- コミュニケーション強化を目的に広々とした共創空間を構築した移転事例
- 職務環境の整備やオフィススペース効率化を目的とした移転事例
- 今後の人材獲得を見据えた移転で一層の成長を目指した事例
- 入居までのスピード感を重視してセットアップオフィスを活用した事例
※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。
2025年掲載の先進オフィス事例から
2025年は、オフィス出社を推奨する動きが一層顕著になった1年だった。コミュニケーションの向上を目的とした移転が多く見られ、オフィス構築時も「来たくなる」「出社したくなる」といったキーワードを挙げる企業が多数を占めた。ここでは掲載記事を振り返り、各社のオフィス戦略や新オフィスのコンセプトをまとめている。
はやわかりメモ
コミュニケーション強化を目的に広々とした共創空間を構築した移転事例
多くの商材を展開し、次世代の総合商社として新事業を創造し続ける株式会社フジテックス。順調な成長に加えジャフコ グループ株式会社との資本業務提携も相まって、オフィスの人員密度が課題に。共創によるオープンイノベーションを促すため、より広いオフィスへの移転を実施した。
オフィスコンセプトは「船」。ゲストエリアは「クルーズ船」、執務エリアは「冒険船」をイメージしてデザインを施した。巨大なモニターを備えた事業共創ラボや港近くのカフェをイメージした多目的エリアが、活発なコミュニケーションを後押しする。
「リモートでは、相手の表情や顔色になかなか気付かないもの。いつでも誰とでも関われるオフィスの存在は、当社にとって必要なビジネス要素だと考えています」
(移転時期:2024年6月)*2024年9月取材
札幌市に本社を置き、さまざまなITソリューションを提供する株式会社HBA。人員増に分室の開設で対応し続けたことで、気付けば拠点は市内6カ所に。分断されたコミュニケーションを改善するため、新築大規模ビルへの集約移転を決断した。
オフィスコンセプトは「イノベーション」「先進性・シック」「北海道発」。北海道産の木材にこだわった受付や多くの造作什器、揺りかご型チェアを採り入れたABWエリアなど、まさに北海道のフロントランナー企業たりうる、こだわりのオフィスを完成させた。
「創成オフィスでは、従業員に自由な会話を楽しめる場所を提供する。それが『イノベーション』に繋がり、ゆくゆくは企業の成長を進化させる要素になると思っています」
(移転時期:2024年10月)*2024年11月取材
組み込みソフトウェア開発やインフラ構築など、IT分野で幅広いサービスを提供する株式会社アイ・エス・ビー。事業所や部門を超えたコミュニケーションの創出のため、4拠点の統合移転を実施した。
オフィスコンセプトは「革新を共に創造する新オフィス空間~オフィスでしかできない体験~」。同社のコーポレートカラーであるブルーを基調としたカフェエリアには多様な使い方ができる什器のほか、卓球台やダーツマシンも設置。同社のコミュニケーションの中心的な場となっている。
「出社して企業文化や業務手順に触れることで、働き方を選ぶための土台が築かれる。テレワークが行えるからこそ、『オフィスでどう過ごすか』はますます重要になると思います」
(移転時期:2025年5月)*2025年6月取材
職務環境の整備やオフィススペース効率化を目的とした移転事例
ライブ動画配信サービスを中心に、モバイルソフトウェアの企画・開発・提供を行う株式会社jig.jp。福井県鯖江市に自社ビルを構える同社が、働く環境の整備を目的として東京本社の移転を実施した。
オフィスコンセプトは「自然にコミュニケーションが生まれるオフィス」。従業員が行き交うエントランス付近に設置されたカフェエリアは共創を生み、緑で装飾した網目の大きなフェンスがONとOFFの空間を緩やかに仕切る。配信機能を有したブースやグッズの収納部屋も確保し、まさに同社に最適なオフィス環境が誕生した。
「渋谷という情報発信地への移転で、Z世代の若者と接することが増えてきました。その接点が刺激を生み、今までにないアイデアが創出されることに期待しています」
(移転時期:2024年11月)*2024年12月取材
Eコマース事業を中心にグローバルな発展を続けるBEENOS株式会社。コロナ禍でも順調な採用が進み、全員が出社すると席が足りない状況に。同時期にハイブリッドワークを採用したこともあり、移転のタイミングと合わせてレイアウトを一新した。
オフィスコンセプトは2018年の移転時と同じ「オープントーク」。会議室を全て透明なガラス壁にしてコンセプトを体現したほか、ファミレス席やWebブースなどを効果的に配置し、コミュニケーションと集中が共存する機能的なオフィスを構築した。
「何かを決めるときは直接話して一気に。作業は、個々に合わせて自由に。ハイブリッドワークの本質は崩さず、会社も成長させたい。そんな願いを叶えるための最善のオフィスです」
(移転時期:2024年12月)*2025年1月取材
世界60カ国以上の顧客にエンジニアリングサービスを提供する東洋エンジニアリング株式会社。旧オフィスは10,000坪の面積を有したが、リモートワーク導入で空きスペースが目立つように。今の働き方に合わせたオフィスの構築に向け、大規模オフィスビル4,500坪への移転を決行した。
オフィスコンセプトは「出社したくなるオフィス」。「Collaboration」「Discussion」「Focus」など7つのアクティビティからなるABWを新たに採用し、それぞれの生産性を高めるよう機能を設計。ブランドカラーやプラント内配管モチーフを用いることで、「TOYOらしさ」も表現した。
「会社として、出社したくなるオフィスを用意することは絶対に必要だと思います。それが、『共感・共鳴・共創』を生み出すことにつながるからです」
(移転時期:2024年12月)*2025年4月取材
建設専門新聞の全国紙として、専門情報を発信し続ける株式会社日刊建設工業新聞社。入居から50年以上が経過した旧オフィスはITインフラが時代に即しておらず、ビルの老朽化も著しかった。2028年に控える創刊100周年に向けて従業員のモチベーションを高めるべく、心機一転、本社移転を実施。
オフィスコンセプトは「見渡せるオフィス」。執務室は間仕切りを最小限にとどめたことで、窓の外の眺望まで見渡せる。新たに設けた交流スペースは植栽を施し、飲食可としたことで談笑も聞こえる明るいオフィスとなった。
「コミュニケーションの広がりが、新たなアイデアと『メディアの形』につながるかもしれない。そうしたシナジーを生み出すには、対面で一つのことを行えるオフィスが必要不可欠です」
(移転時期:2025年2月)*2025年5月取材
今後の人材獲得を見据えた移転で一層の成長を目指した事例
専門求人情報サイトの運用を中心に、生鮮・食品業界にフォーカスした総合支援を行う株式会社オイシル。長らくコワーキングスペースで業務を行ってきた同社だが、人員が増えるにつれ業務のしづらさを感じる場面が増加。それに伴って、一般的なオフィスビルへの移転を決意した。
今後を見据え、「ちゃんとした会社」としてやっていくという決意を込めたという新オフィスは、旧オフィス専有部のおよそ8.5倍の広さ。将来を見越して設置した2室の会議室のほか、手製の受付システムや簡易集中ブースなど、これまでになかった機能を備えた。
「将来的な拡大を見据えているなら、少しでも広いオフィスを借りてその環境に追い付くよう頑張る。そんなやり方も、会社を成長させる原動力になるのではないかと思っています」
(移転時期:2025年1月)*2025年3月取材
心臓ペースメーカーを始めとした医療機器の専門商社として成長を続けるディーブイエックス株式会社。設立40周年を機に、より幅広い人材の獲得のため20年ぶりの移転を実施。
「洗練」「機能的」「清潔感」をキーワードに、出社したくなるオフィスを目指して構築を行った。エントランスはベージュで統一し、壁に本物のタイルを採用することで洗練された清潔感を演出。従業員の動線上に配置したカフェスペースは偶発的なコミュニケーションを誘発し、社内に活気を生み出している。
「一つの空間の中で、共に何かを生み出していく。それが会社の役割であるならば、一人ひとりがその一員だと実感できる場、それが『オフィス』であるべきだと考えています」
(移転時期:2025年4月)*2025年4月取材
デジタルテクノロジーを活用し、これまでにない旅行体験を提供する株式会社令和トラベル。今後の成長と組織力向上のためには直接のコミュニケーションが重要だと考え、より広いオフィスへの移転を実施。
旅行にちなみ、「エアポートラウンジ」をコンセプトにオフィスを構築した。さらに移転に際し、週3回の出社ルールを制定。ソファスペースやドリンク・軽食を備えたバーカウンターは、コロナ禍で『オフィスで働く』ことに不慣れな若手従業員の出社を後押しし、活発なコミュニケーションを生み出している。
「全員出社としたことで、対面ならではの価値を改めて感じました。『全員が一度に集まる、帰ってこられる、そしてまた出発できる場所』という意味で、オフィスは必要だと考えます」
(移転時期:2025年5月)*2025年6月取材
入居までのスピード感を重視してセットアップオフィスを活用した事例
デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)のリーディングカンパニー、テックタッチ株式会社。急激な人員増にオフィス整備が追い付かず、出社率を40%程度に抑えて対応してきた。人材育成・企業文化継承の観点から出社率の向上が必要と考え、同社に適したモデルルーム仕様のオフィスへ移転を実施。
「来たくなるオフィス」を目指して、ラウンジやリフレッシュスペース等の機能を活用したイベントも積極的に開催している。出社率は当初の想像以上に伸びているという。
「人それぞれ解釈が違うからこそ、直接のコミュニケーションが重要です。コストは掛かりますが、それ以上に『オフィスで働くということ』がもたらす価値は大きいと感じています」
(移転時期:2025年2月)*2025年4月取材
鳥取県鳥取市に本社を置き、独自のプロダクトで日本の建築業界のBIM活用を支援するONESTRUCTION株式会社。小規模でスタートした東京オフィスの拡張移転先として、「セットアップオフィス」を選定した。今後の採用計画も見越した効率的な移転がかなうことが理由だ。
広々とした執務空間は出社率の向上に寄与。また、デザイン性の高いイベントスペースには100インチのモニターを設け、リモート会議のほか、エンジニア向け勉強会や学生への説明会等のイベントで積極的に活用。今後は鳥取や建設をテーマにしたイベントの実施も検討している。
「会議前後の雑談の中にアイデアやヒントが隠されていることも多いようです。それと同様に、顔を合わせることで得られる情報は思っている以上に重要だと再認識しています」
(移転時期:2025年7月)*2025年9月取材













