ディップ株式会社 デジレバ

ディップ株式会社 デジレバ

2020年4月取材

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※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。

他社に先駆けたデジタルサービスの新設に伴ってオフィスを開設した。

アルバイト・パートの求人情報サイト「バイトル」、正社員・契約社員の求人情報サイト「バイトルNEXT」、総合求人情報サイト「はたらこねっと」、看護師人材紹介サービス「ナースではたらこ」などの人材サービスで全国展開をしているディップ株式会社。2017年に「日本一コミュニケーションがとりやすいオフィス」を掲げて本社移転を、2018年には同コンセプトをベースに大阪オフィスの移転を行った。今回の取材では新事業の紹介とともに、新たに開設した特長的なオフィスの詳細をお聞きした。

*本社オフィスの記事:https://www.sanko-e.co.jp/case/dip
*大阪オフィスの記事:https://www.sanko-e.co.jp/case/dip_osaka

藤川 淳 氏

ディップ株式会社
経営管理本部 総務統括部
ファシリティマネジメント室
室長

藤川 淳 氏

深澤 貴啓 氏

ディップ株式会社
経営管理本部 総務統括部
ファシリティマネジメント室

深澤 貴啓 氏

エントランスと多目的エリア

エントランスと多目的エリア

Contents

  1. 人、AI、RPAの両面から支援するために「Digital lobor force」事業を開始する
  2. 事業は本社オフィスの一角からスタート。そこから緩やかに拡張していく
  3. 強いセキュリティを保ちながら自由に使える共有スペースを構築した
  4. 将来的な事業拡大をファシリティの面から支えていく

人、AI・RPAの両面から支援するために「Digital labor force」事業を開始する

ディップ株式会社は1997年3月に情報提供サービスを目的に名古屋で設立。以降、アルバイト・パートの求人情報サイト「バイトル」、正社員・契約社員の求人情報サイト「バイトルNEXT」、総合求人総合サイト「はたらこねっと」、看護師人材紹介サービス「ナースではたらこ」といった主力ブランドを中心に質の高いサービスで事業を拡大している。

ディップ(Dip)という社名には「夢(Dream)」「アイデア(Idea)」「情熱(Passion)」の3つのメッセージが込められており、その熱い想いは現在も揺らぐことはない。それどころか常に新たな人材サービスのあり方を模索し続けている。

新ビジョン「Labor force solution company」を掲げたのは2019年3月のこと。それは今後の人材マーケットでの諸問題を解決するには、人材サービス(Human labor force)とAI・RPA(Digital labor force)の両面でのアプローチが必須だと考えたからだ。RPAとは、Robotic Process Automationの略。これまで人の手を介して行ってきた定例業務をロボットが代行し、業務の効率化を図っていく。その手段として従来の作業を自動化するFAST RPA「コボット」が開発された。

「今までは『人材を募集して採用する』という側面から労働力の問題を解決・改善してきました。今後は従来の事業ドメインを拡大し、労働力の総合商社として諸問題の解決に立ち向かっていこうと考えています。『コボット』は業界・業務に特化したロボットです。業界は派遣会社、不動産向けのサービスを、業務に関してはアルバイトや中途社員の採用面接を効率化することに特化したサービスの展開を開始しています」(藤川氏)

ちなみに新事業および新オフィスの名称は「デジレバ」とした。これは新ビジョンであるDigital labor forceを親しみやすく4文字に略したものとなる。

事業は本社オフィスの一角からスタート。そこから緩やかに拡張していく

AI・RPA事業部は2019年4月にスタートした。

「私は2018年12月からファシリティの部署に異動となり、その数ヵ月後にAI・RPA事業部を担当することになりました。当事業部は中途採用が多く、幅広い意見や要望を常に聞いていかなければなりません。そのため初期段階からファシリティマネジメントの観点で同事業部をサポートしていました」(深澤氏)

当時はまだ売り上げの見込みが立たないような事業。そのため本社オフィスの窓際の一角からスタートしたという。

「スタート時の広さは4坪程度でした。そこから徐々に人材を採用していって。最終的には渋谷オフィスの一室をリニューアルして開発を行っていました」(藤川氏)

そうした状況が大きく変わった。

「毎年開催している社員総会でのことです。社長が『今後はAI・RPA事業に力を入れる』と宣言しまして。そこから専門のエンジニアや新事業に相応しいメンバーを採用していきました」(深澤氏)

「もちろんその前から今後のオフィス展開について議論はしていました。しかし空室不足のためなかなか話が進展しなかったのです。シェアオフィスの活用も検討したこともありました」(藤川氏)

時間だけが経過していく。と、そんな中でタイミングよく空室の情報が飛び込んできた。その空室は、同社渋谷オフィスの別フロアに位置する。面積は223坪。90名で使用するには少し広く感じたが、将来的な事業拡大を意識して思い切って契約を決めたという。

「渋谷は多くのスタートアップ企業が集積しているのが魅力です。それだけ色々な人材や情報があるということですから」(藤川氏)

「渋谷オフィスと連続フロアであれば申し分なかったのですが、そんなに都合よくはいかないですよね。同ビル内にオフィスを設けられただけでもラッキーだと思います」(深澤氏)

強いセキュリティを保ちながら自由に使える共有スペースを構築した

新オフィスは新技術の開発ということもあってセキュリティ面は強固にしなければならない。しかし同社の企業理念は「夢とアイデアと情熱で社会を改善する存在となる」。創業以来、大事にしていた「発想の転換」の妨げになることはしたくない。そこで新オフィスのコンセプトは「明るく、自由な空間」とした。そしてデジタルを活用した新たな人材サービスを象徴するデザインを採用し、多種多様な情報や人材が集まる機能を設けた。

「事業部以外の社員は執務室エリアへの入退室不可とするなど、セキュリティの権限を厳しくしています。その一方で、執務室周辺のエリアにはセミナールームやバーカウンター、ライブラリー、ミーティングスペースといった共有スペースを配置して誰もが自由に使えるようにしました」(深澤氏)

同社の決算時期に合わせて新オフィスの運用開始を2020年2月とした。スケジュール的に問題はない。外部スタッフと共にオフィスコンセプトや内装デザインについて打ち合わせを重ねていく。そうしてデジタルのイメージを全面に打ち出したイメージ通りの新オフィスが完成した。エントランスのサイネージはチームラボが担当した。

「デジタル事業に特化したオフィスの構築は、当社としても初めての試みです。そんな記念的なオフィスですから、エントランスには『先端技術』を集約させたいと思ったのです。チームラボさんは最新のテクノロジーを使ったデジタルコンテンツ開発のパイオニアだけあって今までにないオフィスが構築できました。最大の特長は正面に設けたDigital Information Wall(デジタルインフォメーションウオール)と呼ばれるタッチパネルサイネージの3面構成のもの。ここで来訪者に楽しんでいただき、さらに上質な会話が生まれればいいと思っています」(藤川氏)

エントランスの一角にはライブラリーとしてAI・RPA関連の書籍を並べている。ここも簡単なミーティングを行うスペースとなる。

エントランスを抜けると多目的エリアが姿を現す。通常はテーブル席で構成しているが、セミナー開催時は椅子50席超を並べることができる。

「この機能は事業部からの要望に応えたものとなります。ただしセミナーの用途に特化してしまうとセミナー期間以外は無駄な空間になってしまいます。ですから空いているときは自由に使える多目的エリアとしました。一般的にこうしたエリアの周囲は可動式の壁を設置するものですが、ここの周りはあえて半透明のカーテンで仕切っています。そうすることで閉じられた環境でありながらセミナーの内容を知らせることができます。その目的は社員の興味を引くこと。そんなこともあって中央に設けたのです」(藤川氏)

セミナーの一角にはバーカウンターを設置。セミナー後に交流を深めて情報交換できる場にしたいと語る。

そして会議室が4室。一番小さい部屋でも8名使用となっており、採用面接や研修で使用することが多い。

「ホワイトボードにもこだわりましたね。デジタルが主体の業務ではありますがアナログの良さは残しておきたくて。直感的に思いついたことを順次書き込めるので重宝されています。また、緩やかな開放感を大事にしているため透明のガラス壁を多用しました。全体的に採光の良さを生かした設計としています」(深澤氏)

これら会議室の名称はすべて世界で有名なサッカースタジアムから名付けられた。将来、同事業が世界に羽ばたけるようにとの願いが込められているという。

次に執務エリア内を紹介しよう。手前には「Clubhouse」と名付けたロッカールーム。全社フリーアドレスのため退社時はここに自分の持ち物を収納するルールとなっている。

3面のサイネージ

3面のサイネージ

多目的エリア

多目的エリア

多目的エリア内カウンター席

多目的エリア内カウンター席

会議室

会議室

執務エリア

執務エリア

執務エリアに目を向けると機能的なオフィスデスクが並べられている。

「一定方向に並べると動線が限られてしまうため、あえてランダムに配置しました。エンジニアの皆さんは淡々と業務をこなすイメージがありますが、実はそうではなくて。想像以上にコミュニケーションを密に取って業務を進めています。それを考えて、いくつもの動線が生まれるようにレイアウトを考えました」(深澤氏)

デスクもグループアドレスでの業務が多いことを思慮して開発チームの人数に合わせたサイズを選んだという。そして今回、新たな試みとして個室ブースを新設した。

「最近はWEB会議を用いての営業促進が増えています。そのため個室で電話やWEB会議ができる機能が必要でした。図書館の閲覧室のイメージです。個室だけで12席を用意しました」(深澤氏)

その他、本社でも稼働率の高い「集中席(コモルーム)」や「ファミレス席(ブレストBOX)」「スタンディングデスク(トークスタンド)」を採用。執務エリア内にバランスよく配置されている。

「新オフィスを開設して間もないですがとても評判がいいですね。今後は、このクオリティを維持していかなければなりません。また、他拠点の社員からの要望にもあるように、ここに備えた機能を他の拠点でも展開したいですね。もちろん全国すべてのオフィスに適用は難しいですが、将来的な課題として考えていきたいと思っています」(藤川氏)

個室ブース

個室ブース

ファミレス席

ファミレス席

スタンディングデスク

スタンディングデスク

将来的な事業拡大をファシリティの面から支えていく

新オフィス「デジレバ」は限られたメンバーの使用ということもあり、内装デザインや工事の進捗状況、完成後の姿などを大々的に告知することはしなかった。大部分のメンバーは入居日に初めて新オフィスを目にすることになる。

「同社では、オフィスの開設ごとに『オフィスユーザーズガイド』を入居メンバーに配布しています。そこにはオフィスの使い方に加えて、入居ビルの入退館方法や館内ルールなども記載しています。今回も作成して配布しました」(深澤氏)

「特に今回のメンバーは中途採用が多いため、社内承認のやり方や社内規定といった内容も多く盛り込みました。もちろん今後の状況や事業展開によって内容を更新していきます。デジレバはスタートしたばかりですが、いずれは『デジレバ札幌』『デジレバ大阪』と全国展開を視野に入れています。そのためには働きやすい環境は不可欠です。今後もファシリティの面からサポートしていきたいと思います」(藤川氏)

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