務室

執務室の一角には「ワークラウンジエリア」を新設した。多目的な活用を想定して100インチモニタを設置している。

「ユーザーやパートナー企業の皆様を対象にしたイベントを定期的に実施しています。もちろん社内でのコミュニケーションエリアとしての役割も果たしており、ビールサーバーやコーヒーマシンも用意しました」(松﨑氏)

「コーヒーマシンは従業員同士のコミュニケーションを高めるために無料で提供しています。間違いなく社内間の交流が増えていますね」(韮塚氏)

ワークラウンジエリア

ワークラウンジエリア

「新オフィスのフリースペースは、全員が座れる席を確保しています。これまでと違って、ゆっくりとランチを取りながら会話を楽しめるようになりました。もちろん一人の時間を大切にするスペースも用意していますので、それぞれが心地良く過ごせる環境になっています」(星氏)

フリースペース

フリースペース

出社することで相手との距離が縮まり連帯感が生まれている

オフィス移転によって、「交流」「仲間」「愛着」といった今までになかった感覚が生まれているという。

「新オフィスでは、『会話』の重要性をあらためて感じています。今まではチャットで十分だと思っていましたが、実際にはそうではありませんでした。チャットだけでは雑談は生まれにくく、業務連絡であっても表情や声色から伝わる感情もあります。相手との距離を縮めるには対面でのコミュニケーションが大切だと実感しています」(星氏)

「一緒に働く仲間に本当の自分を知ってもらいたい、みんなの色々な姿を知りたい。そのためには出社して顔を合わせないと難しい部分があると思います。出社によってお互いの理解度は間違いなく深まるのではないでしょうか」(韮塚氏)

「出社することで意見交換できる人が身近にいる。それは予想していなかった大きなプラスの面でした。きっと、黙々と業務をこなすだけでは、『連帯感』が生まれることはなかったでしょう。せっかく働く環境が変わったのですから、これからはもっと会話を楽しみたいと思っています」(松﨑氏)

アップデータ株式会社

2005年の設立後、データ保護やリモートワークの生産性向上をテーマに製品開発を行ってきたアップデータ株式会社。近年はAI・機械学習分野にも取り組みを広げており、「データの価値を高め、社会をアップデートする」という理念のもと、これからも企業の働き方やDXを支える製品開発を進めていく。


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