vol.4 仕事がデキる人になる!自分に自信を持つテクニック

vol.4 ~仕事がデキる人になる!自分に自信を持つテクニック~

仕事をする上で、自信のあるなしはモチベーションや効率に大きな影響を与えます。「自分には無理じゃないかなあ。失敗して恥をかくのはいやだなあ」と思えば思うほどイヤになって、ズルズルと残業時間が長くなってしまったりすることも。仕事でめざましい成果でも発揮できれば自信もわいてきそうなものですが、いきなりそれを目指すのも現実的ではありません。

心理学的に正しい自信の出し方をご紹介しましょう。

<今月の4コマ>
※このまんがはフィクションです。実際の人物や団体とは関係ありません。

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自己効力感を持つと自信につながる

自信が出ないとき、やらないほうがいいのは現実逃避や他力本願に走ること。根本を変えなければいつまで経ってもイヤなままですし、自分以外の何かに依存しても自信にはつながりません。長時間労働になりやすいだけならまだしも、同僚はめきめきと実力をつけているのに自分だけ......と、余計に自信をなくしてしまうことにもなります。

カナダの心理学者・バンデューラは、人が自信を持つための重要なキーワードとして「自己効力感」という考え方を提唱しています。「自己可能感」とも言われるもので、わかりやすく言えば、ある目標について「自分にもできる!」と思えている状態をさします。これの有無によって、思考や感情、行為が左右されるとバンデューラは考えました。

よく似た言葉に「自尊心」というものがありますが、これは自分を信じている程度を指す言葉で、自己効力感がある目標、たとえば仕事などについて持たれるものであることが異なっています。自己効力感を持つことで自尊心が高まり、自信を持てるようになるとも言えるでしょう。

自己効力感を持つには

といっても「自分にもできる!」という感覚は、持とうという気持ちだけで簡単に持てるものではありません。提唱者であるバンデューラは、自己効力感のベースとなる要素を4つ挙げています。

①達成経験

自己効力感のうち、最も大切なのがこの達成経験です。文字通り、自分の手で目標を達成したり、成功をおさめたりすることで得られます。つまり、まず小さな目標でも達成してみることで、自信は得やすくなるでしょう。大きな目標をいきなり達成しようとするのではなかなか自信につながりにくいので、小さな目標に分けて達成していくと良いでしょう。

②代理経験

同期や先輩など、自分以外の人が成功したり、うまくいったりしている様子を見ることで「自分にもできるに違いない」という感覚を得ることです。自分と同じような立場の人が成功したとき、焦ったり妬んだりするのではなく「ああやって成功したのか。それなら自分にもできそうだ」と、自分にあてはめて考えてみると良いでしょう。

③言語的説得

上司から「君ならできるはずだ」などと言葉に出して言われると、自信につながります。待っていてもホメられるとは限らないのが難しいところですが、ホメられたら変に裏を読むことはせず、素直に受け取ってみるのもやる気アップにつながるでしょう。この場合は言葉を聞くだけでなく、しっかりと行動に移すことで確実な自信につながります。

④生理的情緒的高揚

苦手なことを克服すると「あれができたのだから、これもできるはずだ」といった自信につながりやすいことがわかっています。ただし高揚感は一時的なものなので、これだけに頼らず達成経験などを積み重ねて自信をつけるといいでしょう。

これらはひとつだけでなく、仕事をしながら少しずつ積み上げていくことが大切です。それによって自信がつくだけでなく、周囲からの評価も得られるようになるでしょう。

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自己肯定感を持って自信をつける

頑張ろうと思っても「頑張っても報われなかった。今後もうまくいく予感なんてまったくしない」という場合はどうしたらいいでしょうか。こうしたネガティブな感情に陥っているときは、自己肯定感を高めることが大切です。自己肯定感とは、長所も短所も含めて自分のありのままを認め、自分という存在を肯定する感情のこと。なかなか「自分はすごい」などと思えないかもしれませんが、報われなくとも努力をした経験があるなら、それは自分が一番理解していることでしょう。「がんばったね。えらい!」と自分をほめてあげたり、「そうやって頑張っている自分が好きだ」と自分を好きになる努力をしたりすると、自己肯定感を高めやすいと言われています。失敗した自分を好きになれない、そんなときも「努力した自分」は好きになれるはず。そして、努力が至らなかったことにはしっかり反省をして、次につなげていくといいでしょう。

*   *   *

自己肯定感を高めるためには、周囲の人からのホメ言葉をそのまま受け止めてみるのも効果があります。照れくささからつい「そんなことありません!」「私なんて全然......」といったことを口にしてしまう人もいるかもしれませんが、できる範囲で「ありがとうございます」と言ってみるといいかもしれませんよ。

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監修:赤木麻里

フリーライター。学習院大学文学部日本語日本文学科、東京福祉大学心理学部卒。
書籍やウェブサイトを中心に幅広く執筆を行う中で、特に思想、哲学、心理学の分野で多数の執筆協力、コンテンツ提供を行っている。

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