先進オフィス事例

~オフィスを経営の力に~

2018年のオフィス移転事例を振り返る 前編

2018年1月~12月掲載

※ 記事は過去の取材時のものであり、現在とは内容が異なる場合があります。

オフィス移転事例に見る最新オフィストレンド

2018年7月に成立した「働き方改革関連法案(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)」。法案の施行は「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護を両立させ働く人の多様化」といった課題を解決し、最終的により良い社会の形成を目的とする。

その課題解決の一つとしてオフィス戦略を考える企業も少なくない。三幸エステートが2018年に掲載したオフィス事例を振り返り、今後の「働き方」のヒントを探ってみる。

 

はやわかりメモ

  1. 旧オフィスの課題改善を目的に働きやすい環境を構築した
  2. 経営戦略を進める中でオフィスを新設した事例
  3. 段階的に全国拠点のオフィスプロジェクトを遂行した

旧オフィスの課題改善を目的に働きやすい環境を構築した

2018年に「先進オフィス事例」で紹介した企業(1月~12月掲載)は16社。その内訳は、情報通信・IT系企業9社、サービス業4社、専門・コンサルタント業2社、学校・教育産業1社だった。そのほとんどの企業が人員増員による「拡張」を移転理由とし、執務室以外にもミーティングスペース不足を課題にしていた。

ChatWok株式会社:シアタールーム

業務の効率化をテーマにビジネスチャットの開発・運営を行う「ChatWork株式会社」の移転事例も拡張が理由であった。急激な事業拡大とビジネス部門の強化を理由に急激な人員増に。セールス部門も増えてくる中で交通アクセスにも配慮する必要が出てきた。そこで都心部への拡張移転を決断したという。内装デザインも、単にカッコいいだけでなく、働き方改革の見本となりうるChatWorkらしいオフィスを構築。社内外のコミュニケーションを活発にするために30名が座れるシアタールームや大カウンターを設置した。これら構築したオフィスはブランディングやリクルーティングといった別の視点でも効果が期待できると語る。

株式会社ウエルクス:リフレッシュルーム

福祉や介護といった国内外の社会問題の解決を目指して設立された「株式会社ウエルクス」もスペース不足を課題としていた。今回の移転計画では、「1フロアに集約できる面積」「旧オフィスとさほど離れていない場所」「ターミナル駅近くに立地するオフィスビル」を条件に設定。エリアの見直しから始めた。移転先に決めたビルは商業施設やシネマコンプレックスも入る大規模複合ビルで、自社のブランディングも向上できたと語る。新オフィスは色々な業務に対応できる会議室やリフレッシュルーム、ミーティングルーム、オープンスペースを充実させた。今後も機能性を重視し、働き方を改善していくという。

株式会社Phone Appli:CaMP

株式会社Phone Appli」はクラウド上で名刺情報を閲覧・発信できるサービスを提供。いわば「働き方改革」を商品にしている会社となる。今回の増床移転をきっかけに従業員一人ひとりが誇りを持てる環境づくりに取り組んだ。同社の新オフィスは一般公開しており、「新しい働き方」のスムーズな提案が可能となった。その名称は「CaMP(Collaboration and Meeting Place)」。コンセプトは「自然と、自由に、コミュニケーション」。アウトドアメーカーの協力を得て、実際にキャンプ場で使われている机や椅子でオフィスを構成。オフィスを人と会うための場所と定義した。

株式会社カルテットコミュニケーションズ:コミュニティスペース

中小企業を中心にWeb広告サービスを効率的に提供している「株式会社カルテットコミュニケーションズ」は名古屋に本社を置く。オフィスコンセプトは経営方針同様に「効率化」。少しでも効率的に時間を使えるように来客者用の応接室は1ヵ所に集中させ、セミナールームも新設した。採用面接の際にそのままオフィス見学が可能なためプロセスも効率的になったと語る。先のPhone Appli社同様に執務室の中心にテントやアウトドア用品を使ったコミュニティスペースを配置している。同エリアは完全な休憩スペースと定め、リフレッシュすることによる斬新なアイデアの立案を目的とする。今後も効率化を追求しながら働き方を改善していくという。

株式会社ヤプリ:コミュニケーションスペース

ブラウザ上で簡単にアプリ制作ができるプラットフォームを提供している「株式会社ヤプリ」は2013年4月に3名で創業。BtoBへと事業方針を変換後、急激に事業が拡大。それに比例して社員も増加しスペース不足に。次第に外部のカフェの利用が常態化し、セキュリティ面や別フロアのスタッフとのコミュニケーション不足などが課題となっていた。新オフィスは風通しの良さを狙いとしていたため、極力仕切りをつくらず、フロアの隅々まで見渡せるレイアウトを構築。固定席部分も机を直線的な並びではなく、偶発的なコミュニケーションが生まれる仕掛けとした。オフィスレイアウトの工夫で働き方を変えた好例といえる。

ディップ株式会社:オープンテーブル

求人情報サイトの運営で全国展開を行っている「ディップ株式会社」は2018年に大阪支店のオフィス移転を行った。旧オフィスの手狭さでは働き方も改善できない。そこでハード面の整備を第一優先としてオフィス移転を行った。エントランス周りはミーティングルーム、執務室内にはオープンテーブル、マッチ箱と呼ばれるオフィスステーション。窓際に集中スペース、多機能のカフェなど、オフィス内の基本構成は総じて東京本社と同じとした。さらにデスクをさまざまな角度で配置、机の高さにもバリエーションを持たせている。

株式会社ネットプロテクションズ

後払い決済サービスのパイオニアである「株式会社ネットプロテクションズ」も拡張の必要性に迫られてオフィス移転を行った事例となる。移転先には、オフィス面積、周辺環境、交通アクセスなどを総合的に検証。全く違うエリアへのオフィス移転を行った。新オフィスのコンセプトは「働くというより、話そう」。会話こそが重要なファクターとし、数多くのコミュニケーションポイントを設置した。新オフィスは連続階で3フロアを使用。用途を決めてゾーニングをしている。ワークスペースフロアには、ドアのない会議室、身体感覚を刺激しながら行う会議室といった斬新なアイデアも盛り込んでいる。これらは自由な社風のアピールにもつながり、採用にも影響を与えているという。

 

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